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ARTS SEED OKITAMA 2016 文化の種をまく。育てる。ひきつぐ ~ BeHereNow企画 代表 菊地純~

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 「ARTS SEED OKITAMA 2016」(※以下、ASO)は、今年7月15日~26日の11日間、山形県置賜地方を中心に、各所でそれぞれ開催される個展や企画展を一枚のマップにまとめたものです。展示会場が16、飲食店や博物館からの協賛参加が6、合わせて22か所で予定しています。

 美術、工芸、アート、そういったものが好きな人は、この期間に置賜を訪れてもらうと、すごく楽しいよ、という企画。

 作家にとっては、どうせ個展やるならこの期間に置賜でやったほうが広報的にも集客的にも、きっと売上的にもいい、という打算的な企画です。

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 文化、芸術などを趣味とする人は、だいたい人口の1%に満たないらしい。らしいというのは、そもそも古い統計なうえに出典もさだかではないからだ。数値はだいたいどの年代においても変わらない、と書いてあったように思う。また、この文化、芸術とは鑑賞、制作、購入などということがらや、また絵画、演劇、書道、お茶、踊りなどとジャンルも多岐に渡ったざっくりしたものだったと思う。

 さて、そのいい加減な情報をもとに、風呂敷をひろげてみよう。置賜地方はざっくり20万人ちょっと、そこに山形市などの近隣市町村、おまけに期待をこめて近県からの来客もいれ、30万~50万人が対象だとする。30万人の1%が仮に文化、芸術に興味をもっているとすると、約3,000人。また、そのうちで鑑賞、購入を趣味とし、特にアート、工芸系が好きだとなると、もっと少なくなるはずなので、ざくっと1,000人。

 今回、ASOのチラシは10,000枚刷ったので、この10分の1枚が届けばよいことになる。ただ、これまで色々企画してきたが、チラシのヒット率が1割というのはちょっと希望的かもしれない。

 もちろん、広報は紙媒体だけではなくSNSや、新聞(『山形新聞』の「ヤマガタ青春群像」でとりあげていただきました)、テレビ、ミニコミ誌などのメディア、そして強力な口コミなどもあるので、実際はもっと期待はできるのではないかと思う。

 1,000という数字は、イベントとしては大した数字ではないと思う。むしろ大風呂敷を広げた割にはしょぼい。

 しかし、一つの個展に1,000人が訪れてくれたとしたら、地方都市では結構大成功だと思うのですが、どうでしょうか。もちろん、マップにある会場を全ての人が全て回るわけないでしょうから、一つひとつの展示会の来場者数はもっと少ないでしょう。それでも、個別に単独で行うよりはずっと来場者が見込めるのではないかと、皮算用をするわけです。

 「アート」って何か。ファインアート、ネイルアート、美術、芸術、ARTとアートのちがいは? あとアーティストいうのもよくわからない。ひとによって思い浮かべるのも、感動するのも、捉え方は色々だと思うし、色々なことはよいことではないか。誰かが「これはアート、こっちはアートじゃない」なんてことはつまらないように思う。

 でも、そこであえて僕が思うアートはなにかと問えば、「これまでとは(同じものなのに)違う新しい価値観を与えてくれるもの」もしくは、「当たり前だと思っていたものを塗り替えるようなもの」かもしれません。ジャンルや作者の意図とも関係なく。「アートは問題提起であり、デザインは答えだ」なんて言うのもしっくり来る気がします。


 「文化」って何か。歴史文化、食文化、おたく文化、これもきっと沢山ある。人の営みの数ほど。いつぞや、「文化は図書館や博物館にあるもの」という答えを聞いて、ぽかんとしたことがある。それもあると思う。でも、文化は過去のものだけではなく、自分たちで育てていけるものだと思うし、そうありたい。ひきうけたり、育てたり、ひきついだり。

 よく例えで、「冬にスーパーでパイナップルを買うのは食文化ではないでしょうか」と話す。これはこれでぽかんとされたりする。雪の降る中、遠くの南国の果物を食すのであるから、それなりのコストがかかっているはずである。その、何かにコスト(時間であったり、金銭であったり)をかけるという行為が一つひとつの文化をつくるのではないか、と思うからだ。郷土料理や在来作物だけが食文化だと思っていると見誤るのではないかな、と。

 そう、綺麗で崇高なものだけが文化ではないはずだ。3,000円のコンサートのチケットはなかなか売れなくとも、平日の昼間からパチンコ屋さんの駐車場はいっぱいではないか。やっぱりよく解り難いかもしれない。そのへんの話しは受け売りなので、平田オリザ『芸術立国論』(集英社新書、2001年)をお読みいただくのが間違いないと思う。


 一年にワンシーズン、7月の後半あたり、梅雨があけたかどうか、ちょっと蒸すような本格的な夏が来る前、夏休みもはじまり、うきうきしだす季節、置賜のあちこちで展示会が行われる。どんなに雨脚が強くとも、その個展の会場内には作家が丹精込めてつくったであろう作品がならび、小さな宇宙をつくっている。だから、ASOは宇宙をめぐる旅なのだ。そういった文化はどうだろうか。僕たちと一緒に宇宙をめぐりませんか?


