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「野火」 塚本晋也監督トーク付き上映@フォーラム山形



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11月4日(土)、山形市フォーラム山形にて「野火」塚本晋也監督トーク付き上映が行われました。
 「野火」は作家・大岡昇平のフィリピンでの戦争体験を基に書かれた同名小説を塚本晋也監督が映画化したもので、2015年に劇場公開されました。以降、戦争を知らないもっと多くの若い世代にこの作品を観てもらいたいという思いから「塚本晋也、皆さんに会いに行きます!プロジェクト」と題した全国キャンペーンを実施。塚本監督自ら、全国の映画館を周り「野火」の上映活動を精力的に行っています。
 フォーラム山形での上映は昨年に引き続き今回が2回目。今年は「ぷらっとほーむ」もこの活動に協力し、前売券の普及をはじめ、当日に向けての準備・関連企画が進められました。以下は、「野火」塚本晋也監督トーク付き上映とその関連企画の記録です。

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◆「野火」事前学習会
 映画の上映に先がけて、「ぷらっとほーむ」では「野火 事前学習会(以下、事前学習会と略記)」が9月29日から10月27日にかけて、毎週金曜日に行われ、フリースペースに集う若者が中心となって参加しました(全5回)。
 1回目の学習会では「野火」を鑑賞するにあたり、映画について、あるいはそれに関連する事柄で知りたいことを参加者同士で出し合い、今後の「事前学習会」の予定を組んでいきました。その1回目で決まった内容に沿い、2回目は「70年前の戦争」をテーマに、日本が経験した戦争について振り返りました。3回目は「北朝鮮」というテーマで、最近よくニュースでも耳にする北朝鮮という国について、その歴史や諸外国との関係性などについて学びました。4回目のテーマは「ファシズム」。ナチス・ドイツを例に「ファシズム」とはどのような政治なのか、また、どうして「ファシズム」が誕生したのか、その背景を探りました。そして最終回となる5回目の「事前学習会」は「現在の日本」をテーマに、10月22日(土)に行われた衆議院選挙の結果について、参加者同士でざっくばらんに語り合いました。
 全5回の「事前学習会」を通し、今の日本の置かれている状況がいかに戦前の日本に近いかを知り、とても恐ろしい気持ちになったと同時に、自分たち国民の政治に対する無関心さがこうした状況を作り出しているのだと知りました。

◆「野火」塚本晋也監督トーク付き上映 当日
 「野火」塚本晋也監督トーク付き上映は、当日多くの来場者で賑わいました。
 映画は、第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、塚本晋也監督自ら演じる主人公・田村一等兵の悲惨な戦争体験が描かれます。アメリカ軍の攻撃だけでなく、食糧も不足し、強烈な飢えに苦しむ田村一等兵ら日本の兵士たち。極限の状態に置かれた彼らの運命はどうなってしまうのか。戦争の恐ろしさを肌感覚で実感できるような、圧倒的内容の作品でした。
 上映後にトークショーということで、塚本晋也監督と「ぷらっとほーむ」共同代表の松井愛さんがステージに登壇。塚本監督からは、この映画に対する想いや制作に至るまでの道のりなど、松井さんからは、過去3回にわたってドキュメンタリー映画「ひめゆり」を自主上映してきた立場から、どうやって若い世代にこうした映画を届けられるか、それぞれお話いただきました。
塚本監督は高校時代に「野火」の原作小説と出会い「いつかこの作品を映画にしたい」と心に決めていたそう。そして2011年の東日本震災や原発事故に端を発する社会情勢の急速な変化、将来への危機感などから、本格的に「野火」の製作に着手し始めたのだそうです。長年温めていた作品だけに、そのこだわりは細部にまで至り、実際にロケをフィリピンで行ったり、戦争の悲惨さを表現するため、あえて積極的に残酷なシーンを取り入れたりしたそうです。
 松井さんは、会場にいる皆さんが、家族や友達、誰か一人をここに連れてくれば、それだけで今の倍の人数が集まることになる。地道けれど、一人ひとりがそうやって日常の中で色んな人を巻き込んでいくことによって、運動というものは徐々に大きくなっていくと語りました。
 将来を良くするも良くするも悪くするも、市民一人ひとりの行動次第。今回の上映会は、市民活動について考える・学ぶ貴重な機会となりました。
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山形国際ドキュメンタリー映画祭のキロク

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2017年10月5日〜12日にかけて、今回で15回目の開催となる「山形国際ドキュメンタリー映画祭」が行われました。
映画祭は、アジアで初めて創設されたドキュメンタリー映画祭として世界的に有名ですが、これまで、観客としてしか参加したことがなかったので、今回初めてボランティアとして参加してみた記録を綴ってみたいと思います。



私が担当したのは、大賞の対象になるインターナショナル・コンペティション作品が上映される、メイン会場の中央公民館(az6階)の会場係です。
ここは、学生時代に映画祭の作品を観に来て、途中で眠ってしま った記憶のある会場です。。。
ボランティアを行うにあたっては、事前に行われるボランティアミーティングで担当などが割り振られ、簡単な研修を受けたうえで、映画祭の開催を待ち受けます。
仕事内容としては、上映前は、観客数のカウントや、チケットもぎり、上映中は、市民賞のアンケート用紙などの折込み、カタログや映画祭グッズの物販など多岐にわたります。
映画祭には、世界各地から外国人がたくさん訪れますので、外国語で話しかけられることも多々あり、固まってしまう場面も多々ありました…。
作品によっては、長蛇の列が発生し少々殺気だつ場面もありますが、上映が開始されると、ゆったりとした時間が流れ、他のボランティアメンバーと談笑しながら折込みなどの軽作業を行います。
映画祭に関わる人々は、やはりコアな映画ファンであることが多く、話題は、(今回の映画祭で)何の映画を観たか、これから何の映画を観る予定か、が中心になります。
また、ドキュメンタリー映画への熱気は、白いフリーパスや、青やピンク・緑などのIDパスを首から下げて、目当ての映画の開始時間に間に合うよう急ぎ足で向かう人々がたくさん観測できる、香澄町から旅篭町にかけての地域でも感じられます。



私は、今回はそれほどたくさん観るつもりではなかったのですが、そのような人々に刺激され、結果的には、5本の作品を観ることになりました。
特に印象に残った作品をあげるとすれば、アメリカで公民権運動の時代に黒人差別と闘った、キング牧師などの活動家にスポットをあてた『私はあなたのニグロではない』(監督:ラウル・ペック、優秀賞受賞)があります。
差別の問題を扱ったドキュメンタリー作品と聞くと重苦しいイメージが浮かびますが、この映画はスタイリッシュに編集されており、現在まで根強く残る人種差別と、それに対する気高い闘いの歴史を学ぶことができます。
エンドロールで、現代の黒人運動「Black lives matter」(黒人の命も大切だ)のテーマソング的な存在にもなった“Alright”でも有名な、ヒップホップアーティスト/ケンドリック・ラマーの“The Blacker the berry”が流れたのには痺れました。
フックとしてサンプリングされた「果実が黒いほど果汁は甘い。肌の色が黒いほど美しい」というラインを持つこの曲を選択した監督の意図について考えさせられます。



仕事もあって全日程は参加できなかったのですが、8日間本当にあっという間に過ぎ去りました。
日常に戻ると、「映画祭ロス」な感覚にもなりましたが、過去の映画祭の作品を上映する「金曜上映会」などで空白を埋めつつ、2年後の開催を楽しみに待ちたいと思います。(了)

夜間美術大学 Facebook

ひきこもりや不登校の経験者が語るフォーラム

11月25日(土)、山形市総合スポーツセンターにて「ひきこもりや不登校の経験者が語るフォーラム」が行われました。これは、山形県が主催するイベントで、困難を有する子ども・若者に対する理解を広げ、より多くの市民が子ども・若者を応援するきっかけを作ることを目的としています。フォーラムは大きく分けて2部構成となっており、第1部は当事者2名によるシンポジウム。第2部は質疑応答ということで、会場から寄せられる質問に当事者が答えていく形式で進められました。また、筆者(大原)も当事者枠でこのフォ-ラムに参加してきました。

第1部のシンポジウムでは筆者と「NPO法人から・ころセンター(以下「から・ころセンター」と略記)」生活支援員のSさん(女性)、それぞれが自身のひきこもり・不登校の体験談を語りました。
まずは最初に、筆者が大学時代に経験した孤立と、そこから「ぷらっとほ-む」につながるまでの過程を語りました。筆者は今から7年ほど前、大学入学直後に対人関係などで悩み、外に足が向かなくなった経験があります。一人暮らしをしていたこともあり、大学の方も休みがちに。気づけば、周囲の人との交流が全くない、孤立した状態になっていました。しかし2年ほどその状態が続き、「このままではいけない」という焦りから、なるべく今の自分の状態を知られないような場所――つまり知り合いがいない大学外――でボランティア活動などを行うようになりました。その過程で「ぷらっとほーむ」を知り、見学に訪れたことがきっかけで今に至ります。実際、「ぷらっとほーむ」に繋がるまでの過程はそこまでスムーズではなく、悩みや戸惑いも多くありました。しかし、一人暮らしだったので誰にも干渉されず、自分のペースで考えたり行動できたりしたからこそ「ぷらっとほーむ」にまで辿りつけたのではないか。当時を振り返って筆者はそう感じています。歩むスピードは一人ひとり違います。自分のリズムやタイミングというものが人それぞれあるはずだから、もしお子さんの不登校・ひきこもりで悩む親御さんがこの会場にいらっしゃったら、焦る気持ちはあるかもしれませんが、どうかお子さんを信じて待っていて欲しい。今回のシンポジウムでは、一人の若者の立場からそのようなお話をさせていただきました。

 筆者に続き、次はSさんの語りがありました。Sさんは20代の約10年間、ひきこもりで悩まれたそうです。きっかけは大学入学直後に起こったご家族の不幸や自身の健康状態の悪化。いくつもの出来事が重なった結果、心身ともに疲弊し、そこから大学の方も休みがちになっていったといいます。自身の悩みをなかなか周囲に相談することもできず、自宅からもだんだん出づらい状態に。Sさんは、ひきこもりたくてひきこもったわけではなく、結果としてひきこもる形になってしまったと語ります。仮に外に出ても周囲の人から「今Sさんは何をしているのか」と聞かれるのが苦痛だったそう。そんな状態が長らく続いたSさんでしたが、時間をかけて自分自身を見つめなおしたり、「生き直そう。今日から0歳児だ」と心に決めて気持ちをリセットしたり。そうすることで、ある時期が来て一歩を踏み出すことができた、とおっしゃっていました。また、「から・ころセンター」に繋がるなど、その過程で同じように悩んでいるたくさんの方々とも出会い、悩んだり苦しんだりしているのは自分だけじゃないと思えたのも励みになったそう。辛い経験をしているのは一人ではない。困っていたら、声を上げて助けを求めてほしい。会場にそう訴えかけているSさんの言葉が印象的でした。

 第2部の質疑応答では、会場から筆者・Sさん両名に様々な質問が寄せられました。その一部取り上げると、筆者宛てには「小中学生と大人のひきこもりに違いはありますか」といった質問が。これに対しては、不登校・ひきこもりになる理由は十人いれば十通り、百人いれば百通りあるだろうし、同様に、悩みだって人それぞれあるように思う。そう考えるとみな違ってくるのではないか、と答えさせていただきました。Sさんには「現在の自分のエネルギーの源はなんでしょうか」という質問が寄せられました。これに対しSさんは、日頃活動していて困っている人に出会ったとき、その当事者や家族は自分を責めているケースがよくある。しかし、苦しんでいるのは皆同じなのだから、どうか自分を責めずに安心してほしいということを伝えたい。もしかしたらそれが自分のエネルギー源になっているかもしれない、と答えていらっしゃいました。

 今回のフォーラムでの筆者とSさんの語りがもし市民の方々にとって不登校・ひきこもりを考えていく上でのヒントになっていれば幸いだし、もしそうなのであれば、筆者自身も今後ともこうした場に積極的に出向いていきたいと思いました。

