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山形国際ドキュメンタリー映画祭のキロク

映画祭1


2017年10月5日〜12日にかけて、今回で15回目の開催となる「山形国際ドキュメンタリー映画祭」が行われました。
映画祭は、アジアで初めて創設されたドキュメンタリー映画祭として世界的に有名ですが、これまで、観客としてしか参加したことがなかったので、今回初めてボランティアとして参加してみた記録を綴ってみたいと思います。



私が担当したのは、大賞の対象になるインターナショナル・コンペティション作品が上映される、メイン会場の中央公民館(az6階)の会場係です。
ここは、学生時代に映画祭の作品を観に来て、途中で眠ってしま った記憶のある会場です。。。
ボランティアを行うにあたっては、事前に行われるボランティアミーティングで担当などが割り振られ、簡単な研修を受けたうえで、映画祭の開催を待ち受けます。
仕事内容としては、上映前は、観客数のカウントや、チケットもぎり、上映中は、市民賞のアンケート用紙などの折込み、カタログや映画祭グッズの物販など多岐にわたります。
映画祭には、世界各地から外国人がたくさん訪れますので、外国語で話しかけられることも多々あり、固まってしまう場面も多々ありました…。
作品によっては、長蛇の列が発生し少々殺気だつ場面もありますが、上映が開始されると、ゆったりとした時間が流れ、他のボランティアメンバーと談笑しながら折込みなどの軽作業を行います。
映画祭に関わる人々は、やはりコアな映画ファンであることが多く、話題は、(今回の映画祭で)何の映画を観たか、これから何の映画を観る予定か、が中心になります。
また、ドキュメンタリー映画への熱気は、白いフリーパスや、青やピンク・緑などのIDパスを首から下げて、目当ての映画の開始時間に間に合うよう急ぎ足で向かう人々がたくさん観測できる、香澄町から旅篭町にかけての地域でも感じられます。



私は、今回はそれほどたくさん観るつもりではなかったのですが、そのような人々に刺激され、結果的には、5本の作品を観ることになりました。
特に印象に残った作品をあげるとすれば、アメリカで公民権運動の時代に黒人差別と闘った、キング牧師などの活動家にスポットをあてた『私はあなたのニグロではない』(監督:ラウル・ペック、優秀賞受賞)があります。
差別の問題を扱ったドキュメンタリー作品と聞くと重苦しいイメージが浮かびますが、この映画はスタイリッシュに編集されており、現在まで根強く残る人種差別と、それに対する気高い闘いの歴史を学ぶことができます。
エンドロールで、現代の黒人運動「Black lives matter」(黒人の命も大切だ)のテーマソング的な存在にもなった“Alright”でも有名な、ヒップホップアーティスト/ケンドリック・ラマーの“The Blacker the berry”が流れたのには痺れました。
フックとしてサンプリングされた「果実が黒いほど果汁は甘い。肌の色が黒いほど美しい」というラインを持つこの曲を選択した監督の意図について考えさせられます。



仕事もあって全日程は参加できなかったのですが、8日間本当にあっという間に過ぎ去りました。
日常に戻ると、「映画祭ロス」な感覚にもなりましたが、過去の映画祭の作品を上映する「金曜上映会」などで空白を埋めつつ、2年後の開催を楽しみに待ちたいと思います。(了)

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Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
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