 そして、各会場の売上の一割を作家や会場などから寄付していただき、来年へと積み立て、主に近県の作家の招聘(お招きする)のために使いたいと思っています。新しい交流が、新しい種を置賜に運んで来てくれるのではないでしょうか。

 それは、文化の種をまき、育て、ひきつぐこと。

 僕も、参加した作家も、そして何より巡ってくれた皆さんが、楽しんでくれることが、新しい次の文化をつくっていくと思うのです。   
(2016年5月吉日)

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菊地純: イラストレーター。1982年生、山形県南陽市在住。家族は、妻一人、一姫二太郎、コーギー、黒猫。神話から日常まで、イラストレーションのお仕事、募集しています。企画プロデュースなども。junkikuchi.com

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日本社会教育学会 北海道・東北研究会

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Ⅰ シンポジウム概要

2016年5月28~29日、山形大学地域教育文化学部(山形市小白川町)にて、日本社会教育学会北海道・東北研究会第40回大会が開催された。この北海道・東北研究会では、北海道大学、青森大学、福島大学など北海道・東北に位置する各大学の社会教育研究者が集い、テーマに即したシンポジウムが行われてきた。

シンポジウムでは、過去5回にわたり「地域再生にむけて社会教育が果たす役割」について検討が行われてきたが、今回は、これまでのテーマを継承しつつ、佐藤一子編『地域学習の創造』(東京大学出版会、2015年)による「地域学習」という問題提起を、東北、とりわけ山形県での経験と展開を踏まえて深める、という内容のシンポジウムであった。

今回の報告では、山形における「地域学習」の系譜を、戦前から現代まで追いかけるかたちでの整理がなされた。特に山形は地域教育が盛んに行われた歴史をもち、とりわけ農業を中心とした「食」「暮らし」に関する教育運動については、独自の哲学をもつ教育思想が育まれているように感じられた。

宮崎隆志氏の報告「地域学習論の構図:北方性教育運動に即して」では、その流れが事細かに記述されており、年代ごとにわけられた教育運動の変化からは、その時々の人びとの関心がどこにあったのかを読みとることができた。

そして、この報告を受け、さらに現代の具体的な取り組みや問題についてとりあげたのが佐藤一子氏の報告「山形に見る『地域学習』の系譜と今日的展開」である。ここでは庄内地域の「浜文化伝道師」の活動や、鶴岡市の「食文化創造都市」の取り組みについて主に話題が提供され、地域の抱える「食」の問題とそこに住む人びとの学びたい欲求、生活を豊かにする「地域学習」について、明瞭な説明があった。


Ⅱ 報告内容を振り返って

私がとくに気になったのは、70年代における農業技術革新がもたらした生態系の乱れ、具体的には、土を耕さずかき回す機械化と化学肥料多投によって土がやせるという問題についての研究者のとらえかたである。急激な近代化によって公害問題(カドミウム汚染米など)が世の注目となっていた当時、農民たちが、この土がやせるという問題を社会的災害として捉えるだけではなく、「農業従事者がその片棒を担いでいること」に大変な危機感を感じていた、と研究者の剱持清一氏はいう。これは「地域学習」独自の視点であろう。

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 もし公害と簡単に位置づけたなら、それは政府や企業への訴えだけで終わっていただろう。しかし、農民自らの手による土の生態系の破壊を嘆くこの視点は、地域に根差す問題意識であると捉えられる。それは、農民らが自覚的に「地域学習」に参加していたからこそ、そしてそうした「地域学習」がさかんであった山形だからこそ、可能となった視点であるように私には思われた。
 この「地域学習」の精神が引き継がれた現代、気になるのが男女での学習への取り組みの姿勢の違いである。「食」をキーワードとして広がる活動をみたとき、そこにはジェンダー論が存在した。

 庄内地方での食育活動に「キッチンシリーズ」というものがある。庄内に住む主婦らが、絵本の読み聞かせや買い物を子どもたちと行い、教育的な活動とともに故郷の味を堪能するというものだ。一方で、同じく「食」をテーマとした取り組みに、「庄内浜文化伝道師」という鶴岡市が発行する認定証がある。これは、庄内産魚介類の調理法や文化を広めるために設定されたものである。

ここで見えてくるのは、男たちが主な担い手である「庄内浜文化伝道師」は庄内産魚介類の地産地消を目指す戦略である一方、女たちが主な担い手である「キッチンシリーズ」では生活が価値になっていることである。そうした生活的価値の背景には台所に立つ女性の姿がある。ここには、ジェンダー差が存在する。それを比較することを目的とした研究ではないものの、「地域学習」の方向性について更に視野が深まったように思う。

Ⅲ 地域学習の魅力

もちろんシンポジウムでの議論には、まだ検証する余地が多く残されている。過去の活動を整理し博物学的にわけるだけでも男女の考えかたにまで視点は及ぶ。これは、裏を返せば、地域の学習活動はそれだけ学際的で魅力的なものだということだ。今や芸術の世界でも地域との連携があり、そこでもすでにさまざまな討議が交わされている。その中で、いかにして自分なりの地域との向き合いかた、学習との向き合いかた、暮らしとの向き合いかたを選択するかは大変大きな問題だ。「地域学習」という問題の捉えかたには、そのヒントがたくさんある。

今回のシンポジウムを通じ、選択のためのいくつかの方向性が見えてきた。地域に暮らす一人の学習者として、私自身、自分なりのありかたを見つけていきたいと思う。 
       
 (文責:藤原日菜子)

いつまでもいつまでも、どうやったら楽しくみんなとつながっていられるんだろう? トランジション・タウンという 集いの場のつくりかた ――その1 トランジション・タウンとは?

