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アートワークショップの現場から(2)

第2回:こだわりの「場所」づくり 

こんにちは。
前回の夏号に引き続き、今回も記事を書かせてもらっています、イシザワと申します。
今回は、活動を行う「場所」づくりについて焦点を当ててご紹介していきたいと思います。
これまで私は、公民館のロビーや野外で不特定多数の人を相手にアートワークショップを行ってきました。
そのため、アートに興味のない人に興味を持ってもらい、足をとめてもらうためには、「場所」づくりにたくさんの工夫が必要だということに気づきました。
特に公民館などの公共の施設では「誰もが使いやすいように」という考えが前提にあるため、机やイスなどが無機質な物でまとめられていたり、部屋の使われ方が決まっていたりします。
使いやすさという点では問題はないのですが、ついつい足をとめてしまうような魅力的な「場所」をつくるためには、「誰か」のこだわりが必要であることを改めて感じます。
それでは、つい足をとめてしまうような「場所」をつくるためにはどうしたらいいのでしょうか。私の場合は4つの点に気をつけています。

①何を伝えたいかを整理する 
まずは、「誰に」、「どんなことをするのか」、「何を伝えたいのか」を整理します。
ゆっくりお話できるようにしたい時には個室のような空間がいいかもしれないですし、子どもたちと体を動かしたいという時は、広い「場所」や野外のスペースを考えます。活動内容を整理することで、どこに、何を配置するのかを考えやすくなります。

②きっかけをたくさん用意する
次に、足をとめてもらえるような、きっかけをたくさん用意します。
例えば、遠くからでも活動していることがわかるように大きな看板――板、布、段ボール何でもアリ!――を用意して活動タイトルや内容を書きます。
また、実際につくる作品のサンプルや素材を用意したりします。
普段とは違う「場所」であることが分かるように、「場所」の雰囲気を変える工夫もします。
私の場合は、古いお酒のケースを棚にしたり、家にあった古い長椅子を持ってきたりします。
古い道具を使うことは、地域にあるものを活用していきたいというメッセージの役割と、年齢層の高い人との会話のきっかけとして使用しています。
このように、言葉、素材、視覚に訴える様々なものを用意することで、足をとめるきっかけをたくさん用意しています。

③さまざまな参加方法をつくる
参加者との距離感も大切です。
活動に興味を持ってくれた人には、「こんなことをしています」と短く説明をします。ここで参加を強制することは絶対にしません。
見ているだけでもよし、参加しなくてもよし、さまざまな参加方法を伝えて、参加者が活動方法を選べるようにしています。
そのためのポイントとして、入口に立った時に活動風景が見えるような配置にします。
どんな空間なのかを参加者の人に把握してもらうことで、参加するかどうかを判断してもらいやすくなります。

イシザワさん(2)

④参加者が楽しんでいる姿が見えるようにする
そして、一番の大切なことが参加者が笑ったり、楽しそうに活動していたりする姿が見えることが、他の参加者の足をとめる一番のきっかけになります。
また、アートワークショップでは参加者の人たちが作った作品を飾れるような「場所」も用意しておきます。
参加者の人たちの手によって「場所」を拡張させていくことで、いきいきとした「場所」をつくることができます。
 
今回紹介した例は、1つの事例です。
「この例は当てはまらないなぁ」という人には、自分の大好きなお店や「場所」(カフェ、本屋、居酒屋なんでもOK)をじっくり観察することをお勧めします。
どこにどんな物を置いているのかという分析をするだけで、その「場所」のこだわりが見えてきます。
他の人がつくる「場所」へのこだわりを探しながら、自分の「場所」づくりを深めていくことも、毎日を楽しく過ごす1つの方法になるのではないかと思います。

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〈プロフィール〉
イシザワエリ
中山町出身。東北芸術工科大学に在学中に、ものづくりを通して地域の居場所づくりを行うアートワークショップを始める。工場、家で余っているものをみると、何かしてやりたくなってしまう。社会人3年目の現在は、芸工大の卒業生を中心に天童市を拠点にして活動している「天童アートロードプロジェクト」に参加。また、あちこちでワークショップを実践している。これからのワークショップ・展覧会の予定はFBをご覧ください。(「天童アートロードプロジェクト」、「イシザワエリ」で検索。)

