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「若者活動ゼミナール@最上」パネルトークの記録 (2014/06/28)

パネルトーク最上①

[パネリスト] 

●大沼洋美さん「studioこぐま」(小国町)
 → 山村の休校舎を舞台に、地域アートの活動にとりくんでいます。

●奥山心一朗さん「てつがくカフェ@やまがた」(山形市)
 → まちなか公共施設にて、市民が自由に語れる場づくりをしています。

●佐藤博孝さん「kitokitoマルシェ」(新庄市)
 → 旧蚕業試験場跡地にて、月1回の手づくり市を開催しています。

●齋宮征博さん「アニソンクラウド」(酒田市)
 → 港町のあちこちで、アニソンのクラブイベントを開催しています。

[パネルトーク] 

――今日は、県内の各地域でさまざまな活動に取り組んでおられる活動者の方がたに集まっていただきました。みなさんのご活動はいったい「何」につながっていくのでしょうか? 活動を通じて、みなさんが目指す地域の将来というのはどのようなものですか?

●大沼 「アーティスト」の側と「地域」の側のどちらにとってもよい状況をつくりたいと思っています。アーティストにとっては、彼(女)らが住んだり暮らしたりできるような地域をつくる。そうすることで、地方で生きるアーティストを増やしていきたいと思っています。一方で、地域がアーティストを受け入れることで、そこに外の視点が入り、地域の側にもよ   い変化が生じます。多様性があるということはイノベーションの条件だと思っています。

●奥山 私たちが考えているのは「消費されないもの」をつくりたいということです。流行りものではなく、根本的なものをつくりたい。そのために、私たちは「当たり前」を疑ったり、問うたり、語ったりできる場づくりをしているわけです。その上で目指しているのは、ほんとうに大事なことが何なのかをフラットに語ることのできる場があちこちにあるような地域です。もちろんそれは、自分たちだけでできることではありませんので、できれば、私たちのやりかたをいろんな人たちに使ってもらって、あちこちで「てつがくカフェ」を開いてもらえたら、と思ってます。「何かしたい、けど何から始めていいかわからない」みたいな悩みは誰もが抱えていることと思いますが、「自分はこう思うんだ!」を言葉に変換できるようになれれば、誰かと協同することができ、何かが始まっていくでしょう。

●佐藤 地域の現場というか、顔と顔の見えるつきあいに価値を感じています。なので、これからも、身近にある現場の価値に焦点をあてていけたらと思っています。同じことをやっても、それを「どこで、どんな人がやるか」で、その意味や結果は違います。決して同じことはおきないわけです。野菜だって、自分の住む/生まれた街でとれたものか、よそでとれたものかで、見えかたはまるで違います。だからこそ、この場所の地域性や歴史性、それらをとりまく関係性などを大事にしながら活動していきたいと考えています。

●齋宮 ひきつづき、酒田のアニメ(アニソン)好きの若者たちの居場所づくりをやっていきます。その延長線上で、酒田におけるサブカルチャーの発信拠点をつくっていけたらと思っています。酒田の街を舞台にしたアニメやマンガとか、アニメ・マンガ等を用いた酒田の街のコミュニティ・ビジネスとかですね。そういうコンテンツが「聖地巡礼」なんかにつながれば面白いですよね。「アニソンクラウド」をひとつの母体に、いずれはそういう独自の価値を生み出していきたいと思っているんです。

――なるほど。いろんな野望や展望を語っていただきましたが、それにはさまざまな資源(仲間、おカネ、協力者、専門技術、資材などなど)が必要かと思います。自分たちの活動のために、そういう資源をきちんと確保するにはどうすればよいでしょう? そもそも、これまでどんなふうに資源を手に入れてきましたか?