とらんじょん


みなさんこんにちは。庄内町在住の小松馨(こまつかおる)です。

昨年度は、パーマカルチャー(石油に依存しない農を中心とした持続可能な生きかた)の考えかたをもとに、互いに配慮ある関係づくりについて書かせていただきました。

前回のお話を簡単に説明すると、それぞれが配慮することによって私たちの生活環境は心地よく循環するということでしたよね。
今年度は、イギリスに住むパーマカルチャー講師ロブ・ホプキンスさんが始めた「トランジション・タウン」というみんなと楽しくつながるグループづくりについて共有していけたらと思います。今年1月に神奈川県藤野で開かれた「トランジション・タウン合宿」で学んできた事+αで、山形でも実践できるさまざまなカタチをみなさんにお伝えできたらいいなぁと、私も今ワクワクした気持ちで筆を進めています。

それでは、今回は「トランジション・タウン」とはどんな活動なのかを説明をしていきたいと思います。


1.トランジション・タウンのはじまり

2005年秋、イギリス南部の小さな町トットネスで、パーマカルチャーの講師、ロブ・ホプキンスさんを中心に始まりました。

関心と情熱を共有する人たちが集まり、映画上映会、暮らしの基本的技術の再習得講座、自然エネルギー勉強会、地域通貨の発行などを開始しました。

関連団体、企業、行政などとも協働関係を築き、トランジション・タウン運動は瞬く間に地域を巻き込むことになっていきます。


2.トランジション・タウンの活動とは?

それは、市民が自らの創造力を発揮しながら、地域の底力を高めるための実践的な提案活動です。

日々の暮らしかたをほんの少し変えるだけで、楽しくて豊かに、そして自由になれること!

コミュニティの中でそうした変化をつくりだし、実践し共有していくこと、そんな実践を積み重ねることで、いま暮らしている地域をより暮らしやすく、災害に強く、誰もが参加できる場所に変えていく草の根の活動なのです。

3.トランジション・タウンの活動の考えかた

エネルギーや食料 心や身体の健康 気候変動や環境の変化、格差社会や社会に参加できない人の増加――。

いまの社会が抱えているたくさんの困ったこと、解決しなければならない問題を、あっという間に魔法のように解消することはできません。でも、もし地域のコミュニティのつながりを強くしながら、みんなで考え行動すれば そうした問題を同時に解決できるかもしれない。それがトランジション・タウンの活動の考えかたです。

4.トランジションとは?

トランジションとは、「移行」を意味する英語(transition)です。 何から何への移行でしょうか?

それは、エネルギーを多量に消費する脆弱な社会から、適正な量のエネルギーを使いながら、地域の人々が協力しあう柔軟にして強靱な社会、持続可能な社会への移行です。

エネルギーを大量に使う社会は一見便利で快適ですが、ひとたびエネルギーの供給が止まれば人々は生きていくことすら困難になることが予想されます。スーパーに並ぶ食料も満ちあふれる製品も、エネルギーが途絶えると、とたんに消えてしまい、なにひとつ機能しなくなる脆弱な社会なのです。

適正な量を大事に使い、使い終わったものは無駄なくリサイクルする。 そうした社会に向かうためにも地域の仲間と一緒に、地元の資源を使ってエネルギーを作り出したり、地域の人々が集まって菜園や田んぼで食べ物を作ってみたり、昔から伝わって来たのに途切れてしまった技術を蘇らせるとか、お年寄りから昔の知恵を学び、勉強会や上映会を開いて私たちの住む社会の問題意識を共有したりします。

無駄がない循環した暮らし方を見つけ出すこと、それがトランジション・タウンの活動です。
(「トランジション・ジャパン」公式ホームページ より抜粋)


山形でもこんなつながりができたらよいと思いませんか?!
説明を読んで気づいたことがあると思います! それは、山形ではまだまだこういった地域との関わりや生活ができているということです。しかしながら、20~30年前と比べたら格段に人と人との関係性は希薄になっているのも事実。ここに気づき、みんなで万が一に備えて仲よくするって楽しそうじゃありませんか?! 3年前から実践したいと思い、私も全国の友だちとつながりながら情報を集めていますが、いくら情報を集めても実際に動いてみなくてはわからないこともいっぱいです。多くの人が共感し、自発的に一緒に活動してみたいと声をあげてくれることを、いま切に願っています!


次回は、「トランジション・タウンを、どうやって始めるか」について書いていこうと思います! 今すぐにでも始めたいと思った人がいたら連絡ください。みんなで、楽しくつながりましょう!

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プロフィール こまつかおる
1980年生、庄内町在住。昨年度より、主人の庄内町地域おこし協力隊に伴い15年ぶりに庄内町に近距離Uターン。農的暮らし研究所という名前で、50年前の循環型の農を中心とした暮らしの提案や暮らしの中へ落とし込むためのワークショップを不定期で開催しています。

「鳥の目」と「虫の目」を

■はじめに

この度、4月に熊本県及び大分県で発生した地震により、被害を受けたみなさまにお見舞いを申し上げるとともに、一人ひとりが安心して眠れる日が一日も早く訪れますよう、心からお祈り申し上げます。


■共感できるものに「素直」になる 

東日本大震災以降、岩手県や茨城県、山形県での水害や、熊本県・大分県での地震被害など、災害が相次いでおこってきました。災害はもちろん、おこってほしくないこと。けれどその一方で、「今の自分には何ができて、何ができないのか」という一人ひとりの問いかけが、私のまわりでは徐々に増えているように感じています。


「子どものいる家庭は大変だろうなと思って、子どもへの物資を支援したい」
「介護で辛い思いをしたことがあるから、少しでもそこに資金を応援したい」
「自分の愛犬が同じ状況になったらと思うと、少しでもストレスがなくなるようなことに何か支援をしたい」


今回、「どんな方法があるかな?」と話してくれた人の年代や生活、価値観は、みんなそれぞれ。けれどその人びとに共通することがありました。それは、自分の身のまわりの環境から共感できることに、とても“素直”であるということ。