【ワークショップ】
「ショウギ粘土でつくろう ――オリジナル将棋駒をつくろう――」
日時:2014年11月2日(日) 
将棋駒をつくるために出てしまう木くずを粘土にして、自由な形のオリジナル将棋駒を作ってみよう。 (*申込みが必要ですのでFBをご覧ください)

【展覧会】
「てんてん展 ――えがく・ほる・つむぐ 日々をたがやす人たち――」
会期:2014年11月16日(日)~11月30日(日) 9:30~18:00
場所:天童市美術館 (*月曜日は休館 *最終日は15:00まで)
天童を拠点に活動する若手アーティスト、自分のできることを活かして地域で活動されている方々の表現を一同に集めた展覧会。絵画、地域の歴史と風景を描いた「乱川百景」、さらにものづくり活動を行うこともできます。ぜひ、会場に遊びにきてください。
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農的暮らし研究所:こまつかおる

私、こまつかおると主人のこまつひろゆきとで活動する農的暮らし研究所は、酒田市中山間地域内にある畑付の古民家を拠点に2012年より開始しました。

もともと7年ほど前からグリーンツーリズムを通して里山の魅力や農ある暮らしの美しさ豊かさの情報発信、イベントの提供をしてきたのですが、3.11以降、エネルギーの問題・これからのコミュニティのあり方・仕事のカタチを模索する中で出会ったパーマカルチャー(石油に依存しない自然に配慮した農を中心とした循環型の暮らし)に共鳴。
自給自足とまではいかなくても50年前まで受け継がれてきた農を中心とした日本の暮らしを現代の生活に落とし込みつつ、緩やかに近代の生活様式を見直すきっかけになればと、小さなワークショップを通して皆さんにサスティナブルなライフスタイルの提案をしています。
小さなワークショップには、次のようなものがあります。

○地産地消のエネルギーと地産地消の野菜を使った郷土料理教室【庄内の四季を楽しむ、一汁一菜の会】
○地域の手仕事を体験しつつ郷土お菓子を楽しむ【手しごとカフェ】
○自然エネルギーの仕組みと組み立て方を学ぶ【ほどほど電力ソーラーワークショップ】
○誰でも出来るような循環型家庭菜園での農体験・畑の土を利用して五穀豊穣の祈りを込めて作る【縄文土器土偶ワークショップ】

傍から見ると何の脈略もない様にみえますが、全てが、地域の中に忘れ去られていた大切なもの、自然エネルギーに直結した暮らしに大切なものを題材にしています。

なかでも力を入れているワークショップが、毎月第二木曜日に酒田市光ヶ丘にあるエネルギー循環型施設【太陽の家】で開催している【一汁一菜の会】です。
パーマカルチャーでは雑草を見て、その植生を知り、どんな野菜がその土地に合っているのかを参考に畑作りをします。
自分が好きな野菜だからといって土地や気候に合わないような野菜は植えず、もともとその土地にあった在来作物や、おばあちゃんおじいちゃんが長年作ってきた畑で育てられている植物を参考に野菜を選び、畑を作っていくのです。
そうする事で、無駄なエネルギーも使わずにその場所に適し、雑草が勢いよく育つように野菜も適している環境の中グングン育っていくといった考えです。
そうなって来ると、必然的にその野菜や収穫物を使った料理をしなければいけないことになり、郷土料理の大切さに気付くことになります。
郷土料理はこの50年間、食の欧米化や外食産業・スーパーやコンビニでの加工食品の充実によって食べる機会も作る機会も減り、作り方さえ曖昧になりつつあります。
そこで、私が祖母や母から受け継いだ郷土料理や中山間地域のおばあちゃんたちから聞いた生活の知恵が詰まった郷土料理を、若い人でも気軽に作れ、カラダにも心にも優しいレシピにして提供しています。
教室は、私が先生というよりは知っている人が先生になったり、地域の安心した食生活の情報を共有する場であったり、地方にいても同じ価値観のお友だち作りが出来たりするように促し、帰る頃には初対面同士なのに全員がお友達になり楽しさの共有ができるような場所づくりをしています。