●大沼 私たちの場合は、行政(町)から「人件費」として月50000円の予算を与えられています。「休校舎の利活用コーディネーター」という名目で、事業費はありませんが、光熱費無料で学校を使わせてもらっています。月50000円なら、他の仕事もしながらギリギリ暮らせます。地域に余所者が入り込めるスキマをつくってもらえたことがありがたいです。町とつないでくれたのは、母校の東北芸術工科大学です。

パネルトーク最上②

●佐藤 拠点となっている「新庄市エコロジーガーデン」は市役所に「いいね」と言ってもらって使わせてもらっています。元養蚕試験場だった場所ですね。施設の交流拡大プロジェクトがあって、いくつかのNPOで共同運営しているんです。そこに「kitokitoマルシェ」発起人の吉野が入り、相談にのってもらってマルシェが始まった。助けてくれる人たちが出てきたんですね。

●齋宮 私たちの場合は、特に行政とのカラミはありません。ハコ代などの必要経費は、参加者からの収入――1人2000円――でまかなっています。やはりどうしても会場費がかさんでしまうので、活動できる場所や拠点があると助かる、という感じですね。空き店舗などを使わせてもらえるようなしくみや助成金などがあると助かります。

●奥山 私は、山形市本町の交流施設「山形まなび館」と共催で、音楽のワークショップを開くということもやってきました。「てつがくカフェ」でも同様です。場所的にはそれでOKで、あとはお茶代や資料代の名目で参加費をいただいています。

――今後、「こういう資源がほしい!」というような希望はありますか?

●奥山 自然といろいろな人が集まれるような、さまざまな機能を備えた施設ですね。生涯学習の拠点になるような。イメージとしてあるのは、仙台市にある「せんだいメディアテーク」。よく利用するのですが、あそこは間口がとにかく広い。地域振興とか文化活動とかにとどまらない、本当にさまざまな活動が動いている場所です。利用者目線でいうと、どんな企画をもちこんでも柔軟に対応してくれる場所、という感じですね。

●佐藤 「新庄市エコロジーガーデン」もそれに近い使いかたをしたいですね。歴史的な建物なので耐震等の課題はありますが、いろいろな団体が入ることで、若者たちの活動拠点になっていく可能性は大いにあります。

――行政が何らかの活動に予算をつける場合には、積算の根拠となるカテゴリーや位置づけが必要です。もしこの4団体が共通して使える公共施設をつくるのだとすれば、その設置の根拠としてどんなカテゴリーを設定すればよいのでしょうか。そのときに、4団体とも広い意味での文化活動ですので、「文化活動の拠点づくり」として制度的な位置取りを確保していくという方向性でなら協働したり共闘したりしていけるかもしれない。そんな気がするのですが、いかがでしょうか?

●大沼 文化関連の事業というと、「ハコモノ」や「ゆるキャラ」などをつくって終わり、という印象があります。それでは不十分だと思います。もっと人と人、人と資源とをつないでいくような、実質的に意味のある取り組みが大事だと思っています。

――なるほど。言われてみれば、みなさんは「人と人とをつなぐ/人と資源とをつなぐ」ことの専門家であるわけですよね。いわば、文化活動のコーディネーター。この稀有な能力をどう地域で生きている人びと――とりわけ、行政――に理解し、納得してもらうことができるか。文化活動のコーディネーターに人件費がつき、持続的な活動に安定的に取り組めれば、その人のいる場が「文化活動の拠点」になっていく。目指すべきは、そういう風景でしょうか。

●大沼 もしそうなった場合には、行政とプレイヤー(文化活動のプレイヤー)の間に、両者の異なる言語をうまく翻訳できる人が必要となるでしょう。「文化活動のコーディネーター」に必要なのは、この翻訳能力。なので、さきほどのしくみをつくれるかどうかは、翻訳者をどう育てていけるかにかかっていると思います。                  

――議論が深まりましたね。興味深いお話、ありがとうございました。 (了)
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Book!Book!Okitama “読書と昼寝の日曜日”で まったりしてきた!