大きなものを一度に変えようと思えば、どうしていいかわからず動けなくなってしまうけど、共感できることから素直に一歩ずつ動き出せばいい。自分の足元からの一歩が、遠く離れた場所へたどり着く始まりだということを、よく知っている人たちなのだなぁと思います。

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■「鳥の目」と「虫の目」

東日本大震災の支援に関わり始めて間もなく、災害支援に長年関わっている方に「いつでも“鳥の目”と“虫の目”をもちなさい。」と教わりました。

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“鳥の目”となり、いま、全体で何がおきているのかを俯瞰して把握し、そして“虫の目”となり、そこにいる一人ひとりにまで目を向けて考え、そのそれぞれに届く形をつくっていくこと。そして、いまの自分には何ができるのかを、そこから導き出すこと。経営学ではよく使われている言葉のようですが、「なるほど、なんて覚えやすい表現だろう。」と知識など空っぽだった私なりに、感心したのを覚えています。

個人であれ、組織であれ、一人ひとりが関われることは、きっとほんのわずか。けれど、“鳥の目”をもって関わっていると、自然といろんな分野で関わっている全ての人へ、尊敬や尊重の気持ちが生まれます。反対に、全体の把握なしに自分が関わる狭い視野だけにとらわれてしまうと、「自分だけ頑張っている!」なんて思ったり、「これって本当に役立っているの?」と疑問が生まれてしまうことも。

支援やボランティアという分野では特に、情熱や共感という「感情」を大きな燃料にするものだからこそ、冷静さを保ってくれる「全体」への視野と、「細部」への視点、そして長い目でものごとをとらえていく力が、自分が関わる分野以外の人への尊重を育み、自分の活動を見つめるためにも、大切なことなのです。


■情報に受け身にならない

今回、熊本・大分地震に関する情報は、数日間のピークを迎えたあと、徐々にペースを落としたかと思うと、「あれ、この間おきたばかりなのに」と言っている間に、あっという間に山形ではメディアから消え去っていってしまいました。物理的な距離があればあるほど、こんなにも情報量に差が出てしまうことに、「なんてメディアはあっけないんだろう」と改めて驚きました。

私たちの身のまわりに流れてくる新聞やテレビからの情報は、情報を商品にした考えのもと、企画されているもの。企業だもの、それは当たり前のこと。けれど流れてくるものが世の中の動きを正確に映すものではないことを、私たちも理解して利用していかないと現実がなかなか見えにくくなってしまう。

大きな出来事がおこったときこそ、人とのつながりやインターネットなど、いろんな角度からの情報を求めて判断していくこと、情報に受け身にならないこと。そんなことをもう一度私も、心に留めていきたいと思います。

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プロフィール 多田曜子
山形市出身。北京語言大学卒業。会社員、販売員を経て2011年の東日本大震災をきっかけに宮城・岩手・福島・山形でボランティアを始める。2011年8月より復興ボランティア支援センターやまがたに勤務。311ボラMeeting代表。

PoF山形 代表 なつみ さん (聞き手:大原克彰)

安保法案の強行採決をはじめ、現政権の行いに対し危機感を覚えた山形の高校生たちによって結成されたグループ「PoF山形」。
県内各地で開催されているデモや集会に参加するなど、精力的に活動しています。そんな「PoF山形」に『まどあかり』編集部がインタビュー。代表のなつみさんから、 団体の発足した経緯や活動に対する思い、抱えている課題などを伺ってきました。

●「PoF山形」とは

――「PoF山形」とはどんな団体ですか?

PoF山形」は「Peace of Future山形」の略で、平和な未来を自分たちでつくるためにできた学生団体です。というのも、昨年に成立した安保法制などは、わたしたち若い世代にとっても将来の生活や権利に深く関わってくる法律だと思い、将来に対して危機感を覚えたのがきっかけで、こうした団体をたちあげました。
設立は昨年の11月で、現在は県内各地の高校生10名程度が所属しています。元々、たちあげた当初は「平和な未来を創る山形学生の会」という名称でしたが、少し覚えづらく固いイメージがあったので、メンバー間で話し合い「PoF山形」という名称に変更。以降、デモや集会などに参加しスピーチを行ったり、SNSなどで安保法制に関する情報を発信したりしています。


――なつみさん自身は、以前から政治に関心があったのですか?

いえ、前からそんなに関心があったわけではないですね。ただ、高校に入学して奨学金などの制度を調べていくうちに、政治にも興味をもつようになっていきました。


●自分らの手で団体を

――団体をたちあげた経緯について詳しく教えてください。

 安保法案に関するデモに行ったことや、政治について、自分の思ったことなどをTwitterやLINEといったSNSに投稿していたら友人たちから反応がありまして。
「PoF山形」をたちあげる前は、個人か、あるいは友人といっしょに県内外のデモなどに参加していたんです。
例えば、去年の8月に行われた仙台での「SEALDs TOHOKU」主催のデモや、翌月に山形県内で行われた「安保法案に反対する緊急山形アクション」。
SNS上で「今日はこんなデモに行ってきたよ」って話をしたら「その話、もう少し詳しく聞かせてほしい」といったコメントをもらったりして。
そんな感じで、SNS上で安保法案やデモに興味のあるメンバーたちとやりとりしていく内に「自分たちも『SEALDs』のような団体をつくろう」という流れになっていきました。


●多くの人たちに自分たちのことを知ってもらいたい

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――団体をたちあげるというのはとても大変な上、いろいろな不安もあったんじゃないかと思います。そのあたりはいかがでしょう?