便利過ぎるがゆえに、今の時代は誰でもひとりで生きて行けるような錯覚をしてしまいます。
確かに、群なすことはしがらみも多く人間関係の難しさなどから絶望した事もあります。
しかし、「農的暮らし研究所」の活動を通して、自然と同じように互いに配慮しつつ、励まし合い・分かち合い・協力し合う仲間がいれば地方だろうが都市部だろうが関係なく皆さんの日常は希望に満ち溢れていると私は信じています。
それぞれ感じ方や考え方は違うと思いますが、私たちの活動が、それを通して何か考えるきっかけにでもなってくれれば嬉しいです。

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〈プロフィール〉
こまつかおる
1980年生まれ。庄内町出身。2007年より、夫婦で個人的に酒田市中山間の集落へ入り農業や里山暮らしの情報収集と情報発信・グリーンツーリズムを始める。3.11以降、パーマカルチャーと出会い自然に配慮した暮らしのワークショップなどを開催している。「農的暮らし研究所」主宰。



やまがた蔵フェスティバル

蔵フェス

きれいな秋晴れの空が広がった10月11日(土)。
3連休初日のこの日、山形市中心街は歩行者天国となり、イベントが盛りだくさんでした。その中の一つが、〈第2回 やまがた蔵フェスティバル(以下、蔵フェス)〉。
山形市の蔵を舞台に、いろいろなジャンルの表現が集い、皆でのんびり楽しむ、温かく素敵な催しです。
昨年は共同代表の樋口さんにインタビューして『まどあかり』に掲載し、私は当日客として楽しんだのですが、今年は出演者として参加してきました。

会場となった蔵は、本町「瑳蔵」と七日町「classic cafe」。
どちらも蔵を活用したおしゃれなカフェで、落ち着いた雰囲気です。
この2ヶ所では、たくさんのミュージシャンのライブパフォーマンスや映画の上映が次々に行われました。
「classic cafe」の外の「御殿堰」でも、アコースティックライブが爽やかな音楽を街に響かせ、通りを行き交う人びとを引き寄せていました。
また、「瑳蔵」が面している「七日町一番街商店街」の通りでは、写真や絵本などの作品展示、手づくり工芸品や雑貨の販売、飲食物などさまざまな出店がずらりと並び、訪れた人たちは出店者との会話を楽しみながら、彼らの表現に触れている様子でした。

〈蔵フェス〉の魅力のひとつは、参加する上での敷居の低さだと思います。
それは客としても、出演・出店者としても 。
芸術など表現の世界において、プロフェッショナルな、高尚なものは確かに必要で素晴らしいですが、一方で身近に親しめるものも、人生を豊かにしてくれますよね。
〈蔵フェス〉は、「表現すること」をもっとたくさんの人に楽しんでもらいたい、いろとりどりの表現が出会い、また新たな表現がうまれる場所をつくりたいという、主催者の思いが詰まったイベントです。
その思いに共鳴した人たちが集まっているので、肩ひじ張らず、のびのびと参加できるし、出演・出店者同士が互いの表現を楽しめる。
そんな雰囲気なので、客も気軽にふらりと立ち寄って、のんびり楽しむことができる。

私は「瑳蔵」にて、自主制作の8mm映画を上映したのですが、スタッフも出演者も皆、「お互い様」の精神で自然に支え合う雰囲気がとても心地よかったです。
皆、他の出演者の準備片づけを手伝い、場を盛り上げ、〈蔵フェス〉運営の募金を募り、通りに立ってチラシを配って呼び込みして。
互いの表現に触れて刺激し合って、感想を述べたり質問したりという交流ができるのも楽しみのひとつ。
そうしていろんな表現の人たちが一緒に作り上げた今年の〈蔵フェス〉も、立派な一つの表現だなあ、と感じました。

昨年の会場は「瑳蔵」1ヶ所だったのに対し、2ヶ所の蔵に広がり、参加する出演・出店者も増えて、パワーアップした今年の「蔵フェス」は大成功。
来年もきっと、表現を受取る側から、発信する側に変わって参加する人が増えるのではないでしょうか。
私がそうだったように。
 
やまがた蔵フェスティバル
https://www.facebook.com/yamagata.kurafes



(文責:黄木可也子)
プロフィール

ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

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