2014年6月21日から29日にかけて、9日間にわたって行われたブックイベント、Book!Book!Okitama
置賜地方の各地で、28件の協賛店による本をテーマにした企画やトークイベントが行われましたが、最終日の6月29日の日曜日は川西町フレンドリープラザにて、「読書と昼寝の日曜日」というイベントが開催されました。

置賜地方初の一箱古本市や、吉野弘の詩にもとづいた真昼の天体観測の企画、遅筆堂文庫での「井上ひさし 本の読み方十箇条」展など、本を読みたくなる、本とのつながり方をひろげるしかけが盛りだくさんでした。
紙モノ・本にまつわるグッズ市場では、ブックカバーやしおり、蔵書票、本を入れるバッグやポストカードなど、個性的で可愛い、本にまつわるモノたちが所狭しと並べられ、お店の前から動けなくなる人が続出です。
普段、文庫にブックカバーなどわざわざ着けないのですが、長井紬のはぎれを使用した手作りのブックカバーの優しい手触りにほっこりし、読書のお供にこういうのも良いかも!と新たな発見があったり。

studioこぐまさんのワークショップ「和綴じノートをつくろう!」では、紙を折って糸で綴じる作業をしながら、本ってこうしてテマヒマかけて作られたり、保存されたりするものでもあるのだな、と本という形態そのものへの愛着が湧いてきたり。
五感を駆使して本との付き合いを楽しんでいると、もちろんおなかがすいてくるので、1day cafeで地元のお店のカレーやうどん、パンとコーヒーなど色々な美味しいものをいただきました。
おなかがいっぱいになったら、また本です。
一箱古本市で、読みたかった本や知らない本に出会ったり、店主さんと趣味が合うことに内心ニヤニヤしながら会話したり、読んでいる本って人それぞれだなぁと再確認したり。
ライブ演奏やオカリナの生演奏の演出もあるなか、笑い声や話し声が響き、にぎやかでなごやかな時間が本とともに流れていく、とても楽しいイベントでありました。
川西町フレンドリープラザは、置賜地方のどの市町からもだいたい同じくらいの時間で出掛けて来ることができる位置にあり、遅筆堂文庫の堂則にあるような有志の人びとの拠点としての役割を果たしています。
本を通じて、図書館の司書さんが丁寧に本とひと、ひととひとをつないできたことが、置賜地方のまちの魅力のひとつをつくりだしていると感じました。
とにかく楽しくて、また置賜に来たい!と思った一日でした。
(文責:小林澄子)

〈若者活動ゼミナール@最上〉 開催のお知らせ

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アートワークショップの現場から(1) 

第1回:「居場所」のつくりかた。 

「好きな糸を、好きなだなけ、松ぼっくりに巻いてみよう!」 テーブルにはカラフルなニットの糸、ソバ打ちの器にはいった大量の松ぼっくり。
はじめて参加した方はちょっと戸惑いながら糸を巻き続けますが、巻き続けるうちに不思議なかわいいオブジェが完成します。
「巻きすぎた~」、「でも、それかわいいよ」などワイワイと賑やかな声が広がります。

はじめまして、イシザワエリと申します。
私は、天童市の長岡公民館を主な拠点として「アートワークショップ」の活動を行っています。
「アートワークショップ」というと、聞きなれない言葉だと思いますが「身近な物を使って子どもも大人も気軽に参加できる『ものづくり』の活動」を行っています。活動を通して、地域のさまざまな世代の人が集える「居場所」をつくることを目的として活動しています。

活動を行うさいに大切にしていることは3つあります。
それは、①身近な素材を使うこと、②誰もができる手の動きをとりいれること、③開催時間を決めて出入り自由な場をつくることです。
参加者の多くは小学生や未就学児をつれたお母さんで、ほとんどが初対面同士なのですが、手を動かす中で自然と会話がはずみます。
また、「松ぼっくりって近くにたくさんあるのね。知らなかった。」という言葉をかけてもらったことがあります。
身近な物を使うことで、参加者の方に、既存の価値観を違う視点からとらえてもらうことができるのも、アートがもつ特徴の1つだと考えています。

でも、ものづくりの活動というと「うまく作れないから苦手」と思う方も多いと思いますが、私の場合は「どのように活動の場がつくられていくか」ということを大切にしています。
例えば、公民館で活動していると、他の活動に参加していたおじさんが立ち寄って小学生との会話が始まったり、小学生が余ったビニールを使ってお互いの顔に落書きをはじめたりと、準備していたこととまったく違う遊びが生まれます。
参加者同士の関わり合いの中で新しい活動が発生するので、私自身たくさんの刺激をもらいます。