そうですね。「こういうことをやりたいんだけど」と、相談できる人もなかなか身近にいなくて。そのあたりは大変でした。けど、SNS上で同じ志をもつ仲間もいたし、幸いにもその中にはわたしと同じ高校の友人もいたので、直接会って話すこともできました。そのおかげで、たちあげは比較的スムーズにいきました。

――なるほど。では、実際に活動してみて見えてきた課題などはありますか?

 本来であれば先ほど言った「SEALDs」のようにデモを企画するとか、そういうこともやりたいんですど、ほとんどのメンバーは高校もバラバラでスケジュールを合わせるのも難しく、なかなか思ったように行動できていないというのが実状です。やはりみんな学業もあるわけですし。足並みを揃えて何かするのがけっこう大変ですね。その代わり、直接は会えなくてもSkypeやグループLINEなどを通して交流したり、議論したりできる時間を何とかつくっています。
できれば大学生など、高校生以外のメンバーにも入ってもらえばいいのですが、なかなかメンバーが集まらないというのも悩みどころです。なので、もう少し「PoF山形」の活動を多くの人――特に同世代――に知ってもらいたいという思いはあります。


18歳選挙権について

――今後の展望などはありますか?

わたしたちは安保法の白紙撤回を求めているので、大事になってくるのはこの夏の参院選だと思っています。市民の声を無視し続けるいまの政権を止めるのが「PoF山形」の目標ですので、わたしたちの考えに近い政治家さんを積極的に応援していくつもりです。
また、今回から選挙年齢が「18歳以上」に引き下げられるので、若い世代の人たちにも選挙に行ってほしい、という思いもあります。わたし自身は18歳未満なのでまだ選挙には行けませんが、中には18歳になった同級生もいますので、一人でも多く政治に興味をもってほしいです。


――若い世代の人びとに政治に興味をもってもらうために、なつみさん自身は何かとりくんでいることはありますか?

SNSでの政治に関する情報発信はもちろん、日常の会話の中でも少し政治の話をもりこんでみるなど、できる範囲でいろいろと工夫はしてみています。

――確かに、日常の会話で進んで政治の話ってあんまりしないですよね。

はい。政治の話をすると重苦しい雰囲気になるというか。もっと政治の話を自然とできるような社会にしたいな、と思います。だからこそ、まずは自分から率先して活動していきたいです。

――ありがとうございました。

ぽふ3



つきをさすゆび

ぬぬぬぬぬ

Don't think, feel!(考えるな、感じろ)

『燃えよドラゴン』の冒頭、ブルース・リーの代名詞的なセリフだ。こう続く。

Don't think, feel! It is like a finger pointing a way to the moon.
Don't concentrate on the finger or you will miss all heavenly glory. Do you understand?

考えるな、感じろ。それは月を指す指のようなものだ。     
指先ばかりにとらわれていてはその先にある栄光を見失うぞ。 わかったか?

こんにちは。ぬまのひろしと申します。

山形県新庄市在住の無職、32歳、AD/HD。「自分より劣る人間が社会の中に生きている安心」という名の社会福祉を、身を挺して勝手に提供し人びとのハードルを下げる、通称“カナリヤ”活動を各方面で繰り広げているのですが、その中のひとつに「ぬまの音楽教室」というのがあります。

「現代民族楽器」などと勝手に名づけたゴミガラクタを鳴らして喜ぶ人びとを育成しています。そう、わたくし、指導者でもあるのですよふふ。

Don' think, feel!! ← これ一度言ってみたいな。言えるくらいの人になりたいなと思ってがんばっているつもりなのですが、如何せん、大人の言うことをほぼ受け流してここまで育ってきた男、いわゆるお稽古のような指導はするのもされるのもどうにも苦手で困っています。この子ども時分から染みついた性分というのは厄介なものです。

もう昔から、まわりの大人とジョン・レノンが正反対のことばかりぼくに言うものだから。んなもんジョンのほうが正しいに決まってるし、地元のオラついたセンパイより「たま(※バンドの)」のほうが断然かっこいいし、エラそうな先生とかが「現実」と呼ぶ目先の些事より坊さんの寓話の方が真実に近いじゃないかと。ずっとそう考えて大人をバカにしていたので、そんなひねたガキ、やっぱりこうなっちゃいました。

坊さんの寓話といえば、冒頭のブルース・リーのセリフには元ネタがあります。大昔のインドのえらいお坊さんの話らしいです。「指月の譬(しげつのたとえ)」として有名です。
 
人の指を以って月を指し、以って惑者に示すに、惑者は指を視て、月を視ず。人、これに語りて、「われは指を以って月を指し、汝をしてこれを知らしめんとするに、汝は何んが指を看て、月を視ざる」、と言うが如く

人(賢者)が惑者(バカ)に月というものを指さして教えてやったら、バカは「んだがっす、月ってこげったんがっす」と言って指ばかり見て月を見ない。賢者は「んねじゅ。おめよぉ、おれいっくど月ば指さして教ぇでけってんなさ、なぁにおめ月ば見ねで指ばぁり見っだんじゅ。はぃんやって~さだげねごどやー」といいました。…というたぶんだいたいそういう意味。

普通にね、巷にあふれる「お教室」ってだいたい指ばっか見てるように、ぼく思うんですよね。んなもんどっちでもいいじゃないか。月を見ようよ。

In other words, 「古人の跡を求むるなかれ、古人の求めたるところを求めよ」(芭蕉) とか、「叶うは良し、叶えたがるは悪し」(千利休)とかとか、もうなんでもいいけれど、ところで、エラそうな人たちのありがたいお言葉をしこたま引用したことでぼくがなんかいいこと言ってる気になった人いますか? もしいたら悪いことはいいません、ぼくのお弟子さんになってちょっと脳みそ入れ替えましょう。心配です。