一箱古本市@山形

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5月5日(金・祝)、山形市の山形まなび館にて「一箱古本市@山形」が開催されました。「一箱古本市」とは、ひとり段ボール一箱ほどのスペースで古本を販売するイベントで、出店料500円を支払えば誰でもブースを出すことができます。店名や本の価格も出店者さんが自由に決められるとのことで、ちょっとした本屋さん気分が味わえそうです。このイベントは2005年に東京の「不忍ブックストリート」で始まり、これを参考に山形でも7年前から定期的に行われるようになりました。当日は筆者(大原)も「ぷらっとほーむ」のメンバーたちと一般参加。出店者の方々と本を通して楽しく交流してきました。今回はその時の模様を皆さんにお伝えします。
 筆者たちがまなび館に到着すると、前庭には既にたくさんの出店者さんたちのブースが立ち並んでいました。お客さんも老若男女問わず、多くの人たちで賑わっています。さっそく筆者たちもメンバーのみんなと会場を回ってみます。ブースに置かれている古本は文庫・単行本だけでなく、絵本、マンガ、雑誌など多岐に渡り、お店のレイアウトなども出店者さんごとにまちまち。それ故、一軒一軒新鮮な気持ちでブースを見て回ることが出来ました。

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また、山形市で活動している読書サークル「山形読書会~Yamagata Reading Club~」の主催者・細矢江里さんもブースを設けていたので、ご挨拶を兼ねてお邪魔させていただきました。
 細矢さんは「わたしの家の古書棚」という店名で出店。一家揃って読書好きという細矢さんは、自宅の古書棚から集めてきた小説やエッセイなどを、三角屋根のついた可愛らしい本棚に収納して販売していました。その中で面白そうな本や知っている本が売られていれば、それを介して細矢さんと楽しく本談議。古本を買うだけでなく、こうしてお店の方とまったり交流できるのも、この古本市の魅力だなと思いました。
 ただの買い物に留まらず、本を通して様々な世代の人々とつながることが出来る「一箱古本市」。今度は筆者もぜひ出店者側で参加したいと思いました。

<一箱古本市@山形>
 Twitter→@futahako
ブログ→http://bookyamagata.jugem.jp/
 (文責:大原克彰)

まったりマルシェ


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4月23日(土)、寒河江市の最上川ふるさと公園のセンターハウス内で開催された「まったりマルシェ」。午前10時から午後4時まで行われ、その間は誰でも出入り自由。当日はハンドメイド、ワークショップ、飲食店など様々なブースが設けられ、たくさんの参加者で賑わっていました。今回は『まどあかり』編集部もこちらのイベントに参加してきたので、その模様をレポート形式でご紹介します。

●「ゆず丸工房」パステル画ワークショップ

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マルシェ中央部にあった、上山を中心に活動している「ゆず丸工房」さんでパステル画WSをしてきました。
さくらんぼ・イルカ・ひよこの3種類の絵の中から描きたいものを選んで教えていただきます。描く物も、ポストカード・うちわ・トートバッグの3種類ありました。筆者はうちわに、ひよこでチャレンジ!パステルを削って粉にしてから、指で紙にぬっていきます。余分な粉をはたいてもらうと想像以上にふんわりとやわらかい印象に仕上がりました。消しゴムを使って光を入れる方法も教わりました。お昼を食べる間も無く参加者の対応をされていた「ゆず丸工房」のみたきさん。お客さんで大変にぎわっていました。(文責:鈴木晴菜)

●お茶の福田園(カフェフクダエン

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新庄市で活動されている「お茶の福田園(カフェフクダエン)」さんがブースを出店していたので、お邪魔させていただきました。  
店主を務める福田真さんにご挨拶したのち、筆者(大原)は「抹茶ラテ」を注文。福田さんは注文の品を作っている間も筆者に気さくに話しかけてくれるなど、温かいお人柄を感じさせます。もちろん筆者のみならず、来てくれたお客さん一人ひとりにそのような丁寧な対応をされている福田さん。いただいた「抹茶ラテ」が美味しかったのはもちろんですが、それ以上にお茶を介して交流する時間も非常に味わい深いものがありました。(文責:大原克彰)

まったりマルシェ facebook〉
https://www.facebook.com/mattari.mattari/

城下町やまがた探険隊『新ぶらぽ倶楽部2017』

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5月20日(土)に山形市街地を探索するまち歩き「新ぶらぽ俱楽部(クラブ)2017」に参加しました。この企画は、城下町やまがた探検隊が企画し6年目をむかえました。毎回50名~100名ほどが参加しています。2017年度は5回行われる予定になっています。第1回目である今回は「山形城から商人町へ」と題して、JR山形駅西~霞城公園~最上義光記念館~山形聖ペテロ協会~七日町などを巡ってきました。
 幅広い年代の人たちが参加していて、各々が知っている知識をお互いに披露していて、とても賑やかな雰囲気でした。今回のまち歩きで勉強になった事がありました。それは、現在、新庄のことを最上地方と呼んでいますが、最上義光が山形藩を治めていて、その当時山形市周辺を最上地方と呼んでいました。なぜ新庄を最上と呼んだのかというと、最上氏の後に山形藩主になった大名が、地元の人たちがあまりにも最上びいきなので、それに僻んで地名を入れ替えたという説があるそうです。

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また、幕末の山形藩主は水野家という家で、天保の改革を行なった水野忠邦の子孫でした。改革が失敗して左遷されるような土地だったのです。江戸時代の初期は最上家が50万石を超えるような領地を持っていたのですが、幕末の水野家は5万石という少ない領地を与えられていたのです。そのため、山形城という広い土地を維持する事が難しくなり、土地を畑にして、なんとか領地経営していたそうです。
また、幕末の世になると、官軍と旧幕府軍にわかれて戦いになりました。東北の諸藩は旧幕府軍についていて、その流れで山形藩も旧幕府軍についていました。しかし、戦いは官軍の勝利となり山形藩の罪を問われたときに家老の水野元宣が責任を取って処刑される事によって山形藩が救われたそうです。この事実を、私は全然知らなかったのですが、説明を聞いて、水野元宣が処刑された当時26歳だったと知り、若いのに藩を守って大変だったのだなと感慨にふけりました。
他にもたくさん面白い話が聴けて、歴史のロマンに触れられるとても有意義な2時間半でした。
(文責:片桐滉斗)

まちあるき@ぷらほ2017上山編


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8月26日(土)、「まちあるき@ぷらほ2017上山編」に参加しました。このまちあるきは、ヤマガタ各地の地方都市の成り立ちを歩いて学ぶ企画です。2017年度、1回目は上山市を歩きました。温泉と城下町という二つの要素が町の成り立ちにどう影響しているのか、郷土史家・岩井哲さんにご案内いただきました。今回歩いたコースは、上山城~武家屋敷~浄光寺(月秀の墓)~上山温泉源泉と鶴の休み石~下大湯でした。 
上山城は、最上氏の最南端の城塞で、伊達氏や上杉氏との攻防の舞台となっていました。その後、江戸時代に入り能見松平氏~蒲生氏~土岐氏~金森氏~藤井松平氏が入部しました。上山城は、小さなお城であったにもかかわらず奥羽の名城だったと伝わっているそうです。ちなみに、現在の復元された天守閣は、江戸時代にあったものではなく、全くの想像上の建物だそうです。話は横道にそれますが、まちのいたるところにあるガイドには天守閣の写真が載っていますが、それを見ると実際に江戸時代の天守閣を復元したように誤解されてしまうかもしれないと岩井さんはおっしゃっていました。
 上山城の次に向かったのは、武家屋敷と藩校明新館跡です。上山には、4軒並びの武家屋敷が残されていて、当時の暮らしの面影が残っています。藩校の名称の「明新館」は今の上山明新館高校に引きつがれています。
幕末には日本各地で志をもった武士が活動をしていたのですが、上山にもそのような武士がいて、名前を金子与三郎といいます。新選組のもとになる組織をつくった庄内藩出身の有名な志士である清河八郎とも交流があったそうです。そこではどのような会話があったのかを想像するだけでも、幕末ファンとしてはわくわくします。

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 その後、今回のテーマのひとつである温泉街に向かいました。上山温泉は別名「鶴脛の湯」と呼ばれていて、1458年に肥前(現在の佐賀県)の月秀という旅の僧が、沼地に湧く湯に一羽の鶴が脛を浸し、傷が癒えて飛び去る姿を見かけたのがはじまりといわれているそうです。しかし、月秀が温泉を発見したとされる年代よりも前に見つかっていたという記録もあるため、岩井さんは、月秀がかみのやま温泉を発見したという説に疑問を持っておられるそうです。鶴が休んでいたという話は、伝説として温泉に箔を付けるために創られた可能性があるとのことでした。そのような話を足湯に浸かりながら岩井さんにお話しいただきました。
 今回のまちあるきで自分が知らないような歴史にかんする遺産をたくさん学べました。このような人の営みを絶やさず受け継いでいくことは、現代を生きる人の使命ではないのでしょうか。

やまがたNPO 活動促進大会

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11月11日(金)、ホテルメトロポリタン山形にて「やまがたNPO活動促進大会」(以下、「NPO大会」と略記)が行われました。この会は、県内各地のNPOによる活動内容の発表や県民活動に関するセミナーなどを通し、県民にNPO活動への関心を持ってもらい、参加を促すことを目的に毎年開催されているイベントです。

NPO大会」は細谷副知事の挨拶から始まり、続いてプログラムの第一部「2016年やまがた公益大賞」の授賞式がありました。これは団体や企業がとりくむ公益活動で大きな成果を収めた活動を表彰するもので、山形市末広地区にて、イベントなどを通し住民が世代をこえてつながれる場づくりを行っている「あいらぶ末広 楽市楽茶」や、新庄市の旧蚕糸試験所(新庄市エコロジーガーデン)でマルシェや芸術祭を開催し、地域の交流拡大に努めている「新庄市エコロジーガーデン交流拡大プロジェクト」など全5団体が授賞。県内あちこちで地域住民の交流活動が活発に行われていることを知れると同時に、逆にいえば現代はそうした場を設けなければならないくらい多世代間の交流が希薄になっているという課題が見えてくる授賞式でした。

 第二部は「県民活動推進セミナー」ということで、東北公益文科大学の特任講師の青木孝弘氏による「NPO・企業・行政等の連携による新たな社会の創生」と題したセミナーが行われました。 

近年、地方衰退が問題視されていますが、青木氏はこの問題に対し、これからは産業界や行政機関、大学、地域は垣根をつくらず多様なつながりをもつことが大切だといいます。実は民間と行政の連携は90年代末あたりから重要視されていましたが、それはあくまで活動領域ごとに縦割りのつながりしかなく――例えば農業と観光協会の連携、行政のまちづくり担当部局と地域の連携というように――横のつながりがほぼない状態でした。しかし、組織の高齢化や縮小化など、そろそろ縦割りの関係にも限界が来ていることを青木氏は指摘します。各団体もっと広域に、もっと多様なつながりをつくることが新たな社会創生につながる。青木氏のお話を伺って、自分の周りにはどんな地域資源が存在するのか、視野を広くもって活動することの大切さを再認識させられました。

引き続き第三部は、平成27年度に「やまがた社会貢献基金」を活用して行った事業の成果報告会です。山形県無形民俗文化財にも指定されている民俗芸能・仁田山獅子踊の技術継承と未来の担い手育成事業を行う新庄市の「仁田山獅子踊保存会」や、酒田市にて県内外の大学生を対象とした海洋ごみ問題に関わる啓発・交流活動を行う「NPO法人パートナーシップオフィス」など、全6団体が発表。伝統や環境問題、自分の知らない多彩な分野の活動団体のお話を聞けるのはよい刺激となりました。

第四部は交流会。おおよそ40分、参加者どうしでざっくばらんに交流できる時間が設けられていたので、筆者は同じく会場に来ていた米沢の「NPO法人With優」の方と交流し、近況を報告し合いました。時間が少し短かったために、充分いろいろな方と交流できなかったのが少々心残りです。

「NPO大会」を通し、自分の知らない団体の活動内容などを知ることもできて非常に有意義な時間をすごせました。しかし、県内にはまだまだ知られていない団体や活動がたくさんあるはず。活動の規模など関係なく、そうした人びとや場所を今後『まどあかり』(文責:大原克彰)

前転フェスティバル

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12月3日21時から翌4日の5時にかけて、山形市本町にあるシェア・アパート「ミサワクラス」(もともと旅館だった建物を改造したもの)で開催された音楽イベント「前転フェスティバル」に足を運びました。



この「ミサワクラス」では、アーティスト・音楽家・写真家・建築士・デザイナー・東北芸術工科大学の学生・社会人など、さまざまな人たちが共同生活をおこないつつ、制作活動をし ています。
引き戸の玄関を開けると、靴が敷き詰められていて、細い階段を進むと、ふだんは住居スペースや台所として利用されている場所が、会場に様 変わりしていました。
受付を済ませて、薄暗い奥のスペースに行くと、即興のギター演奏や、弾き語りのライブ、ノイズミュージックの歴史講座、DJイベント、自主映画上映など、さまざまなイベントが時間ごとに開催されていました。