現在は、天童市長岡地区で地域の方が地域の課題を解決する「地域づくり委員会」の1つ、「長岡あそび塾」のメンバーとして、月に1度のペースで活動を行っています。
最近では、これまで活動に参加してくれた方から声をかけてもらい、県内の様々な場所で活動する機会をいただいています。
そのさいには、その地域の特徴的な産業で使用される素材をワークショップに取り入れることもあります。
しかし、その地域では知らないことばかりなので、その仕事をされている方からお話を聞いたり、素材を見せてもらったりしながら活動内容を考えます。
私自身、話を聞く中でたくさんの発見がありますし、素材を扱うことで、これまでアートに関心のなかった方にも関心をもってもらうきっかけをつくれるのではないかと思っています。
現在の課題としては、仕事をしながら活動をしているため「居場所」といえるくらい定期的に活動を行えていないことがあります。

これまでの活動で生まれた作品を見ていると、ひとつとして同じものはなく、どれも違っています。
その違いに気づき、「いいね」と認め合えること、また、地域の中にある多様な価値感を感じられること、そのことを大切にしながら、これからも活動していたいと思っています。


イシザワエリの活動日記
http://ishizawasaketen.blog74.fc2.com/

インタビュー:「場」をつくる人びと(1)活字文化の居場所づくり~松沢久美(ほんきこ。編集長)

6月に置賜地方を舞台に、はじめての広域的なブックイベント「Book! Book! Okitama」が開催される。
その仕掛け人である松沢久美さん(ミニコミ誌『ほんきこ。』編集長、川西町立図書館/遅筆堂文庫・司書)に話を聞いた。

■「Book! Book! Okitama」とはなにか 

――「Book! Book! Okitama」とはどんな企画ですか?

6月21日から29日にかけて、置賜地方の各地で同時多発的に行われるブックイベントです。
「本をネタに遊んでみようよ」というコンセプトで、米沢や高畠、長井など、置賜各地の28件の協賛店で、その期間中に何かしら本につながる企画を実施してもらいます。
「よりみちブックイベント」という名称で、地域のあちこちをめぐってもらえたら、と思っています。

――例えばどんな協賛企画がありますか?

例えば、カフェであれば、そこで本につながるメニューを出す、みたいな感じですね。
ちなみに12のカフェが協賛店になってくださいました。

――他にはどんな催しが行われますか?

本にまつわるトークイベントを開催します。
第一線で活躍されている装丁家・桂川潤さん、置賜在住の漫画家・関口シュンさん、そして置賜在住の若手作家・池田将友さんをお招きして、「本」や「活字」をテーマにお話を伺います。
29日には、フィナーレ企画として、本にまつわるワークショップや企画展などを行いつつ、置賜ではじめての「一箱古本市」を開催します。

■活動基盤としての「ほんきこ。 

――「Book! Book! Okitama」の概要を伺ってきましたが、何の前提もない場所で、突然こういった企画が可能なわけではないですよね? そういう意味で、この広域ブックイベントの背景としては、松沢さんたちのこれまでの『ほんきこ。』編集部での活動がたいへん大きい意味をもっているのではないかと思っています。そこで、次に、『ほんきこ。』の活動について伺いたいと思います。『ほんきこ。』の概要を教えてください。

 『ほんきこ。』は、いまから10年以上前、当時20代後半だった私が、同世代の仲間たちといっしょに創刊したミニコミ誌です。
男3人女3人の計6人が当初のメンバーでした。
当時の自分は、まだ職場(※川西町フレンドリープラザ。その施設内に川西町立図書館ならびに遅筆堂文庫がある)に勤めはじめのころで、家と職場の往復という毎日につまらなさを感じていたんですね。それで、何か面白いことができないかと思ったわけです。
さいわい、フレンドリープラザは、井上ひさしさんゆかりの文化施設ですので、おもしろい人たちがたくさんやってくる。図書館の窓口でそういう人たちと日々接している中で、彼(女)らどうしをつなげたらおもしろいことになるな、と思ったんですね。

――ミニコミの活動って具体的にはどんなことをするのですか?