というわけで、「ぬまの音楽教室」、お弟子さん募集中です。Don't think, feel!!
…あ、あと7月16日(土)に「ぬまの音楽教室」プレゼンツ、ぼくの心の師、元「たま」のランニングの人・石川浩司ビッグ☆ディナーショー@金魚(山形市七日町)やります。来てね。
(https://www.facebook.com/events/1787138001572038/)

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プロフィール ぬまのひろし
1983年、新庄市生まれ。貧困などをテーマにした「持たざる者のためのデザイン」を標榜し実践。新庄を拠点に“カナリヤ”活動を各方面で繰り広げる。無職。

平成28年度 やまがた若者チャレンジ応援事業 公開プレゼンテーション

公開プレゼン

5月15日(日)、山形テルサ(山形市)にて「平成28年度やまがた若者チャレンジ応援事業 公開プレゼンテーション」が行われました。これは山形県若者支援・男女共同参画課の主催するイベントで、若者が力を発揮できる環境づくりを進めるため、若者の主体的な取組みの実現化の機会を提供し、彼(女9らの地域づくりへの参加を促進することを目的としています。

この企画では、県内各地の若者グループが地域の課題解決や地域の元気を創出するアイディアを提案し、審査によって選ばれた団体は助成(補助)を受けることができます。高校生から30代までの若者2名以上で構成されるグループであればどんな団体でも参加可能。発表当日は全13団体が出席し、限られた時間の中で実に多彩な企画提案がなされました。

例えば、天童市で活動している若者アーティストグループ「天童アートロードプロジェクト」は、「まちあそびワークショップ:ちょっとちがういつもを歩こう」という事業を提案。ワークショップなどのアート活動を通し地域の魅力を再発見するきっかけや、人と人とがつながる場づくりを行いたいと訴えていました。

また、東北芸術工科大学の学生によって結成されたグループ「Honeycomb&B」はフリースペース「Oraiの家」を活用し地域に住む人々の交流を活発にする取り組みを提案。山形大学のフリーペーパーサークル「Y-ai!」は、地域の情報誌を作成することで、同世代の若者たちに山形の魅力を紹介する取り組みを企画するなど、今回のプレゼンには学生団体もたくさん参加しているのが印象的でした。

この他にも、「山形県青年国際交流機構」「ミサワクラス」「colorful」「山の形」「山形県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部」「学び場プラス」「山形あづまりEXPO実行委員会」「山形バリアフリー観光ツアーセンター」「松根塾婚活実行員会」からの企画提案がありました(「ぷらっとほーむ」からも、貧困家庭の子どもを対象にした学習支援者を育てる事業を提案しました)。
こうして全13団体のプレゼンが終了。どの団体のとりくみも、優劣つけがたい非常に魅力的なものばかり。市民活動の多様性を再確認できる、非常に有意義な時間をすごすことができました。


※なお後日談として、約1ヶ月後に審査の結果が発表され、13団体すべてのとりくみに助成が行われることが決まりました。


(文責:大原克彰)

エスプラネットな日々 ~ イツッキー(齋宮征博) ~

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3月末にラジオロイドを卒業し、競馬で飯を食っていこうと思い立ったが岩田康誠を過剰に信頼する病にかかり、やむなく断念。

2014年10月より、酒田市中町にアニソンDJ’s BAR「S-Planet」をオープンし生活していくことになりました。もともと私が東京から酒田に移住した目的は、酒田にサブカル文化(漫画・アニメ・ゲーム)を浸透させることで、アニソンDJイベント「アニソンクラウド」を開催し、酒田のオタク層のコミュニティを形成することだったので、もともとあったライブハウスが移転するため空いた場所でお店をしないかと声をかけていただいたのは本当にありがたかった。開店資金を貯めていなかったので、かなり勢いで決断したが、「アニソンクラウド」から支えてくれた仲間や関係者の方々に多大なるご協力をいただき開店することができた。

「S-Planet」の“S”は「サブカル」「庄内」「酒田」、そして私が酒田で生活を始めてから大変お世話になっており目標でもある「関さん」の“S”である。

この場所のスローガンは「さぁ、仲間に逢いにいこう!」。モンスターハンターで共に狩りをする仲間のように、同じ話題や好きなことを共有し過ごしていただく、サブカル好きの集まる場所として日々ゆるゆると営業している。

DJ’s BARなので、DJ設備完備、漫画にゲーム、インターネットと、お客さんからは「まるで家のようで、過ごしやすい」と嬉しいコメントをいただいた。それもこれも「アニソンクラウド」やお店の音響、設備担当「富竹」のDIYの賜物であり、感謝してもしきれない。
普段の営業は、DJ練習をするお客さんやゲームソフトを持参して黙々とプレイするお客さん、常連さん同士で次回はどこのイベントに行くなど情報交換を行いながら時間が過ぎていく。