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夜通し行われるイベントということもあって、簡易ベッドを組み立てた宿泊施設や、シャワーを有料で使用できるサービスが用意されていて、関わっている人たちの工夫や「楽しんでやるぞ」といった心意気を感じることができました。
他にも、芋煮を食べる人、アルコールを飲みつつイベントを楽しんでいる人など、参加している人がそれぞれに楽しんでいました。
弾き語りライブでは「500マイル」など数曲をギターで弾き語りをしていて、静かな時間が流れていると思ったら、その次に行われたノイズミュージックの歴史講座では、時代系列順に楽曲のレコードをかけつつ、後ろでは大画面と大音量で、そのアーティストに関連したプロモーション・ビデオが流されていて、それについての解説を行うという、授業のような構成が、見ていて新鮮でした。


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今回、「ミサワクラス」に住んでいる方と話をする機会があり、このあたりも空洞化が進んでいて、周りに住んでいる人がいないため、夜中に大音量を出しても苦情はほとんど来ないという話が印象に残りました。
空洞化したからこそ、夜通しで音楽イベントを開催することができることに、何か新しいことが山形ではじまる可能性を感じつつ、深夜1時すぎに「ミサワハウス」を後にしたのでした。

(文責:大場茂慶)

山形ルービックキューブ会

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11月6日(日)13:00~17:00に、山形まなび館(山形市)で行われた丸谷健太さん主催の「山形ルービックキューブ会」に参加してきました。
山形をはじめ、東北各地のキュービストが集まって情報交換をしたり、タイムを計ったりしていました。
また、初心者もていねいに教えてもらえるとポスターにあったので、初めての私も参加させていただきました。丸谷さんに指導していただいたことがある「ぷらっとほーむ」メンバーもいっしょに参加してきました。

会場には、13×13×13の巨大ルービックキューブ、カレンダータイプ、ピラミッド型など、いろんな種類のルービックキューブがありました。カレンダータイプのものを説明していただいたのですが、うるう年も含めてすべての月に対応することを聞き、驚きました。ルービックキューブ初心者の私ですが、お話を聞いていてルービックキューブに対する熱い思いをひしひしと感じました。
場が和んでから、記録計測が行われました。5回キューブを完成させて、平均タイムを出すそうです。私は、このイベントに参加して3時間以上かけてようやく完成させることができたので、5回完成させると聞くだけで気が遠くなりそうでした。早い方だと平均11秒で1回完成させるそうです。記録計測が行われている一方では、足でルービックキューブを操作する方、13×13×13の巨大で目が細かいルービックキューブの記録に挑戦する方もいました。13×13×13を完成させた方は世界記録並みのタイムが出、会場が一気に盛り上がりました!!

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「ぷらっとほーむ」メンバーは、数分で完成できるようになったので1回記録計測に挑戦させていただきました! すると見事、3分台で完成。「目指せ! 1分台!」と丸谷さんより激励をもらっていたようです。
今回の「山形ルービックキューブ会」には、6才~50代まで幅広い年齢層の方たちが参加していました。ルービックキューブを介して人と人の交流が生まれる魅力、一方でルービックキューブを完成するために集中することへの魅力を感じました。
何より、初めて参加する人たちへの、丸谷さんはじめ「山形ルービックキューブ会」の方がたの楽しい雰囲気づくりがルービックキューブへの架け橋だと感じました。         
(文責:鈴木晴菜)

ライブアートによる壁画制作 ~色彩のあーと書道家・未来さんの滞在制作~

みくさん


『まどあかり』2016年春号でもとりあげさせていただいた「色彩のあーと書道家未来(みく)さん。フリーの書道家で、個展やワークショップ、番組の題字制作、商品パッケージのロゴデザインなど幅広い分野で活躍されています。

今回、9月6日(火)に山形市南三番町に移転オープンした不動産会社「株式会社ライフパートナー」さん(以下、「ライフパートナー」さんと略記)の店内壁面に、未来さんがアート作品を滞在制作しているとのことだったので、筆者(大原)が取材させていただきました。

未来さんの滞在制作期間は9月6日(火)、7日(水)、8日(木)、12日(月)の4日間。制作期間中、会場は一般開放されており自由に観覧ができ、いっしょに制作体験することも可能です。体験費は無料。筆者は全4日間のうち、7日(水)の制作を見学に伺いました。

筆者が会場である「ライフパートナー」さんに到着すると、ちょうど未来さんが店内の壁にペイントを施しているところでした。未来さんにご挨拶すると「ぜひ一緒に描いていきませんか?」と勧めてくださったので、筆と絵の具をお借りして筆者も制作に参加。壁に描かれている円の上にさらにさまざまな色の絵の具を何度も重ね塗りしていきます。作品のテーマは「地域と繫がる」ということで、壁画は地球に建物が建ち並んでいるようすをイメージしているのだそう。「お客さんのニーズに合った不動産をいっしょに考えていく」ことを目指す「ライフパートナー」さんのイメージにぴったりな壁画です。

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作品は3メートルほどの高さがあり、高い箇所は足場台を使ってペイントします。また、制作中も未来さんやお店の方々が気さくに話しかけてくださるなど、とても居心地のいい、アットホームな印象を受けました。主催者側が温かく迎え入れてくれると、イベントに参加する身としてはとてもありがたいですし、また来たい! という気持ちになります。

壁画を見学したり、いっしょに制作体験できたりするのももちろん楽しいですが、何よりも参加者に対する、未来さんとお店の方々の細やか気配りが、このイベントの最大の魅力なのではないかと思いました。(文責:大原 克彰)

咲良さくらさんライブ ~「とっておきの音楽祭inやまがた」にて~

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 8月28日(日)、文翔館(山形市旅篭町)にて「とっておきの音楽祭inやまがた」が開催されました。このイベントは、障害のある人もない人もいっしょに音楽を楽しみながら「心のバリアフリー」を目指すことを趣旨に開催される音楽祭で、2001年に宮城県仙台市で始まりました。それ以降全国各地に広まっていき、この山形でも2006年から毎年開催されるようになります。当日は文翔館や七日町商店街など計五か所に野外ステージが設けられ、県内外から数多くの団体・バンドが出演し、大変なもりあがりを見せました。

その中でも筆者(大原)が特に注目したのは、七日町の山形銀行前で行われた咲良さくらさんのライブです。さくらさんは山形市出身の高校生で、主に県内のライブハウスやイベントなどでピアノの弾き語りを行っています。今回のステージでさくらさんは、アンジェラ・アキさんの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」などのカバー曲を披露したのですが、筆者は彼女の圧倒的な歌唱力に感動を覚えました。
さくらさんがどのような思いで音楽活動にとりくんでいるのか。引き続き、今後の『まどあかり』でもとりあげていければと思います。(文責:大原克彰)

日本社会教育学会 北海道・東北研究会

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Ⅰ シンポジウム概要

2016年5月28~29日、山形大学地域教育文化学部(山形市小白川町)にて、日本社会教育学会北海道・東北研究会第40回大会が開催された。この北海道・東北研究会では、北海道大学、青森大学、福島大学など北海道・東北に位置する各大学の社会教育研究者が集い、テーマに即したシンポジウムが行われてきた。

シンポジウムでは、過去5回にわたり「地域再生にむけて社会教育が果たす役割」について検討が行われてきたが、今回は、これまでのテーマを継承しつつ、佐藤一子編『地域学習の創造』(東京大学出版会、2015年)による「地域学習」という問題提起を、東北、とりわけ山形県での経験と展開を踏まえて深める、という内容のシンポジウムであった。

今回の報告では、山形における「地域学習」の系譜を、戦前から現代まで追いかけるかたちでの整理がなされた。特に山形は地域教育が盛んに行われた歴史をもち、とりわけ農業を中心とした「食」「暮らし」に関する教育運動については、独自の哲学をもつ教育思想が育まれているように感じられた。

宮崎隆志氏の報告「地域学習論の構図:北方性教育運動に即して」では、その流れが事細かに記述されており、年代ごとにわけられた教育運動の変化からは、その時々の人びとの関心がどこにあったのかを読みとることができた。

そして、この報告を受け、さらに現代の具体的な取り組みや問題についてとりあげたのが佐藤一子氏の報告「山形に見る『地域学習』の系譜と今日的展開」である。ここでは庄内地域の「浜文化伝道師」の活動や、鶴岡市の「食文化創造都市」の取り組みについて主に話題が提供され、地域の抱える「食」の問題とそこに住む人びとの学びたい欲求、生活を豊かにする「地域学習」について、明瞭な説明があった。


Ⅱ 報告内容を振り返って

私がとくに気になったのは、70年代における農業技術革新がもたらした生態系の乱れ、具体的には、土を耕さずかき回す機械化と化学肥料多投によって土がやせるという問題についての研究者のとらえかたである。急激な近代化によって公害問題(カドミウム汚染米など)が世の注目となっていた当時、農民たちが、この土がやせるという問題を社会的災害として捉えるだけではなく、「農業従事者がその片棒を担いでいること」に大変な危機感を感じていた、と研究者の剱持清一氏はいう。これは「地域学習」独自の視点であろう。

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 もし公害と簡単に位置づけたなら、それは政府や企業への訴えだけで終わっていただろう。しかし、農民自らの手による土の生態系の破壊を嘆くこの視点は、地域に根差す問題意識であると捉えられる。それは、農民らが自覚的に「地域学習」に参加していたからこそ、そしてそうした「地域学習」がさかんであった山形だからこそ、可能となった視点であるように私には思われた。
 この「地域学習」の精神が引き継がれた現代、気になるのが男女での学習への取り組みの姿勢の違いである。「食」をキーワードとして広がる活動をみたとき、そこにはジェンダー論が存在した。

 庄内地方での食育活動に「キッチンシリーズ」というものがある。庄内に住む主婦らが、絵本の読み聞かせや買い物を子どもたちと行い、教育的な活動とともに故郷の味を堪能するというものだ。一方で、同じく「食」をテーマとした取り組みに、「庄内浜文化伝道師」という鶴岡市が発行する認定証がある。これは、庄内産魚介類の調理法や文化を広めるために設定されたものである。

ここで見えてくるのは、男たちが主な担い手である「庄内浜文化伝道師」は庄内産魚介類の地産地消を目指す戦略である一方、女たちが主な担い手である「キッチンシリーズ」では生活が価値になっていることである。そうした生活的価値の背景には台所に立つ女性の姿がある。ここには、ジェンダー差が存在する。それを比較することを目的とした研究ではないものの、「地域学習」の方向性について更に視野が深まったように思う。

Ⅲ 地域学習の魅力

もちろんシンポジウムでの議論には、まだ検証する余地が多く残されている。過去の活動を整理し博物学的にわけるだけでも男女の考えかたにまで視点は及ぶ。これは、裏を返せば、地域の学習活動はそれだけ学際的で魅力的なものだということだ。今や芸術の世界でも地域との連携があり、そこでもすでにさまざまな討議が交わされている。その中で、いかにして自分なりの地域との向き合いかた、学習との向き合いかた、暮らしとの向き合いかたを選択するかは大変大きな問題だ。「地域学習」という問題の捉えかたには、そのヒントがたくさんある。

今回のシンポジウムを通じ、選択のためのいくつかの方向性が見えてきた。地域に暮らす一人の学習者として、私自身、自分なりのありかたを見つけていきたいと思う。 
       
 (文責:藤原日菜子)

平成28年度 やまがた若者チャレンジ応援事業 公開プレゼンテーション

公開プレゼン

5月15日(日)、山形テルサ(山形市)にて「平成28年度やまがた若者チャレンジ応援事業 公開プレゼンテーション」が行われました。これは山形県若者支援・男女共同参画課の主催するイベントで、若者が力を発揮できる環境づくりを進めるため、若者の主体的な取組みの実現化の機会を提供し、彼(女9らの地域づくりへの参加を促進することを目的としています。

この企画では、県内各地の若者グループが地域の課題解決や地域の元気を創出するアイディアを提案し、審査によって選ばれた団体は助成(補助)を受けることができます。高校生から30代までの若者2名以上で構成されるグループであればどんな団体でも参加可能。発表当日は全13団体が出席し、限られた時間の中で実に多彩な企画提案がなされました。