基本的には、仲間で集まってお茶のみをする場です。
お茶をのみながらおしゃべりして、それぞれが思ったことや考えていることなんかを文章につづって、それをもちよって簡単な冊子をつくるんです。
冊子も、自分たちで印刷したり製本したりするわけですが、そうやって実際に集まって、にぎやかにおしゃべりしながら作業を進めていくんですね。
最初の2年くらいは月刊で発行していましたが、その後、メンバーが増えたこと、誌面の質を重視するようになったことなどから隔月刊となりました。
当時は、15人くらいのメンバーで、各号ユニークな特集を組んで、多いときには800部くらいを刷っていました。
中心メンバーがアラサーで、比較的集まれていた時期だったというのが大きいですね。

――どんな特集を組んでいたのですか?

例えば、「置賜ノーソン・リアルライフ」とか。メンバーたちのある1週間の消費行動――具体的には、その1週間のすべてのレシート――を赤裸々にさらす、という企画ですが、これはかなりおもしろかったですね。
あとは、「夏休みの課題図書」を選定して紹介する企画とか、置賜各地のシュークリームの食べ比べ企画とか。
とにかく、バカバカしいことばかりやってましたね。
バカバカしいことをまじめに追求する。
ミニコミの本質って、要するにそういうことなんですよね。
ちなみに、「ほんきこ」というのは、置賜の方言で、「本気で」とか「まじめに」とかいう意味の言葉なんですよ。

――なるほど。現在、『ほんきこ。』は何号まで出ているのですか?

54号ですね。
実をいうと、現在は発行のペースがだいぶ落ちているんです。
というのも、中心メンバーが30代半ばにさしかかるころから、次第に、頻繁に集まることが難しくなってきたんですね。
そこで、活動の中心が、ミニコミの制作・発行から、本をネタにしたコミュニケーションのほうに次第に移っていきました。
それが「読書会」です。

――「読書会」では何をやっているんですか?

参加者それぞれが決められたテーマに即したおすすめ本をもちより、紹介しあうという会です。
月1回のペースで、毎回の担当者を決めて回しています。
担当者がそれぞれ置賜各地のいい雰囲気のお店を見つけてきて、そこを会場に「読書会」を開いていきます。
要するに、「読書会」の準備・開催というかたちで、地道に置賜各地のカフェや文化施設とつながり、今回のブックイベントの「種まき」をしていたようなところがありますね。

■背景文脈としての「遅筆堂文庫」  

――『ほんきこ。』の活動についてお話しいただきましたが、そもそも「ミニコミの発行」という形式を採用したのはどうしてですか?

私は図書館の司書なので、地元・置賜の郷土資料などにもよく接するのですが、そこにミニコミ誌がたくさん収められているんですね。
私たちの前の世代が若かりし頃にミニコミを活発につくっていたようで、それがすごくおもしろそうだと思ったんです。

――確かに、置賜はかつて、青年団など若者たちのコミュニティ活動が活発だった地域ですね。現在も南陽市などでそうした青年文化をリバイバルさせようという動きがありますが、そうした通奏低音が『ほんきこ。』にも流れ込んでいるということなんですね。

ええ。
実際、活動を始めると、職場の上司たちがものすごく協力的に応援してくれたんです。

――松沢さんの職場の「遅筆堂文庫」ってそもそもどういったものですか?

私たちのひとつ上の世代に、遠藤征広さんという方がいて、彼らが井上ひさしさんから蔵書の寄贈を受けることになり、それを「遅筆堂文庫」という図書館にしたんですね。
さらにそこに劇場ホールと町立図書館が組み合わさって、川西町フレンドリープラザという文化施設になったわけです。
それで、その「遅筆堂」ができるときに、井上ひさしさんから「堂則」を贈られたんですね。
この「堂則」の存在が、私たちのあらゆる活動の基礎になっていると思っています。

――「堂則」にはどんなことが書いてあるのですか?

かいつまんで言うと、ここはあなたがた「有志の人びと」の「陣地」であり「聖地」であり、「砦」であり「居場所」である、とあります。

――わくわくする言葉ですね。でも、ただ空間があるだけでは、そういった「場」にはなりませんよね。どんな工夫をして、そこを「陣地」や「聖地」、「砦」や「居場所」として機能させているのですか?