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もとがライブハウスであったため、大音量で行うイベントには力をいれており、アニソンDJイベント「アニソンクラウド」は当店のメインイベント。アニソン、ゲーソン、ボカロなどガッツリかけてヘトヘトになるまでお客さんとパーティタイムで楽しむ。最近はハード系のDJイベントも行っており、酒田ではなかなかない空気感をかもしだしている。他にも月1のレギュラーイベントで、テーマ毎にDJが選曲するイベントやロボットモノオンリーのDJイベントなどなど、クラブのようなDJイベントもさることながら、「S-Planet」特有のイベントとしての代表格は、2回まで行ってきた「ご飯はおかずNIGHT」。ひたすら米を炊き、お客さんが持ち寄った自慢の手料理を食していくイベントで、20人位のお客さんで米の量は50合を越える。普段はそんなに食べない人でも、その日だけはあり得ない量を食べるから不思議だ。女の子が恥ずかしそうに持ってきたおかずは、内容よりもそれだけで最高のスパイスである。きっと海原雄山も大満足であろう。そして私自身もその世界観に圧倒された「ファンタジー酒場」、まるでRPGの世界のようなファンタジーの衣装に身を包み、その異世界観を楽しむイベントで、この雰囲気はなかなか味わえないものであった。レギュラーイベントとしてひたすら黙々とプラモデルをつくるイベント「エスプラモ」、『アイドルマスター』のアイドルたちの生誕祭もかかせない。

これまでもこれからも「S-Planet」に行けばなにか面白いことが行われている。同じ志の仲間に逢える。酒田がサブカルの町となる礎になれるように日々精進していきたい。

何かをつくりあげる喜びを感じつつ、「S-Planet」での日々はゆるやかに過ぎていくのである。
一度遊びに来ていただきたい!

●アニソンDJ’s BAR「S-Planet」
酒田市中町2丁目5-31 酒田駐車ビル2F
月~金19:00~24:00  土19:00~2:00  日曜 定休日
エントランス 1,000円(2ドリンク)


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プロフィール 齋宮征博(イツッキー)
アニソンDJ’s BAR「S-Planet」オーナー、アニソンDJ、元ラジオリポーター、諸々修行中。外食に行っても味わって食べないため、食事が5分で終わってしまうのが悩みです。

「若者と政治」について考える

参議院議員選挙(7/10投開票)を間近に控え、県内各地では政治に関するイベントが活発に開かれています。また、今年から「18歳選挙権」が導入されるということもあってか、「若者と政治」について考える場も多く設けられているようです。

筆者(大原)も『まどあかり』編集部として、4月27日(水)霞城公民館での「安保関連法廃止・立憲主義・個人の尊重を求める青年学生による『ネットワーク』(仮称)構築のための顔合わせ会」(以下、「ネットワーク」と略記)と、5月3日(火)山形市市民会館での「ワカケンカフェ@ヤマガタ」に参加してきました。


■「ネットワーク」打ち合わせ

政治


「ネットワーク」とは、30代までの若者を対象にしたグループで、「安全保障関連法の廃止」「立憲主義の回復」「個人の尊厳を擁護する政治」の三点に一致した若者たちが行動をおこしたり、自由に質問や意見を出し合えたりするような場づくりを目標としています。

今回は、その「ネットワーク」構築のための顔合わせ会ということで、『まどあかり』2016年春号でもとりあげたイベント「憲法カフェ」参加者のうち30代までの方々が有志で集まりました。呼びかけ人となったのは、「憲法カフェ」共催団体のひとつ「戦争法“本当に止める”山形アクション」。

会の前半は、上でも述べた「ネットワーク」に関する基本情報の共有、自己紹介など、後半はフリートークという形で、「ネットワーク」の今後の方向性や、「若者と政治」をどうつなぐかといった話し合いを行いました。

 個人的に、フリートークでの「若者とデモ」の話題が特に興味深く感じられました。デモは憲法で保証された権利であり、これによって市民の誰もが違和感などを声に出して正当に訴えることができます。しかし、参加者からは「多くの若者たちは、大人たちの行っているデモを見て、自分たちの正しいと思っていることを一方的に主張しているようで、少し重たく、近寄りがたい雰囲気を感じているのではないか?」という意見が出されました。せっかく「おかしい」ことを「おかしい」といえる権利が保証されているのに、もし、それで本当に若者たちがデモに対して拒否感を抱いているのなら非常にもったいないことだ、と筆者は感じました。フリートークは、そこから「では、どうすればデモの敷居を下げられるか」という話題にかわり、最終的には「それを考えていくことも『ネットワーク』の役割になるのではないか」という結論に至りました。

 約2時間、参加者の顔合わせから始まり「ネットワーク」の今後についていろいろなことを語らいましたが、社会の中で若者が政治に気軽に参加できるような風潮をつくっていけるよう、筆者自身も「ネットワーク」に今後とも積極的に関わり、考え、行動していきたいと思います。

■「ワカケンカフェ@ヤマガタ」

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「ワカケンカフェ@ヤマガタ」というのも30代までの若者限定のイベントで、「戦争法“本当に止める”山形アクション」が主催しています。同日、山形市民会館大ホールで行われた「5.3憲法講演会」をもとに、参加してみての感想や、質問・意見を出し合って学びを深めることを目的に開催されました。

「5.3憲法講演会」では、フリージャーナリストの志葉玲さん、小説家の高橋義夫さんらがそれぞれ現政権の行いに対しての違和感をお話されたのですが、「ワカケンカフェ@ヤマガタ」では、両者のお話はどちらも説得力があり、聞けてよかったという感想があがった一方、今回の講演会に来なかったような無関心層の人びとにはどのように伝えていき、興味・関心をもってもらうかといった意見も出されました。参加するだけがゴールではない。自分たちのアクションだけで完結させるのではなく、どのように協力者や理解者を増やしていくか。「いま現在」だけでなく、きちんと「将来」を見据えて活動していくことの大切さを今回のイベントで再確認することができました。
(文責:大原克彰)

穴だらけの道を 道草しながら歩こう

■はじめに

「アートロードの活動って、なんか『穴だらけ』だね。」

メンバーが放った何気ない一言。他のメンバーたちは「そうだね~」なんて言いながらワハハと笑い合っている。

さて、みなさん。こんな状態の私たちをどう思いますか?