例えば、天童市で活動している若者アーティストグループ「天童アートロードプロジェクト」は、「まちあそびワークショップ:ちょっとちがういつもを歩こう」という事業を提案。ワークショップなどのアート活動を通し地域の魅力を再発見するきっかけや、人と人とがつながる場づくりを行いたいと訴えていました。

また、東北芸術工科大学の学生によって結成されたグループ「Honeycomb&B」はフリースペース「Oraiの家」を活用し地域に住む人々の交流を活発にする取り組みを提案。山形大学のフリーペーパーサークル「Y-ai!」は、地域の情報誌を作成することで、同世代の若者たちに山形の魅力を紹介する取り組みを企画するなど、今回のプレゼンには学生団体もたくさん参加しているのが印象的でした。

この他にも、「山形県青年国際交流機構」「ミサワクラス」「colorful」「山の形」「山形県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部」「学び場プラス」「山形あづまりEXPO実行委員会」「山形バリアフリー観光ツアーセンター」「松根塾婚活実行員会」からの企画提案がありました(「ぷらっとほーむ」からも、貧困家庭の子どもを対象にした学習支援者を育てる事業を提案しました)。
こうして全13団体のプレゼンが終了。どの団体のとりくみも、優劣つけがたい非常に魅力的なものばかり。市民活動の多様性を再確認できる、非常に有意義な時間をすごすことができました。


※なお後日談として、約1ヶ月後に審査の結果が発表され、13団体すべてのとりくみに助成が行われることが決まりました。


(文責:大原克彰)

「若者と政治」について考える

参議院議員選挙(7/10投開票)を間近に控え、県内各地では政治に関するイベントが活発に開かれています。また、今年から「18歳選挙権」が導入されるということもあってか、「若者と政治」について考える場も多く設けられているようです。

筆者(大原)も『まどあかり』編集部として、4月27日(水)霞城公民館での「安保関連法廃止・立憲主義・個人の尊重を求める青年学生による『ネットワーク』(仮称)構築のための顔合わせ会」(以下、「ネットワーク」と略記)と、5月3日(火)山形市市民会館での「ワカケンカフェ@ヤマガタ」に参加してきました。


■「ネットワーク」打ち合わせ

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「ネットワーク」とは、30代までの若者を対象にしたグループで、「安全保障関連法の廃止」「立憲主義の回復」「個人の尊厳を擁護する政治」の三点に一致した若者たちが行動をおこしたり、自由に質問や意見を出し合えたりするような場づくりを目標としています。

今回は、その「ネットワーク」構築のための顔合わせ会ということで、『まどあかり』2016年春号でもとりあげたイベント「憲法カフェ」参加者のうち30代までの方々が有志で集まりました。呼びかけ人となったのは、「憲法カフェ」共催団体のひとつ「戦争法“本当に止める”山形アクション」。

会の前半は、上でも述べた「ネットワーク」に関する基本情報の共有、自己紹介など、後半はフリートークという形で、「ネットワーク」の今後の方向性や、「若者と政治」をどうつなぐかといった話し合いを行いました。

 個人的に、フリートークでの「若者とデモ」の話題が特に興味深く感じられました。デモは憲法で保証された権利であり、これによって市民の誰もが違和感などを声に出して正当に訴えることができます。しかし、参加者からは「多くの若者たちは、大人たちの行っているデモを見て、自分たちの正しいと思っていることを一方的に主張しているようで、少し重たく、近寄りがたい雰囲気を感じているのではないか?」という意見が出されました。せっかく「おかしい」ことを「おかしい」といえる権利が保証されているのに、もし、それで本当に若者たちがデモに対して拒否感を抱いているのなら非常にもったいないことだ、と筆者は感じました。フリートークは、そこから「では、どうすればデモの敷居を下げられるか」という話題にかわり、最終的には「それを考えていくことも『ネットワーク』の役割になるのではないか」という結論に至りました。

 約2時間、参加者の顔合わせから始まり「ネットワーク」の今後についていろいろなことを語らいましたが、社会の中で若者が政治に気軽に参加できるような風潮をつくっていけるよう、筆者自身も「ネットワーク」に今後とも積極的に関わり、考え、行動していきたいと思います。

■「ワカケンカフェ@ヤマガタ」

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「ワカケンカフェ@ヤマガタ」というのも30代までの若者限定のイベントで、「戦争法“本当に止める”山形アクション」が主催しています。同日、山形市民会館大ホールで行われた「5.3憲法講演会」をもとに、参加してみての感想や、質問・意見を出し合って学びを深めることを目的に開催されました。

「5.3憲法講演会」では、フリージャーナリストの志葉玲さん、小説家の高橋義夫さんらがそれぞれ現政権の行いに対しての違和感をお話されたのですが、「ワカケンカフェ@ヤマガタ」では、両者のお話はどちらも説得力があり、聞けてよかったという感想があがった一方、今回の講演会に来なかったような無関心層の人びとにはどのように伝えていき、興味・関心をもってもらうかといった意見も出されました。参加するだけがゴールではない。自分たちのアクションだけで完結させるのではなく、どのように協力者や理解者を増やしていくか。「いま現在」だけでなく、きちんと「将来」を見据えて活動していくことの大切さを今回のイベントで再確認することができました。
(文責:大原克彰)

憲法カフェ

2月11日(木)、大手門パルズ(山形市)の小会議室にて、「憲法カフェ」が開催されました。このイベントは、同じ場所で行われた講演会「2・11に日本国憲法の真価を確認する」(講師:憲法学者・小林節氏)の後で、講演をきいた感想や、憲法や政治に関する意見などを、参加者どうしで自由に語り合うことを目的とした集まりです。小林節氏は、いわずと知れた、「2015安保法制」反対の代表的な論客で、改憲派の立場であるにもかかわらず、安倍政権下での「解釈改憲」に立憲主義の観点から反対の論陣をはる、誠実な保守派の憲法学者です。

憲法カフェ

主催団体のひとつは、「PoF(Peace of Future)山形」。昨年の11月より、山形県内の高校生を中心に結成されたグループです。当日も2名の女子メンバーが参加していました。

本イベントへの参加費は無料、小林節さん自身はいらっしゃいませんでしたが、上記「PoF山形」の初主催企画ということもあってか、当日は多くの参加者や報道陣が会場に集まっていました。

「憲法カフェ」に先立って、大手門パルズ・大ホールで行われた講演「2・11に日本国憲法の真価を確認する」では、小林さんがTPPや原発などの話を引きあいに出し、現政権の政策の矛盾点などを指摘していました。

講演が終わると小会議室に移動し、いよいよ「憲法カフェ」がスタート。当日は、参加者が30名をこえ、非常に多かったため、基本的に30代までの参加者に優先的に講演の感想を述べてもらったあと、参加者どうしのディスカッションに移りました。

ディスカッションでは、「PoF山形」のメンバーから、選挙権が18歳に引き下げられるにあたって「誰に投票していいのかわからない」「同世代の若者たちに政治に関心をもってもらうためにはどうすればいいか」といった意見が出ました。それに対し、大人の参加者たちからは「若者だけでなく、日本社会全体がこれまで政治の話を日常レベルでしてこなかったことに原因があるのでは?」といった意見も。その反面で、参加者の中には、「PoF山形」メンバーの女子高生たちに上からモノをいう大人たちの姿も見受けられました。しかも最終的には、大人の参加者たちが一方的に若い世代の参加者たちに自分らの知識を教授するようなやりとり――学校の授業での、先生と生徒のようなやりとり――になってしまい、話がきちんとまとまらないまま、「憲法カフェ」は終了時刻をむかえてしまいました。

もう少し、参加者どうし、年齢や所属に関係なく対等な立場で議論が行えればよかったのに、というのが率直な感想ですが、とはいうものの、若者と大人が政治について議論できる「憲法カフェ」のような場があることそれ自体が、とても貴重なことだと思います。こうしたイベントはぜひ継続してほしいし、わたしたちも積極的に参加したり企画したりしていきたいと思っています。
(文責:滝口克典・大原克彰)

あーと書道&美文字教室

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天童市市民プラザで毎月第二土曜日の13時~15時に開催されている「あーと書道&美文字教室」。受講料は月1600円で、初回見学は無料です。筆ペンを使用した冠婚葬祭に使える「美文字」の書きかたや、自由な太さの線や曲線を用いて、思い思いに文字を書く「あーと書道」が学べます。

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この講座を主催しているのは、「色彩のあーと書道家」の未来(みく)さん。フリーの書道家で、個展を中心に作品を発表したり、筆文字の商品企画開発を行ったり、TV番組やイベントの題字のデザインを手がけるなど、多方面で日々精力的に活動されている方です。

今回、筆者(大原)が参加したのは、3月12日(土)に行われた講座。この日は、「あーと書道」で「御祝い」や「新築祝い」など冠婚葬祭に使える封筒書きの講座でした。

はじめに、未来さんより「あーと」な文字を書く際のコツや注意すべき点などの解説をいただいた後、いよいよ実践へ。まずは前半の1時間で、用紙に「あーと書道」の練習をしていきます。なお、初回見学の場合でも、その場で筆ペンや用紙を購入することができるので、すぐに講座への参加が可能です。筆者も筆ペンと用紙を購入し、さっそく練習にとりかかりました。「あーと書道」の場合、書き順も自由で、文字とイラストを組みわせてもOK。はじめは型通りに文字を書いてしまうクセが抜けず四苦八苦した筆者でしたが、未来さんの筆ペンの初歩的な使いかたをはじめ、懇切丁寧なアドバイスなどもあり、徐々に「あーと」な文字を書けるようになってきました。

また、未来さんはご自身の作品も練習の参考にと、受講生に見せてくださいました。文字もさることながら、可愛らしいイラストやスタンプ、紙テープなどで装飾が施されており、非常にカラフルで美しい。手にとると思わず楽しい気持ちになってくる、そんな封筒です。こうした作品などもお手本にしつつ、何度も用紙に練習。

そして14時をすぎたあたりから、いよいよ実際の封筒を用いての作品制作に入りました。封筒に文字を書き終えたら、テープやスタンプ、リボンなどで封筒をさらに綺麗にデザインしていきます。受講生のみなさんも、非常に楽しそうに封筒をアレンジしているようすでした。

残り時間がわずかになると、最後に受講生どうしで、できあがった作品の鑑賞会を行いました。丹精こめてつくられた封筒はどれもすばらしかったです。

練習から本番、鑑賞会と、あっという間の2時間。文字を書くのがこんなに楽しいなんて! 自分自身の中でも新たな発見や気づきのある、非常に有意義な講座となりました。(文責:大原克彰)

311ミーティング2016 ~ 5年目の記憶 ~

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3月5日(土)、山形市男女共同参画センター(ファーラ)にて「311ミーティング2016 ~5年目の記憶~」が開催されました。このイベントは、東日本大震災から5年が経った今、改めて当時についてふりかえり、今後どのように震災と向きあっていくのかをみんなでいっしょに考えるという趣旨のもと、行われました。参加は無料。主催は「311ボラMeeting」。被災地や支援を続ける人びと、そしてこれから関わる人びとを相互につなぐことを目的に結成された団体です。

当日は参加者どうしでのディスカッションのほか、ゲストトークとして、福島で震災を経験した方がたから当時の体験などをうかがいました。

 まず会のはじめに、参加者は4~5人程度のグループにわかれ、それぞれのグループの中で震災当時、自分はどこで何をしていたかなどを共有。筆者(大原)のグループでは、停電、断水といったライフラインが麻痺したことによる混乱、食料やガソリンの確保に必死だった話などがあがり、いかに自分たちの生活基盤が脆いものなのかを再認識させられました。

会の中盤では、福島県で被災をされた武沢さんと橋本さん、二組のご夫婦から当時をふりかえってのお話がありました。

武沢さんは、原発事故への対応をはじめ、政府につのる不信感や、彼らの言うことをただ鵜呑みにするだけではなく、本当にそれが正しいのかを自分の頭で考え、疑うことが大切だ、といったことをお話されていました。

橋本さんは、原発事故を経験して、いかに現代社会は経済をまわすことにだけに執着していたかに気づかされたということで、今後は、目先の利益よりも、資源の消費を極力おさえた持続的に成り立つ暮らしを目指すべきではないか、とおっしゃっていました。
そして会の最後には、今回このイベントに参加してみて新たに感じたこと、これからできることは何か、といったことを改めて議論。筆者のグループは、武沢さんや橋本さんのお話をふまえ、メディア・リテラシーについての話題が中心にのぼりました。