人が集うところって、楽しい刺激がありつつも、どこかでホッとできるというような、相矛盾する二つの要素が同時にあるような場だと思うんですね。
本だけ――刺激だけ――があっても人は集まらない。
そこに、人と人、人と本とをつなぐ誰かがいてはじめて、そこが「場」となっていくんだと思います。
私がこれまでやってきたのって、要するに「つなげる」ということなんですよね。
「つなげる」には、つなぎたい双方をよく観察し、それぞれの話をよく聞き、両者に共通するキーワードを見つけるのが肝心。
これって、編集そのものですよね。
だから私、編集って人に興味がないとできない仕事だと思うんです。

――最後に何かありますか。

本や活字って個人個人が孤独に楽しむもの、と思われてきました。
でも今は、それらがリアルなコミュニティを立ち上げるための媒介として成り立つ時代です。
せっかくだから私は、活字というジャンルを使って、地域の文化の力の底上げをしたいと思っています。
おもしろそうと思ったあなた、ぜひ遊びにおいでください。  
             
――ぜひみなさん、「Book! Book! Okitama」にどうぞ。    (聞き手:滝口克典)

山形読書会 ~Yamagata Reading Club~

想像してみてください。
もしあなたのお気に入りの本を通して、地域に住む様々な人たちと交流を深めることができたとしたら、楽しいと思いませんか?
山形読書会 ~Yamagata Reading Club~ (以下、山形読書会)」は、まさにそんな理想が叶う素敵なコミュニティ。
「読書を通して人とつながる」というコンセプトの元、山形市内で開催されています。
運営しているのは、細矢江里(ほそやえり)さん。
筆者の私自身も、実は山形読書会の大ファンで何度も足を運んでいます。
今回はみなさんにそんな山形読書会の魅力をご紹介しましょう!

現在、山形読書会は市内各所に点在するカフェを利用して月に一回、土曜や日曜といった休日の午前中に開かれています。
FacebookやmixiといったSNSはもちろん、市報などあらゆるツールを用いた細矢さんのこまめな情報発信により、学生から社会人まで、幅広い層の方々が集まります。
今回筆者が参加した4月の読書会は、本町にある蔵カフェ『瑳蔵(さくら)』を会場に19名(うち初参加者6名)という過去最多の人数で行われました。

読書会の流れはとてもシンプル。
まず参加者はお気に入りの本を1~2冊準備してきます。
持ち寄る本のジャンルは何でもあり。そのため普段本をあまり読まないという人でも気軽に参加できちゃいます。
今回も皆さん小説や、雑誌、ビジネス書、料理本など多種多様の本をお持ちでした。
そして、3~4人のグループに分かれ、各グループで話す順番を決めたらいよいよ本の紹介のスタート!
一人あたりの持ち時間は全部で8分程度。
うち最初の3分は本の紹介。
残り5分はフリートークといった形で、紹介された本についてお互いに感想・意見を和気あいあいと述べ合ってもいいし、全く関係のない雑談をしてもOK。
そして全員が本を紹介し終えたら、席替えをして新しいグループでもう一巡します。
またグループに関しては少人数のため喋りやすいし、新規参加者とリピーターの方が一緒になるよう上手く配慮がなされているので、会の進行も非常にスムーズ。
今回初参加だった方々もすんなり会に溶け込めた模様。こうした運営面での細矢さんの些細な気配り一つ一つこそが、読書会の人気の秘訣なのではないでしょうか。
誰もが親しみやすい場、それが山形読書会なのです。

山形読書会を運営している細矢さんは以前、岩手県盛岡市に在住している際に「読書朝食会リーラボいわて(以下、リーラボ)」に参加していました。
この頃の細矢さんは仕事がとても忙しく、人と会って話す機会がほとんどない状態でしたが、リーラボを通し、同じ読書好きの方々と出会うことで「人と人とのつながり」の大切さに改めて気づかされ、大きな感動を覚えたそうです。
その後、地元の山形へ戻ってきた細矢さんは、「山形でも読書会を開催して、地元をさらに元気にしたい!」という思いからこの山形読書会を立ち上げました。

細矢さん自身も岩手、そして山形での読書会を通してたくさんの人達とつながり、より生活が豊かになったそうです。
細矢さんは読書会の活動を今後さらに活性化していきたいと語ります。
現在は土日のみの開催ですが、やがては平日に開催したり、他地域の読書会とのコラボもできればとのことでした。
読書会の活動を通し山形がさらに活気づいていくといいですね!