「オイオイ、地域で活動するんだろう? こんなんで大丈夫なの?」

そう思ったそこのアタナ!

「じゃあ、一緒に活動してみませんか?」(ニヤリ)


■まとめきれない活動

天童アートロードプロジェクト(以下、アートロード)では、立場や世代が異なる人たちが出会い、地域のさまざまな価値観にふれることができる場をつくることを目的に2012年から活動を行っている。

コアメンバーは、20代から30代の若手アーティストたち。日中はそれぞれ仕事をしているが、月に2、3回はふらふらと集まり、「太る~」とか言いながらお菓子をぱくついている、じゃなくて、遅くまで話し合いを行っている。こうして地道に計画を立て、地域の魅力をさがしだすアートワークショップを開催したり、天童市美術館で1年に一度の「展覧会」を行ったりしている。

一般的に、NPO団体や地域活動団体は「誰が」、「誰のために」、「何をするか」ということを明確にする。それは地域の方に活動を理解してもらうために大切なことだ。活動がスタートしたばかりのころ、アートロードでもそれらを考えようとしたが、これがなかなかまとまらない。大きな目的はまとまっても、具体的な目標になると、「あれもこれも大事だよね」となり、決めきれない状態のまま活動している。当初は、目標を明確にできないことへの悔しさから、話し合いのたびに泣いていた(私だけ)。だが、毎年こうなるということは、この状態には、アートロードにとって重要な考えかたが含まれていると思うしかなくなってくるのだ。


■まとめきれない活動が生まれるようす

では、どのように活動がまとめきれなくなるのか、ちょっとのぞいてみよう。

まず、「誰が」という視点で考えてみる。メンバーは若手アーティスト、商店経営者、お寺の坊守、会社員、二児の母と職種も年齢もバラバラだ。共通点としては、日々の生活の中で自分の好きなことやできることを深めたり、それらを活かして周囲の人の人に刺激を与えたりし続けているということ。私たちは、このようなメンバーをひっくるめ“たがやす人”と呼んでいる。おぉ、「だれが」についてはまとまっているようだ。

では次に、「誰のために」という視点。年に一度開催する美術館での「展覧会」については、若手アーティストが「アートに関心のない人にも見てもらいたい。でも、専門性をもった人に見てもらいたい。」とワガママを言いだす。また、他のメンバーは「今までは趣味でつくっていたけど、知人以外の人からの感想がほしい。」とか、「自分の地元の地域の歴史を紹介したい。」と、全員が違う意見を同時に述べている。聖徳太子だったら全員の意見を聞きわけてうまくまとめるのだろうけど、私たちの場合は、ひとりひとりの意見を必死に聞いてそれぞれの考えに納得してしまう。その結果、「老若男女、いろんな人に見てもらおう!」というおおざっぱなまとめかたになるのだ。

おおざっぱになるのは、きっと「何をするか」が決まってないからだ。「展覧会」では、ひとりひとりの日々の活動をありのまま来場者に見てもらいたい。しかし、お寺の日々の活動を紹介するブースと、若手アーティストが試行錯誤して描いた1枚の絵画、まったく違う道のりを経て生まれた「作品」の魅力を紹介するにはどうしたらいいのだろう。「分けて展示する?」、「いや、道のりは違っても制作者の日常の中から生まれたことに変わりない。」など、またぐちゃぐちゃと考える。その結果、作品が美しく配置された通常の展覧会からは大きく外れ、異なるジャンルの「作品」が隣り合い、子どもの落書きもアーティストの絵画も同じ扱いで展示されるという、オモチャ箱をひっくり返したような「展覧会」ができあがるのだ。



■穴だらけの道を道草しながら歩き続ける活動

 ふりかえってみると、かなり混沌とした現場だ。きっと初めて読む人は「面倒くさい団体だ。」と引いているんじゃないだろうか…。だが、そんな中でも見えてきたことがある! アートロードでは、ひとりひとりの価値観がそのまま共存できる場をつくりたいという想いを基盤にしているということだ。

私たちがなぜ、活動の目標を明確にすることを迷い続けるのか。目標を明確にすることは、見る人にとってはわかりやすいかもしれないが、個々の考えかたが見えなくなってしまうことでもある。つまり、考えかたを1つに集約してしまうこと、自分と異なる考えかたを排除してしまうこと、自分たちの考えかたを「正しい」と押しつけてしまうことへの疑問と不安があるのだ。これは、自分たちが地域の中で「マイノリティー」だからそう思うのかもしれない。(このことについては『まどあかり』2015春号をご覧ください。)
 アートロードでは、自分とは違う考えかたの人と出会い、立ち止まって考えたり、当初とは異なる方向に進んだりする。一見、無駄な時間に見えるが、そこには自分の知らない新しいものに出会えるというスリリングさ、面白さがあるのだ。それは、絵にすると「穴だらけの道を道草しながら歩いていく」ようなイメージなのだ。

「穴だらけ」だからこそ、さまざまな考えかたの人に関わってもらいながら道をつくることができる、そんな面白さをこれからももち続けていきたい。
 

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プロフィール 

イシザワエリ
身近な素材を活用して子どもから大人まで気軽に参加できるアートワークショップを企画しています。アートロードの活動に参加してから、地域の工場を見学して廃材をいただくのがクセになってきました。さぁ、何つくろう。

facebook 「天童アートロードプロジェクト」で検索
blog   「イシザワエリの活動日記」
http://ishizawasaketen.blog74.fc2.com/

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ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

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