東日本大震災以降、全国各地で脱原発のデモや集会がさかんに開かれるなど、国民の意識は大きく変わってきていますが、今回のイベントでは、参加者一人ひとりの生の声を聞くことができ、地域・市民レベルでもそういった意識が変化してきているのだなあ、と改めて実感することができました。 (文責:大原克彰)

山形あづまりEXPO 2015


11月15日(日)、村山市の甑葉プラザにて「山形あづまりEXPO 2015」(以下、「EXPO」と略記)が行われました。このイベントは、未来の山形のために地域に密着している人たちが一堂に会するお祭りです。当日はご当地グルメやステージパフォーマンス、さらに県内各地のゆるキャラが結集するなど大盛り上りでした。今回は、その中のいくつかのイベントをレポート形式でご紹介します。

あづまり


■「村山産業高校又新連」徳内ばやし 

EXPOのステージイベントのトップバッターは「村山産業高校又新連」の徳内ばやしでした。ステージの端から端まで縦横無尽に動き回り、会場に明るい笑顔を振りまいていました。力強い太鼓と軽快な笛の音色に合わせた若さみなぎる躍動感のある踊りに元気と希望をもらいました。              

(文責:岩田享志)


■「べにばなレジェンド」けん玉ステージ 

「村山産業高校又新連」のステージに続いて、けん玉でまちおこしをしようと奮闘する若者たち「べにばなレジェンド」の登場です。1992年の「べにばな国体」の頃、演技を披露した小学生が二十数年ぶりに再結成。けん玉による教育活動や社会貢献活動の紹介でした。バーニックというゆるキャラもけん玉を持って技を披露したりと、会場を惹きつける楽しいショーでした。  

(文責:岩田享志)


■「HOPE」ヒーローショー

ステージイベントで、南陽市の若者グループ「HOPE」が企画・運営する南陽宣隊アルカディオンショーを見ました。アルカディオンとは、南陽市の魅力をPRするためのヒーローのことです。僕は、このEXPOで初めてアルカディオンのことを知りました。ショーは、正義の味方アルカディオンVS悪者ズグダ連合軍という構図になっており、年齢を問わずに楽しめる内容でした。アルカディオンを応援する声が、会場から湧き上がり、それが彼らの力になっていました。また、ショーでは山形弁で話されており、ズーズー弁丸出しで、会場の人たちの心をわしづかみしていました。起承転結がしっかりしており、笑いも交えて、とても楽しいひと時でした。

(文責:片桐滉斗)


■「Am遊's(あみゅ~ず)」駄菓子屋・くじ引き

南陽市の若者グループ「Am遊’s (あみゅ~ず)」の駄菓子屋・くじ引きブースを見学しました。この団体は地域のイベントに駄菓子屋を出店して、子どもたちが集い楽しく遊べる居場所づくり活動を行っています。筆者もブースで販売されていた駄菓子をいくつか購入。童心に返ったような懐かしさを覚えました。  

(文責:大原克彰)


■「HMS.works」 ものづくりワークショップ

私は庄内を拠点にして活動している「HMS.works」という団体のブースにお邪魔させて頂きました。この団体はイベントやポスター等のデザインやイラストレーターとして活動していて、今回の様なイベントでは手作りのアクセサリーやポスターなどのグッズを販売して、購入者とクリエイター同士での交流をしているそうです。今回のイベントでアクセサリー作りやラミネートカードなどを通してものを作る楽しさを知っていただきたいという思いがあるとのこと。この団体さん、話の中で表に出ないだけで結構長く活動されているというのをお聞きしました。実は自分たちが知らないだけでこういう活動をしている人たちっているんだなという発見がありました。 
                
(文責:宍戸浩介)

平成27年度 やまがたNPO活動促進大会

11月13日(金)に山形メトロポリタン(山形市)で行われたやまがた「NPO促進大会」(以下「促進大会」と略記)に参加してきました。このイベントは県内の様々なNPO活動による活動発表や県民活動に関するセミナーを通して、NPOの社会貢献活動に触れる機会を県民に提供することによりNPO活動への関心を高め、参加を促すとともに、多様な主体による協働の取り組みへのきっかけづくりを行うというのを目標にしており、 県内で活動している団体の活動紹介や表彰式、講演会や助成金の経過報告会などが行われました。

促進大会

第一部は表彰式で、県内の様々なNPO団体が表彰を受けていたのですが、なんと上山明新館の農業部の若者達がエントリーしていて、なおかつグランプリとして表彰されていました。事業名は「桑から広がる農地復興プロジェクト」。内容は震災の津波の影響により未だ除塩が進まないという状況があり、それを桑とモミガラを使って、農地の物理性、化学性を改善し、再び生産活動のできる環境にする事を目的とし、「農地復興プロジェクト」に取り組んでいるというものでした。上山と名取市は姉妹都市という事もあってこの取り組みを行っているとのこと。

NPO団体が行っているような仕事を若い世代の少年少女たちが行っているということが私は凄いと思いました。自分が知らないだけで色々な人達がそれぞれアンテナを立てて、動き始めている。自分たちも彼らに負けないよう頑張っていきたいです!

(文責:宍戸浩介)

第二部では、はじめに山形大学COC推進室コーディネーター・堀内史郎さんより「これから求められる協働とは~地域の課題を解決するために求められる、NPO・大学等の果たす役割~」をテーマに県民活動推進セミナーが行われました。

堀内さんは地域で問題解決に取り組む人々についての研究を行っており、地方都市の人口減少などが問題視されている現在、地方創生を成功させるためには地元住民と、新しい視点や価値観を有したよそ者の協働が何より大切で、さらにその二者を繋ぐ「仲介者」の存在が必要不可欠であるというお話をされました。そして、地域の魅力や問題・限界を理解でき、必要に応じて行政や企業と連携できるNPOこそが「仲介者」にふさわしい、ぜひ「仲介者」の役割を果たして欲しい、と堀内さんはおっしゃっていました。

このセミナーを通し、NPOの多様性や柔軟性を再認識することができました。

次に、「やまがた社会貢献基金」助成事業成果報告会ということで、平成26年度に「やまがた社会貢献基金」を活用して行った事業の実施状況や成果、課題の報告が行われました。

報告会では、大蔵村の「合海田植え踊り保存会」による、子どもからお年寄りまで顔の見える地域づくり事業として、小学生を対象に田植え踊りの練習会を行うなど、伝統芸能の継承や公開活動に取り組んでいる様子を報告したり、米沢で若者の学習支援や就労支援を行っているNPO法人「With優」が、若者が高齢者向けにいくつかのサービスを行う「何でも屋さん」事業の取り組みを紹介したりしました。

促進大会に参加してみて、県内各地域が抱えている問題・課題などを知ることができたと同時に、自分だったら何ができるのかを考えさせられる貴重な機会でもありました。   

(文責:大原克彰)

やまがた若者交流ネットワークミーティング 「Active」

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11月8日(日)、山形国際ホテルにて「やまがた若者交流ネットワークミーティング『Active』」が開催されました。これは山形県若者支援・男女共同参画課が主催するイベントで、県内の各地域で地域活性化などに取り組む若者や、もっと山形を盛り上げたい若者同士の情報交換、交流、連携等を進めることを目的としています。この交流会は、山形を元気にしたいと思う若者なら誰でも参加が可能。この度、『まどあかり』編集部を代表して筆者(大原)も「ぷらっとほーむ」のメンバーの若者たちと一緒に参加してきました。

交流会は事務局の挨拶から始まり、続いて各テーブルでワークショップの実践。近くの参加者と二人一組になり、アイディア創出シートを用いて山形を活性化するためのアイディアを考えました。アイディア創出シートには、それぞれ自分自身が今取り組んでいる活動や興味・関心のあるキーワードを記入し、そこからお互いに共通の問題意識や課題を抽出していきます。そして最終的に、それら問題・課題を解決するためのアイディアを記入させれば、シートの完成です。筆者は大蔵村や酒田からいらした参加者の方々と交流。

参加者の方々から、住んでいる地域の事情などを伺っていくと、地域に色んな人が集える居場所が少ない、という意見を多く耳にしました。また、交流の場として公民館はあるけど、少し敷居が高いイメージがあり、行きづらいという声も。そういったお話を元に、いかに公民館を気軽に地域の人々に利用してもらえるような仕組みを作るか、などをアイディア創出シートに記入していきました。

残念ながら時間の都合上、具体的なアイディアを完成させるまでには至りませんでしたが、お互いの地域情報を交換できたり、地域の問題・課題を参加者同士で共有することができたり貴重な時間を過ごすことができました。また、様々な活動をしている若い世代の方々と交流し、新たな人脈を築くこともできたので大変良かったです。

ワークショップの後は「輝けやまがた若者大賞」の賞状授与式があり、吉村美栄子県知事がご来場、挨拶を述べたあとに賞状の伝達が行われました。受賞した団体は、大蔵村より、農業の魅力を発信し地域活性化を図る地元の若い農業者たちによって結成された「大蔵村農業後継者の会」や、地域の民俗行事「カセ鳥」をモチーフにした特産品開発し、地域の賑わいづくり活動を行っている「上山市商工会青年部」など。

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地域を盛り上げるため意欲的に活動する彼(女)らの姿には学ぶべきことがたくさんあるなと思いました。

(文責:大原克彰)

平成27年度「山形学」講座 時をつむぐ若者たち~ともに創る山形の未来~

地域学の試み、「山形学」。今年度は、地域の担い手である「若者」をキーワードに、山形の過去・現在の活動を通して、地域や山形の未来を考えていく講座「時をつむぐ若者たち ~ともに創る山形の未来~」(以下「講座:山形学」と略記)が開催されました。そこに、『まどあかり』編集部を代表して筆者(大原)が参加してきました。講座は全6回。会場は基本的に遊学館(山形市緑町)ですが、ときおり現地学習もあり、講座内容は実に多彩です。今回はその中で、第1回から第4回までの講座の内容をまとめました。

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第1回目の「講座:山形学」は7月11日(土)に行われました。この回は現地学習ということで「つどう・学ぶ若者」をテーマに、小国町にある学校「基督教独立学園」を見学したり、南陽市のご当地ヒーロー「南陽宣隊アルカディオン」を企画・運営する若者グループ「HOPE」のお話を伺ったりしました。

講座の前半に訪れた「基督教独立学園」は、人里離れた山の中で聖書や自然を通し、さまざまなことを学んでいる全寮制キリスト教系の私立高校です。ここでは主に、在籍中の生徒さんによるプレゼンを通し、学校の概要について説明いただきました。こちらの学校ではもちろん通常の教科も勉強しますが、それ以外に炊事や園芸、牛・にわとりの世話といった生活に関わる作業も授業の中にとりいれているといいます。教科書の内容を理解するだけではなく、日々の暮らしで得られる体験のひとつひとつを学びとして捉えている点が特に興味深く感じられました。

そして講座の後半では、南陽市の沖郷公民館に移動し、そこで「HOPE」代表の加藤健吾さんによる講話や、「南陽宣隊アルカディオン」のショーを鑑賞しました。筆者が特に驚いたのは、アルカディオンは衣装をはじめショーにかかる費用を市に頼らず、すべて加藤さんたちご自身でまかなっているという点です。当然、自分たちでお金を集めることは容易なことではありません。しかし加藤さんは、ここまで活動を続けられたのは、純粋に楽しかったからだといいます。ここで市からお金をもらってしまうと、彼らにコントロールされる可能性が生じてくる。活動が制約されてしまっては素直に楽しめない。だから、たとえ苦労しようと、そこからわきあがる楽しい気持ちを失わないために、これから先も自分たち自身の力で活動していくのだそうです。行政に頼らずしてここまで活動を継続してきた「HOPE」は、市民活動のロールモデルとして学ぶべき点が沢山あるなと思いました。

7月18日(土)に遊学館で行われた第2回目の講座では、児童文学者の鈴木実さんと「ぷらっとほーむ」共同代表の滝口克典さんを講師とし、「よむ・かく若者」をテーマに講座が行われました。鈴木さんからは生活綴方時代の若者たちのお話、そして滝口さんからは「ぷらっとほーむ」での若者たちの活動を紹介していただきました。

生活綴方とは、簡単に言ってしまうと「生活をテーマにした作文」のことをさします。鈴木さんのお話によると、これは1910年代に確立されたもので、子ども・若者たちに自身の生活やそのなかで見聞した事柄、感じたことなどを文字に書きおこさせることで、自ら学び考える力を養っていってもらおうという教育実践です。戦時体制の強化により生活綴方は一度衰退しますが、戦後になって、アメリカから導入された新教育は日本にそぐわないとの批判から、生活綴方運動を母体にした生活記録運動が、若者たちの間でもりあがりを見せるようになったそうです。