本が好き!人との出会いを通して豊かな時間を過ごしたい!という方、山形読書会に一度足を運んでみてはいかがでしょうか?あなたにとって、きっと素敵な居場所になるはず!

(文責:大原 克彰)

【金曜上映会】 山形国際ドキュメンタリー映画祭

 
あなたは「山形国際ドキュメンタリー映画祭」に行った事がありますか?
山形市で2年に一度10月の1週間に開催される映画の祭典で、ドキュメンタリー映画に特化したアジアでも数少ない映画祭の一つとして、世界的に注目を集めています。
2013年開催時は、123の国と地域から212本が上映され、入場者数は22,353人にのぼったそうです。
…とはいっても、ドキュメンタリー映画って難しくて重そうだし、何を観たらいいのかわからない。
映画は好きでも、短い期間中そんなディープな世界にひょいと行けないよー、という人も多いのでは。
そんなアナタに紹介したいのが「金曜上映会」。

山形映画祭主催で、月2回、主に第2、4金曜日を中心に開催され、映画祭の過去作品や、映画館やテレビ・ビデオなどではなかなか見る機会が少ない作品を鑑賞できます。
会員制のため、参加者は「金曜上映会鑑賞会」に入会することになりますが、入会費は無料。
つまりタダで上質なドキュメンタリー映画を鑑賞できる、おいしい穴場スポットなのです。
昼と夜に行っているので、お仕事終わって駆けつける人も多いそう。

会場は、山形ビッグウィング3階にある「山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー」の試写室。
40席程の落ち着いた雰囲気のシアターで、今では希少なフィルム上映も体験できます!
ライブラリーには、映画にまつわる図書が充実し、自由に閲覧可能。昔の映画ポスターや古い映写機も展示されており、映画好きにはたまりません。
さらに、ビデオブースでは山形映画祭に過去に応募されたほぼ全ての作品を無料で視聴することができます。
まさに宝の山ではありませんか…!

そんなすてきな環境で鑑賞できる「金曜上映会」。
筆者が参加した5月9日のプログラムは〈フィルムのなかのやまがた〉。
近年、山形市役所の地下倉庫で発見された1960年代の山形を記録した16mmフィルムから、①『開けゆく峠路』(1964/14分)、②『笹谷トンネル』(1960頃/12分)、③『山形市広報ニュース No.7』(1962/11分)が上映されました。
①③はモノクロ、②はカラーで、どれもきれいな映像でびっくり。
①②は、笹谷峠とともに生きた当時の人びとの生活や、いつか開通する笹谷トンネルへの大きな期待が描かれています。
細くグネグネの険しい峠道を、荷物も人も山積みのバスやトラックがスイッチバックで通る姿が衝撃的。
③ではエコーラインやロープウェイが完成した蔵王の賑わいぶりと、山形市の下水道建設の様子が。
乗客第一号として天狗の面を被った山伏たちがロープウェイで運ばれていく様子に観客から笑いが起こり、下水道工事の過酷な作業に挑む人びとの仕事ぶりに感嘆のため息が漏れました。
会場には、①〜③を撮影したのと同型と思われる16mmカメラが展示され、観客みんなで手に取り動かしてみました。ゼンマイ式で、小さいけれど持つとずっしり!年配の方も学生さんも興味津々、感動していました。

最後に『わらし子とおっかあたち』(監督:窪川健造/1962/48分 ) を鑑賞。
中山町在住の小学校教諭・烏兎沼(うとぬま)宏之・喜代子夫妻の作文教育活動を新藤兼人がシナリオ化した劇映画で、撮影も中山町で行われたそう。
会場には、映画完成当時に鑑賞したという女性がいらして、久しぶりに観れて嬉しいと話していました。

いろんな角度から映画に触れることのできる「金曜上映会」。
今後の上映情報は、山形映画祭のホームページ(http://www.yidff.jp)か、情報紙「ドキュやま!」でチェック!

(文責 :黄木 可也子 )
プロフィール

ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

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