 「ぷらっとほーむ」は、若者を中心とした利用者どうしが本音で語りあえる居場所です。ある事柄について、自分はどう思っているのか、どう感じているのか、フリースペースでの気軽な雑談や学びの場でのディスカッションを通し、利用者たちが自分の考えを明確化したり立ち位置を獲得したりしていく姿は、生活綴方とも通ずる部分があるのではないかと思いました。

第3回目となる「講座:山形学」は「農のしくみを創る若者」をテーマに、遊学館にて8月2日(土)に開催されました。「JA山形おきたま飯豊地区青年部」の田中俊昭さん、「アグリーウォーカーズ」の粟田幸秀さん、「農的暮らし研究所」の小松薫さんと、農業にたずさわる若者3名を講師に招き、若い世代ならではの視点から紡ぎ出される新たな農のありかたやしくみについて、お話を伺いました。

筆者はそのなかでも、小松さんによるパーマカルチャーのお話に興味をひかれました。パーマカルチャーとは、石油に依存しない農を中心とした循環型の暮らしのことをさす言葉。3.11をきっかけにエネルギー問題などに着目するようになった小松さんは、半世紀前のそういった農的暮らしぶりを現代の生活様式にとりいれようと、パーマカルチャーの活動に取り組んでいます。小松さんはその試行錯誤のなかで生まれた、地産地消の野菜を使った郷土料理教室「一汁一菜の会」や、ミニソーラーを自作して自然エネルギーについて学ぶ「ほどほど電力ソーラーワークショップ」などの取り組みを丁寧に紹介してくださいました。

「継承する若者」と題した第4回目の講座は遊学館にて8月22日(土)に行われました。今回おこしくださった講師は「鮭川歌舞伎保存会」座員の西野哲史さん、新庄亀綾織技術継承者の阿部友香さん、「青苧復活夢見隊」メンバーの高橋里奈さん、西野神楽・宮曽根神楽篠笛奏者の井戸川美奈子さんの4名。

伝統文化を継承する上での問題点に少子・高齢化があげられます。子ども・若者の数が減ってきている最中で、どのように伝統文化の担い手を見出してゆくか。例えば西野さんの場合、鮭川歌舞伎を始めたきっかけは、小学生時代に地域の年配者たちから勧誘を受け「鮭川子ども歌舞伎」に出演したことだそうです。西野さんの住んでいる地域では、若い世代と年配者との交流がさかんで、年配者を通し、子ども・若者たちは歌舞伎を非常に身近に感じながら育っていきます。歌舞伎というと、どうしても渋くて硬いイメージがつきまといますが、西野さんは大人が楽しんで歌舞伎を行っている姿を子どもたちに見せることにより、民俗芸能に対し肯定的なイメージを抱いてもらうということが、伝統文化を継承していく上で何より大切なのではないかといいます。また、井戸川さんの場合だと、西野神楽をPRするため、ゆるキャラが製作されたという事例を挙げ、伝統文化に現代的な感覚をとりいれるなど、時代に即したありかたを求めることも、ひとつの方法なのではないかとおっしゃっていました。
 
*     *     *

ここまで全4回の講座を通し、「若者と大人が世代をこえてつながりあうこと」「楽しみながら活動すること」「過去と現代、既存の文化を解体し再構築すること」などが、山形の未来を考えていく上でのヒントになりそうだと感じました。        

(文責:大原 克彰)

『ひめゆり』自主上映企画2015@やまがた のキロク

ひめゆり

「ぷらっとほーむ」では、6月20日(土)~26日(金)にかけて、山形市内の映画館・フォーラム山形をお借りして、長編ドキュメンタリー『ひめゆり』の自主上映会を行いました。
この映画は、13年間にわたって記録したひめゆり学徒隊22名の生存者の証言をおさめたもの。
上映を行うにあたって、ぷらっとほーむ内外で様々な準備・企画が進められました。
以下は、『ひめゆり』上映とその周辺で行われたさまざまな関連企画の記録です。
(*上の写真は、監督・柴田昌平さんを「ぷらっとほーむ」にお招きしてお話を伺った「柴田昌平さんを囲む会」のときのもの。)

■『ひめゆり』上映実行委員会 

ぷらっとほーむの自主上映企画、長編ドキュメンタリー映画『ひめゆり』。フォーラム山形での上映に向けてぷらっとほーむスタッフとメンバー有志で上映実行委員会を立ち上げて準備を進めています。実行委員会では定期的に集まり、上映に向けての想いの共有、チケットの薦め方など様々な話し合いをしています。

それと並行して実行委員それぞれがチケットを預かり、売ることになります。知り合い、友人にチケットを預けて売ってもらったり、飛び込みで様々なお店や公民館などにチラシ・ポスターを置いてもらったり。

その中で「チケットを買ってもらう」のはそう簡単ではないということを実感しています。自主上映でチケットを広める場合、広める側の私たちと相手の関係性が物を言うことが多いというのです。実行委員会中、よく話題として挙がったのは「常日頃、人からの誘いによく乗っている人は、いざ自分が誘う側になっても誘いに乗ってもらいやすい」ということ。普段、自分が周りの人たちとどういう付き合い方をしているか、改めて見直す良い機会にもなっていると思います。

(文責:鬼島 史織)


■『ひめゆり』事前学習会

『ひめゆり』が上映されるのを前に、沖縄戦についての事前学習会、「ひめゆり/沖縄戦入門」が、5月28日から6月18日までの毎週木曜日に、4回にかけて開催されました。

初回は「日本にとってあの戦争とは何か?」と題して、日本は「日中十五年戦争」、「第二次世界大戦」、「アジア・太平洋戦争」の、3つの戦争を同時進行的に抱えていて、様々な要因が絡んだ末に、敗戦したということを学びました。2回目は「沖縄戦とそこに至るまで」と題して、沖縄戦での日本軍の実態や、沖縄戦の被害状況などを中心に講座が行われました。3回目は「戦後の沖縄/日本」と題して、沖縄が戦後、米国にどう管理されていたか、沖縄が日本に返還された1972年に、日本では何が行われていたのかについて学びました。最終回は、「歴史修正主義」と題して、第2次世界大戦中に、日本軍が行った様々な件について、そんな事実は無かったと主張する人達がいることや、何故、「歴史修正主義」が主張されるようになったのかについて学びました。

全4回の講座に参加した感想は、何気ない日常は、戦争によって全て奪われてしまい、そして、銃口が自分に向けられた時に初めて、戦争に巻き込まれたと実感するのだろうと思いました。

(文責:大場 茂慶)


■小便小僧衣更え

山形北駅にある小便小僧の衣更えを行ってきました。この行事は今までは山形女子専門学校の方々がずっと行っていた行事だったのですが、今年から学校の方が休校になるとのことで、私たちのぷらっとほーむで引き継ぐことになったのでした。今回がひきつぎをして初めての衣装替え。記念すべき一着目のテーマは今年で戦後70周年ということで、ひめゆり学徒隊です。もんぺにセーラー服、防空ずきんを着せました。ぷらっとほーむのみんなが様々な思いを込めて作った服です。この衣装をたくさんの人に見てもらって、ひめゆりをより多くの人に知ってもらえたらなと思っています。

(文責:宍戸 浩介)


■戦後70年と映画『ひめゆり』ブックフェアについて

書店員や学校司書、読書人など、本好きな市民有志で発行しているミニコミ誌『ひまひま』の特集で『ひめゆり』を取り上げることに決まった時、沖縄はおろか戦争に対する興味も関心も薄かった。しかし、書店の現場でも何らかの取り組みをするべきなのではと半ば義務感で準備をスタートした。まずはライブラリーで映画『ひめゆり』を見た。それからいくつかの本を読み、映画を見た。ひまひまの編集スタッフから上がってきたタイトルと紹介文を「沖縄戦」と「戦後」、「戦争とは」という三つのテーマに分けてパンフレットを作り、店頭配布用とした。それらのタイトルをPOPと共に陳列。看板と映画ポスターを貼って完成。

新聞の取材を受けてフェアについて語り、身近な人に映画を紹介した。この一連の過程で自分の戦争に対する関心がどんどん深まっていくのを感じた。そして最初の自分と同じように関心の薄い人たちにどう一歩踏み込んでもらえばいいのか考えあぐねながら売り場作りを続けた。今も、日々のニュースを気にしながらこの取り組みは続いている。時間をかけて結果を待ちたい。

(文責:嵐田 詩子)


■『ひめゆり』上映初日 

6月20日(土)、『ひめゆり』が上映初日を迎えました。上映は朝夕2回。この日は監督の柴田昌平さんをゲストにお招きし、フォーラム山形にはたくさんのお客さまがいらっしゃいました。

上映後にはぷらっとほーむ共同代表の滝口さんと柴田さんによるミニトークも行われ、『ひめゆり』を制作するに至った経緯などのお話を伺うことができました。

さらに朝と夕方の上映の間には、会場をフォーラムからぷらっとほーむに移し、「柴田昌平さんを囲む会」が行われました。参加者は柴田さんとお茶をしながら、『ひめゆり』について観た感想を交えながら詳しく語り合うことで、映画についての理解をさらに詳しく深めることができました。

(文責:大原 克彰)

平成27年度「山形学」フォーラム「時をつむぐ山形の若者たち~過去・現在・未来~」

地域学の試み、「山形学」。その今年度のテーマが「若者」ということで、6月13日(土)、山形市内にある生涯学習施設・遊学館にて、平成27年度の「山形学」のキックオフ・フォーラムが開催されました。タイトルは「時をつむぐ山形の若者たち~過去・現在・未来~」。『まどあかり』編集部も参加してきました。
このフォーラムは、地域を創る担い手である「若者」をキーワードに、山形の若者の過去・現在の活動を見つめ直し、改めて山形の未来像について考えていこうというもの。

フォーラムのプログラムは大きく分けて二部構成になっており、第一部は早稲田大学教育学部教授、矢口徹也さんによる基調講演。「山形の若者~歴史的活動から未来への願いを探る」と題し、山形と若者活動の歴史について振り返り、後半の第二部はパネルディスカッションということで「時をつむぐ若者たち」をテーマに若者活動者3名をパネリストに迎えて現在の山形について議論していきます。

第一部の矢口徹也さんの基調講演では、山形の若者がこれまで地域とどのように関わり合ってきたかなど、若者と地域の関係性についてのお話をいただきました。特に興味深かったのが、江戸時代の頃、若者という存在は地域の中心的存在だったというお話。しかし明治以降の近代化に伴い、若者は学校制度に取り組まれかつての影響力を失ってしまいます。それでも特に山形の若者たちは活動的で、かの青年海外協力隊の発足などにも、山形の若者は大きく貢献したといいます。

第二部のパネルディスカッションでは、宮城県女川町で震災の復興支援活動を行っている「女川町復興連絡協議会」事務局長の青山貴博さん、若者たちの山形へのUターンを支援する「ヤマガタ未来ラボ」代表の田中麻衣子さん、天童市でネギ栽培を行っており、作付面積日本一を誇る農家「ねぎびとカンパニー」代表の清水寅さんが登壇し、それぞれが自分たちの活動の取り組みをプレゼンしました。

 「女川町復興連絡協議会」の青山さんは「還暦以上口出すな」という言葉をキーワードに、地域の担い手となる30~40代の若者が中心となって復興支援に取り組み、それより上の世代の大人たちはバックアップという立場を取ることで、住民、議会、行政、産業界それぞれの組織がうまく結束しているという事例を発表しました。

 「ヤマガタ未来ラボ」の田中さんは、Uターン支援の取り組みをプレゼン。地元に戻ろうか悩んでいる若者たちに、山形での仕事や暮らしの情報を提供することで、Uターンしやすい環境をつくっているというお話をいただきました。

 「ねぎびとカンパニー」の清水さんは、地元農業の活性化を目指す上で、人と人との触れ合いを何より大事にしていることをとても熱く語っていらっしゃいました。

今回のお話を受けて、若者はいつの時代も活動的で、地域や文化を発展させていく上で欠かせない存在であるということを再確認できました。さらに近年は若者の眼差しが山形に向きかけているということも分かり、山形に住んでいる我々は、彼らを受け入れる気風を作ることも大事なのではないかと思います。

(文責:大原 克彰)

ココロとカラダが喜ぶ魔法の料理”重ね煮”体験教室


5月31日(日)、山形市村木沢にあるお蔵「ミニチュア工房 和(いずみ)」さんで行われた「ココロとカラダが喜ぶ魔法の料理”重ね煮”体験教室」に参加しました。イベントを主催するのは井上義浩さん。自然派コーチとして様々なワークショップや講座の企画運営を行っています。

重ね煮とは陰陽論を元に食材を順番に重ね、野菜の水分だけで蒸し煮にしていくことにより食材の本来の味を最大限に引き出す調理法です。また、陰陽論とは世の中の全てのものは陰と陽に分けることができるという東洋の思想で、食材にもその考え方を当てはめることができます。陰の性質をもつ食材、陽の性質を持つ食材を鍋の中にそれぞれバランスよく並べることにより全体で調和がとれ、心と体に優しく染み込む料理になります。

重ねに

主催者の井上さんは、かつて心身共に不調に陥った時期に、知人から重ね煮の存在を教えてもらったそうです。それ以来、ご自身の食生活において重ね煮は欠かせない存在となり、この料理をたくさんの人に知ってもらいたいという思いから、今回のような市民向けの体験教室を開いて重ね煮の作り方などをレクチャーしています。

体験教室では、まずレジュメを元に井上さんが陰陽論のお話や重ね煮の基本的な知識を解説。次に、井上さんと奥様が実際にガラス鍋を使って重ね煮のデモンストレーションしてくださいました。デモンストレーションでは人参、玉ねぎ、しいたけを使った基本の重ね煮を作っていきます。使用する調味料は塩のみ。初めに鍋の底に塩をふり、そこから食材をしいたけ、玉ねぎ、人参の順番で重ね、最後にその上からもう一度塩をふりかけ、準備完了。後は蓋をして30~40分ほど弱火で煮ていくだけです。とってもシンプルな調理法。これなら誰でも簡単に作れそうです。ポイントはこの時の食材の重ね順で、陰の性質が強い食材は下に、陽の性質が強い食材ほど上にのせていきます。例えば、地面から空に向かって伸びていくしいたけのようなきのこ類は陰。地中で育つ玉ねぎや人参は陽の性質を持つ野菜類に分けることができます。調理中も参加者の方々からそうした食材や調理方法についての質問が活発になされ、井上さんと奥様は調理をしながら気軽に答えてくださいました。

そして最後は完成した重ね煮をみんなで試食。さっそく食べてみると、味付けは塩だけだというのに野菜がとっても甘いうえ瑞々しい!一口食べるたびに、ほっとするような安心感があります。さらに通常の重ね煮だけでなく、井上さんたちが重ね煮をアレンジして作ったサラダやシフォンケーキなども一緒に試食しました。重ね煮は日持ちする上、様々な料理に組み合わせることができるのも魅力です。参加者の方からも「手軽に作れるのが嬉しい」「自分もさっそく作ってみたい」との声が上がり、体験教室は大盛況のうちに終了しました。

重ねに2

重ね煮体験教室をはじめ、井上さんが主催されるイベント情報はご自身のブログ(http://ameblo.jp/wakuwakudokidokiuniverse/)で随時更新中ですので、皆さんもぜひチェックしてみて下さい!

(文責:大原 克彰)

芸工大卒展・スタディツアー

芸工大卒展①

2月10日(火)から15日(日)までの6日間、東北芸術工科大学(以下、芸工大)にて卒業/修了研究・制作展が行われました。
展示は10時~17時まで行われ、入場は無料。
連日多くの見学者で賑わいました。
そこで今回は編集部が参加した2月11、14、15日の様子をまとめ、「芸工大卒展・スタディツアー」と題して皆さまにお伝えしていきます。

まずは編集部が芸術学部の展示を見学した際の様子からご報告。
芸工大の学部は大きく分けて2つ存在します。絵や彫刻、工芸などのアートを専攻する芸術学部。
それから建築や映像、商品開発といったメディア・デザイン関係を専攻するデザイン工学部です。
芸術学部は三角屋根が特徴の本館から南側に位置する研究・実習棟を中心に展示が行われていました。
さっそく見学に立ち寄ってみると、そこには壁一面を使った絵画や版画の展示が。
色鮮やかな作品の数々。
見ているだけで楽しくなってきます。
中には卒業生が自身の作品の脇に立ち、訪れたお客さんに対して作品の解説を熱心に行っている姿が印象的でした。

工芸コースの展示スペースでは漆を使ったスマホのケースカバーなど、若い世代と伝統工芸品の距離を近づけようと試みる作品も見られ、とても斬新。既成概念にとらわれない柔軟な発想が、さすが芸工大生です。

また、本館の2階では文芸学科の展示が行われていました。
文芸は2011年度に美術科内に設立された、ライティングや編集を中心に学ぶ学科です。
今年が初めての卒展となる文芸学科は、展示と同時にカフェを運営。まったりお茶しながら卒業生たちが制作した小説などの本・冊子を読める工夫がなされていました。まるで喫茶店で本を読んでいるような気分になれて面白い。落ち着いたアットホームな雰囲気で、ついつい長居したくなってしまうような展示スペースでした。

芸工大卒展②


そしてデザイン工学部は芸術学部と反対方向の北側に研究・実習棟を構えており、編集部が訪れてみると、そこでは卒業生たちの4年間の学びの成果が論文や模型、映像など様々な方法で展示されていました。

中には学生が気軽に集まれる中心市街地構想や、独立して働く個人同士が共有できる仕事場(コワーキング・スペース)など、若者が生活しやすい街づくりの研究成果もいくつか展示されており、編集部にとって大いに興味を引かれる発案も。お客さんたちも、学生が提案する画期的なアイディアの数々に魅了されている様子でした。

さらに、本館1階では今年度デザイン工学部内に新設されたばかりのコミュニティデザイン学科の1期生の方々が、学科紹介を兼ねた展示を行っていました。
この学科はコミュニティデザイナーの山崎亮さんが学科長に就任されたことでも話題になりましたね。

コミュニティデザインは、地域をフィールドワークして作成した地域紹介の冊子など、1年間の授業の成果を展示。
1期生は「自分たちの住んでいる地域を密に取材することで、日常の様々な箇所に学びがあることを発見できた。今後ともさらに視野を広げて活動していきたい」とおっしゃっていました。

会期中は常設展示のほかにも、1日限りのイベントなどを実施。
編集部が参加した14日にはアトリエ棟にて美術科の学生が楽器での演奏とダンス、詩の朗読を組み合わせたパフォーマンスを行いました。
それまで静かだった展示スペースに突如として鳴り響く大音量に編集部もお客さんも圧倒されっぱなし! 大迫力のパフォーマンスに、非日常へ放り込まれたような衝撃を受けました。

会場ではどの学科の卒業生たちも4年間で蓄積された力を遺憾なく発揮しており、みんなのモノづくりに対する情熱がひしひしと伝わってきました。
若者ならではの視点から生まれた作品はどれも魅力的で、見学する側もとても楽しく、全体的にも非常に活気に満ち溢れた素敵な卒業展示だったと思います。 

(文責:大原 克彰)

講演会&シンポジウム 「不登校・ひきこもりを考える」

11/16(日)、山形市保健センターにて、「不登校・ひきこもりを考える」と題し、「一般財団法人人間塾」塾長の仲野好重(なかのよしえ)さんの講演会「今日はじめよう、ありのままの自分から」(第一部)と、シンポジウム「わたしたちと“不登校・ひきこもり”――どんな支援に意味があったのか――」(第二部)を開催しました。

*     *     *

第一部の仲野さんの講演会は、とても心があたたかくなるお話でした。
学校では点数や偏差値で評価されるが、数字で人間を価値づけるほどアホらしいことはないという話に、まったくそのとおりだと思いました。
人間としての偏差値なんてないのだ、ということでした。
わたしは「クローバーの会@やまがた」という不登校・ひきこもりの親の会を主宰しており、その親の会でもよく出る話題なのですが、子どもが不登校・ひきこもりになってしまうと、親は子どもを「待つ」ことが出来ずにイライラしたり、つらい思いをしたりしがちです。
仲野さんは待つことの大切さを教えてくださいました。
子どもには子どものペースがある、大人のスピードを「早く、早く」と押しつけてはいないか。
「早く」とは「待たないよ」と同じ意味があるとのこと。
これは、日本の高度経済成長と共にスピードが角一化されてきたからだそうです。
そして今もなお、そうした平均像をめざしている親、教師、学校がほとんどであることもそのとおりだなぁと感じました。
みんな一人一人違う、だからおもしろい! なのに、社会全体がそれぞれの人生の「時」を待つことが出来なくなってしまっているということでした。

人間塾①

そして、元気が出る言葉――「人生は50歳から! 50歳までは助走」「自分の人生の主人公はあなた」「一生懸命生きているからこそ考えたり悩んだり立ち止まるのだ」――もたくさんいただきました。
演題の「今日はじめよう、ありのままの自分から」のとおり、どんな姿になろうとも、何か失敗したとしても、社会から受け入れられなくても、「ありのままのあなたは大事な人」ということを若者に伝えていきたいし、「自分は捨てたもんじゃない」と思って欲しいとおっしゃっていました。

会場から 「ひきこもりの子どもをいつまで待てばいいのか? 出てくるタイミングは見ていてわかるのか?」という質問がありました、仲野さんは「それは突然やってくるかもしれないし、じわじわやってくるかもしれない、本人にもそのタイミングはわからないのです。
まわりは日々たんたんと普通に過ごして待っていてください。
飯盒で米を炊くとき、途中でふたを開けたら失敗するでしょ。
出来上がりまで待ちましょう」と答えてくださいました。
第二部のシンポジウムは、コメンテーターとして引き続き 仲野好重さんをお迎えし、パネリストには亀山勇樹さんと設楽晴子さん(不登校・ひきこもり経験者)、松井愛さん(不登校・ひきこもり支援者)、そしてそのコーディネイトを「ぷらっとほーむ」共同代表の滝口克典さんがつとめました。

人間塾②

経験者からは、ひきこもりの始まりからの心情はどうだったか、どういうきっかけでまた社会とつながろうと思ったか、どんな支援がありがたかったか、などの貴重なお話を聞くことができました。
また、支援者からは、どんな気持ちで関わってきたか、当事者に支援と感じさせない支援のありかた、つながりやすくするためにさまざまな入り口をつくっていることなど、「ぷらっとほーむ」の活動を通して感じたことをきくことができました。
そこに仲野さんの語りが加わって、とても学びが多いシンポジウムとなりました。

重いテーマではありますが、仲野さんの明るいお人柄、松井さんのユーモアで楽しい時間でした。
最後に、勇気を出して大勢の人びとの前で自分の経験を話してくださった経験者のお二人に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!


◆一般財団法人人間塾    http://ningenjuku.or.jp/
◆クローバーの会@やまがた http://samidare.jp/oya-ibasho/

(文責:樋口愛子)

「ぷらフェス」を振り返って。


はじめに 
11月2日(日)、山形まなび館(山形市本町)において、「ぷらフェス(ぷらっとほーむ発 若者文化のミュージアム)」という文化祭イベントが開催されました。
「ぷらフェス」では、山形まなび館をほぼ貸し切りにして、部屋ごとにイベントが同時進行で行われていきました。
私は「ぷらフェス」にて「歌声喫茶」の運営を担当しました。
その他にも、様々なイベントに参加しましたので、当日の「ぷらフェス」の雰囲気を伝えられればと思います。
私が、当日参加した時間系列で、イベントの紹介と感想を書かせていただきます。

フリースペース 交流ルーム② 10:00‐16:00 
「ぷらほ」の日常を体験してほしいということもあり、「ぷらほ」のフリースペースを、山形まなび館にそのままもってきました。「ぷらほ」から、畳やテーブルを運び込んでフリースペースを再現しました。
「ぷらフェス」に来られた方が、靴を脱いでお茶を飲み、お菓子を食べるなどして過ごしていました。

歌声喫茶 交流ルーム② 11:00‐11:30 
フリースペース内で、昭和歌謡曲を中心に演奏して、なおかつ、知っている曲なら一緒に合唱してもらうというのが「歌声喫茶」の概要です。
歌のしおりも作成して、フリースペースに来られた方に配布していました。
「歌声喫茶」の運営は、「ぷらほ」メンバーの植木さんと2人で行いました。
植木さんがウクレレ担当、私がキーボード、アコーディオン、リコーダーを担当しました。
最初は、一緒に歌うことに抵抗があるのか、なかなか歌ってもらえなかったのですが、「Let it go」など、聞き覚えがある曲になると、一緒に歌ってくれる方もでてきました。
そんな中、一番盛り上がった曲が、「ハッピバースデートゥーユー」だったのが意外でした。

花笠踊り 交流ルーム⑦ 12:00-12:30 
今年の花笠まつりには「ぷらほ」も参加の予定でしたが、豪雨&雷により、まつり自体が無念の中止となってしまいました。
そんな中、「ぷらフェス」で花笠踊りを披露する機会があり、参加しました。
8月以来の花笠おどりだったので、振り付けを覚えているか不安でしたが、花笠音頭が流れると身体が覚えていて何とか踊ることができました。
花笠おどりを見にきた方から拍手や掛け声などをいただき、花笠まつりの雰囲気を味わうことができました。
おどりが終わり、見に来てくれた方たちを交流ルームからお見送りしていると、年配の夫婦の方から、「とても良かったです、私も踊りたくなってきました。」と感想をいただき、花笠踊りを披露した一同は、とてもうれしく、踊って良かったと思いました。

伊吹瑠香さんトーク&ミニライブ 多目的ホール 13:00‐14:00 
伊吹瑠香さんはシンガーソングライターで、ギターを担いで、全国の不登校支援活動を行っている場所を訪ねては、そこで歌を披露する活動をしています。
そのなかで、伊吹さんが2006年に、「ぷらほ」を訪ねてくださったことがきっかけで、定期的に「ぷらほ」に足を運んでいただき、その度に、歌を披露してくれました。
この後、「ぷらほバンド」で使用されるドラムセットや、ギターを背にして、椅子に座ってのトークが始まりました。
トークでは、伊吹さんが中学生のとき、不登校を経験していた話や、今の活動をするいきさつについての話をしてくれました。その中で、中島みゆきの「糸」や、不登校をしていた15歳の時に作詞、作曲をした歌を披露してもらい、ゆったりとした時間が流れました。

ぷらフェス

ぷらほバンド ミニライブ 13:45‐14:00
トークが終わると、伊吹さんがボーカルで、「ぷらほ」を利用しているメンバーたちが、この日のために練習してきたブルーハーツの「TRAIN TRAIN」を披露しました。
伊吹さんのトークを聞いていた方たちが、そのまま観客へと変わるのですが、その中には様々なコスプレをしている方もいて、独特な雰囲気に包まれました(そういう私も、バカボンのパパの格好)。
ちなみに、隣には、マイケルジャクソンの格好をしている方もいました。
曲が始まると同時に、コスプレをしている方がサイリウムを振り始めました(サイリウムとは、主にライブで使用される、少し大きいサイズのペンライトのようなものです)。
掛け声も完璧で、歌い終わった後、伊吹さんがマイクを利用して「前もって掛け声の練習してた?」と聞くぐらい、一体感のあるライブになりました。

マイケルジャクソンものまねショー 交流ルーム⑦ 14:30-15:00 
「ぷらほバンド」ミニライブの中で、マイケルジャクソン(以下MJ)の格好をしている方がいたと書きましたが、その方は「ぷらほ」メンバーの大原さんで、このショーの準備の合間に伊吹さんのトークライブに来ていたのでした。
スーパースターだけあって、MJの認知度は高く、交流ルームは満員になりました。
大原さん本人が、この日のために編集してきたCDをかけて、「MJものまねショー」が始まりました。
30分を越えるノンストップのダンス&パフォーマンスの熱演もあって、観客からは「マイケル!」「日本のMJ!!」など歓声があがりました。
ショーが終わると拍手が沸き起こりました。

歌声喫茶 2回目 交流ルーム② 15:30-16:00 
フリースペース終了時間まで、歌声喫茶を披露する事になり、「Let it go」や「さよなら人類」などを演奏しました。
その他に、フリースペースに来られた方に、誕生月を聞いては、「ハッピーバースデー」などを演奏してお祝いしていたところ、先ほどライブをおこなった伊吹瑠香さんが、ギターの弾き語りをして「歌声喫茶」に参加してくださいました。
伊吹さんが演奏する「泳げたいやきくん」や「恋するフォーチュンクッキー」をみんなで合唱しました。
伊吹さんがギターで弾き語りをしてくれたこともあって、「歌声喫茶」は盛況の中、幕を閉じることができました。

レディオサイエンス トーク&ミニライブ 多目的ホール 17:30-18:30 
「レディオサイエンス」は、3年前に「さくらんぼテレビ」のイメージソングを担当した、男性2人組ユニットです。
山形在住の方でしたら、「Day by day by day」の歌詞から始まる曲を、耳にした方もいるのではないでしょうか? 
その後もライブツアーや、ミニライブで定期的に山形を訪れていて、何かと山形とゆかりのあるアーティストです。
そして、「ぷらほ」と様々な方たちとの縁があったこともあり、今回実現した企画でもありました。
前半は、事前申し込みで当選した方たちの質問に答えるトークショー。
後半は、ライブという構成でした。
アットホームな雰囲気の中、トークとライブが行われました。
ライブの感想ですが、人に言葉を伝える表現力があるからこそ、これだけの人が応援して、曲を聴くのだろうと感じました。

さいごに
今回、初めての試みでもあった「ぷらフェス」は、大きなトラブルもなく、無事に終了することができました。初めてということもあり、参加したメンバーからは、様々な反省点がでてきています。もし2回、3回とこの企画が続くならば、この反省を生かしていければと思います。以上が、「ぷらフェス」の参加ルポになります。「ぷらフェス」をきっかけに、「ぷらほ」の存在を知っていただければ幸いです。興味がありましたら、「ぷらほ」のフリースペース開設時間に、是非おこしください。
(文責:大場茂慶)

ぷらフェス②

やまがた蔵フェスティバル

蔵フェス

きれいな秋晴れの空が広がった10月11日(土)。
3連休初日のこの日、山形市中心街は歩行者天国となり、イベントが盛りだくさんでした。その中の一つが、〈第2回 やまがた蔵フェスティバル(以下、蔵フェス)〉。
山形市の蔵を舞台に、いろいろなジャンルの表現が集い、皆でのんびり楽しむ、温かく素敵な催しです。
昨年は共同代表の樋口さんにインタビューして『まどあかり』に掲載し、私は当日客として楽しんだのですが、今年は出演者として参加してきました。

会場となった蔵は、本町「瑳蔵」と七日町「classic cafe」。
どちらも蔵を活用したおしゃれなカフェで、落ち着いた雰囲気です。
この2ヶ所では、たくさんのミュージシャンのライブパフォーマンスや映画の上映が次々に行われました。
「classic cafe」の外の「御殿堰」でも、アコースティックライブが爽やかな音楽を街に響かせ、通りを行き交う人びとを引き寄せていました。
また、「瑳蔵」が面している「七日町一番街商店街」の通りでは、写真や絵本などの作品展示、手づくり工芸品や雑貨の販売、飲食物などさまざまな出店がずらりと並び、訪れた人たちは出店者との会話を楽しみながら、彼らの表現に触れている様子でした。

〈蔵フェス〉の魅力のひとつは、参加する上での敷居の低さだと思います。
それは客としても、出演・出店者としても 。
芸術など表現の世界において、プロフェッショナルな、高尚なものは確かに必要で素晴らしいですが、一方で身近に親しめるものも、人生を豊かにしてくれますよね。
〈蔵フェス〉は、「表現すること」をもっとたくさんの人に楽しんでもらいたい、いろとりどりの表現が出会い、また新たな表現がうまれる場所をつくりたいという、主催者の思いが詰まったイベントです。
その思いに共鳴した人たちが集まっているので、肩ひじ張らず、のびのびと参加できるし、出演・出店者同士が互いの表現を楽しめる。
そんな雰囲気なので、客も気軽にふらりと立ち寄って、のんびり楽しむことができる。

私は「瑳蔵」にて、自主制作の8mm映画を上映したのですが、スタッフも出演者も皆、「お互い様」の精神で自然に支え合う雰囲気がとても心地よかったです。
皆、他の出演者の準備片づけを手伝い、場を盛り上げ、〈蔵フェス〉運営の募金を募り、通りに立ってチラシを配って呼び込みして。
互いの表現に触れて刺激し合って、感想を述べたり質問したりという交流ができるのも楽しみのひとつ。
そうしていろんな表現の人たちが一緒に作り上げた今年の〈蔵フェス〉も、立派な一つの表現だなあ、と感じました。

昨年の会場は「瑳蔵」1ヶ所だったのに対し、2ヶ所の蔵に広がり、参加する出演・出店者も増えて、パワーアップした今年の「蔵フェス」は大成功。
来年もきっと、表現を受取る側から、発信する側に変わって参加する人が増えるのではないでしょうか。
私がそうだったように。
 
やまがた蔵フェスティバル
https://www.facebook.com/yamagata.kurafes



(文責:黄木可也子)

「旧瀧山村連合青年団の歴史」 出版記念講演・シンポジウム

 
山形市滝山郷土史研究会が地元青年団の歩みをまとめた書籍『旧瀧山村連合青年団の歴史』の出版を記念して、平成26年7月31日(木)滝山交流センターにて、記念講演・シンポジウムが開催されました。
 
山形大学 地域教育文化学部 安藤耕己准教授による記念講演は、「戦後青年団運動における山形の位置 ―主に1960年代までの山形県連合青年団と関わる人脈に注目して―」と題して行われました。
 
戦後の山形における青年団運動の実践は先駆的・モデル的な位置づけを与えられてきたとのことですが、山形における優れた取り組みを全国組織である日本青年団協議会に持ち込んだ代表的な2名のキーパーソンである寒河江善秋と須藤克三の活動を軸に、山形の青年団運動の展開を詳しく解説いただきました。
 
山形県は全国に先駆けて青年学級の県費による開設助成が市町村に対して実施され、公明選挙運動、農村における次三男対策である産業開発青年隊運動などの先進的な取り組みが活発に行われました。
 
特に興味深いのが「共同学習」の展開です。
講座型の青年学級に対して、戦前の青年学校を連想させるといった保守反動化への危惧や、経済状況による高校進学者と青年学級受講者という教育の二重構造化への懸念から法制化反対運動が起こったことなどを背景に、青年の「自主的な」学習のありかたが検討され広まったのが共同学習でした。
現在の課題解決型学習やワークショップに通じる小集団による話あい学習で、山形では無着成恭らが取り組んだ『やまびこ学校』などの生活記録などの実践も例としてあげられます。
山形では共同学習の援助者に俳人、歌人などが多く、文化的色彩をおびた特色があったそうです。
その後停滞した理由には、指導者や系統的学習の欠如が限界として生じたことなどがありました。
 
このような青年団の歴史的な背景の知識を受けて、シンポジウムではコーディネーターを滝山郷土史研究会会長 新関昭男氏がつとめ、きらり吉島交流センター所長 高橋由和氏、旧瀧山村連合青年団員 佐藤稔氏、渡辺長一郎氏、滝山郷土史研究会事務局長 鈴木真英氏によるパネルトークが行われました。
 
青年団の演劇等の活動やフォークダンスのイベントが婚活につながっていたお話など、いきいきと語られる当時の活動の様子からは結束力の強さや熱意が感じられました。
 
社会の産業構造が変わり情報化も進んで地域との結びつきが希薄となった現在の若者世代を、どう地域づくりに巻き込んでいくかという課題には、山形県川西町のNPO法人きらりよしじまネットワークの実践のお話がとても示唆に富むものでした。
公民館の指定管理化という、地域づくりにおける母体となる機能が弱まりかねないネガティブな流れに対して勝負に出たかたちで立ち上げられた、住民総出の行政に頼らない地域づくりの取り組みの背景には、吉島出身の寒河江善秋の学友などの人々が地域の若者の育成にかかわってきたという気風があり、現在にいたるまで様々なしかけで上の世代と後から来た世代をつなぎ、つながり方を教え、若者をその気にさせ、地域の歴史や文化へのリスペクトを育む取り組みがなされてきたことがわかりました。
 
かつて青年団が、行政の取り組みが不十分な面を自ら引き受け、自分たちのために行う活動が公共性を帯びていくという流れをつくっていたことを、現在とどう結びつけていくか。
地域社会で居場所を失いがちな若者世代にとって、また生涯学習に対する取り組みについても、かつての青年団の歴史から学ぶことはとても多いと感じられました。 
(文責 小林澄子)
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