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「若者活動ゼミナール@置賜」パネルトークの記録 (2014/12/14)

パネルトーク置賜①


[パネリスト]

●加藤健吾さん/杉沼歩さん「HOPE」(南陽市)
 → ご当地ヒーローとして、地域の魅力を発信する活動をしています。

●田口比呂貴さん「鶴岡市地域おこし協力隊」(鶴岡市)
 → 過疎集落で、里山暮らしのナリワイづくりの活動をしています。

●細矢江里さん「山形読書会~Yamagata Reading Club~」(山形市)
 → まちのあちこちで、読書会や地域情報発信の活動をしています。

ぬまのひろしさん「ぬまのひろし」(新庄市)
 → まちなかに拠点を構え、楽器制作・販売などの活動をしています。

[パネルトーク]

――今日は、県内の各地域でさまざまな活動に取り組んでおられる活動者の方がたに集まっていただきました。みなさんはどのような問題意識でその活動をなさっているのですか?

●加藤 「HOPE」は、もともと南陽市の若者むけ企画コンペがスタートの活動です。応募した若者たちが1年間、まちづくりについて学び、その上で企画をつくり競い合う、という企画だったのですが、そこでローカルヒーローをつくってふるさとのPR活動をしようということになりました。「南陽宣隊アルカディオン」という名前です。名称に「南陽」と入っていたりヒーローのスーツに市章がプリントされていたりするので、南陽市のおかねで活動していると思われがちですが、実際には市のおかねには頼っておらず、あちこちでヒーローショーを行って公演料をいただいたり、地元企業に現物(ブーツなど)を提供いただいたりしながら活動しています。

●田口 「鶴岡市地域おこし協力隊」として、旧朝日村・大鳥集落で生活しながら地域活動をしています。私が向きあっているのは過疎(限界集落)という現実です。でも、都会から来た若者である自分が実際にそこに住めれば、それは、里山でも人はふつうに楽しく生きていけるということの証明になる。しかもその暮らしは「ほどほど自給×ほどほど働く」。里山は、クマ猟や山菜とり、稲作など、さまざまな仕事を組み合わせて生計を立てるやりかたで生きのびてきた場所です。私はそこにインターネットなどをかけあわせ、「里山で生きる」という選択肢があるということを、都会で苦しく働いている若い人たちに身をもって示していきたいと思っています。

●細矢 「山形読書会」は、本を通してさまざまな人や場とつながることが目的の読書会です。就職して盛岡で暮らし始めたとき、職場内外に知り合いがおらず話せる人がいない状況で、たまたま「朝食読書会“Reading-Lab”いわて」と出会いました。人と話せて笑える場所が救いになり、人や街の魅力を知ることができ、盛岡というまちが好きになりました。その後山形に戻ったときに、地元でもああいう場がほしいと思い立ち上げました。読書会のように、趣味つながりで集まれる場所がまちや地域のあちこちにあれば、人はそこで自分を開放できる。たとえ仕事がダメでも、そういう場がいろいろあれば、人は生きていけると思っています。

●ぬまの 基本的に無職ですが、「生きのびるためのデザイン」に連なるさまざまな活動をそのつど行いながら生きています。現在は、現代民俗楽器としてオリジナルの楽器――自由な三味線みたいなもの、10月に完成したばかりで名前はまだない――を創作して販売したりワークショップを開いたり、といった活動に力を入れています。「何をやっている人?」と訊かれたら「カナリヤです」と答えています。炭鉱のカナリヤ。カナリヤが死んだらみんな逃げろ、というわけです。カナリヤである自分が生きのびていける余地やしくみを新庄という場所でデザインしていくことで、地元をどんな状態になっても人が生きていける街にしていきたいと考えています。

パネルトーク置賜②


――なるほど。活動の背景にあるいろんな思いを語っていただきましたが、すべてに共通して「これからの時代――地方が消滅していくと言われる時代――をどう生きのびていくか」という問いに対する若い世代からの回答という側面があるように感じられました。若い世代は、人口減少・少子高齢社会にあっては圧倒的なマイノリティ。すでに「非正規」問題など若年差別は常態化しています。そうした条件下で、自分たちが生きのびていくためのしくみを模索する――そんな共通項があるように感じます。

●加藤 私たちはだいたい24~25歳のときに活動を始め、いまはそれぞれ30歳くらいになっています。楽しいからこそ続いてきました。ヒーローはなまりで話すとか、敵役の名前も方言からとるとか、飲みの席で出てきたアイディアなんですよね。そういう楽しさを保つためには、「市のコマにならない」というスタンスが大事だと思っています。とにかく活動のニーズはあちこちにあるので、いったん走り出したらとまれない。年代があがっていっても続けるのかが問われ始めていますが、「キレの悪いヒーロー」というのもそれはそれで面白いかもしれない。

●田口 中山間地の集落は、かつては生きていくのに合理的な場所だったのかもしれない。でも、必要とされなくなったらなくなるのは仕方ないだろうなという気持ちではいます。とはいえ、そうした場所で生まれ、受け継がれてきたライフスタイルには、自分のような若い世代が自分の暮らしをつくっていく際に使えるところがたくさんある。先ほどお話した里山の多角的生存戦略というやつですね。さまざまなナリワイ――「小商い」と呼ばれる小規模のニッチビジネス――を組み合わせ、トータルで生計を成り立たせていく。あえてひとつにしぼらない。そういうスタイルが、リスクヘッジという観点からも重要になってきていると思います。

●細矢 どういう仕事に就くかといったことばかりが注目されているように感じます。でも、仕事があればそれだけで人が生きのびていけるわけではない。そうなると、家庭や職場の外で人と話せたり笑えたりする場所が大事になってきます。そんなサード・プレイス(第三の場所)がどんどん生まれていけばいい。そうした場があちこちにいろんなテーマで存在していれば、もっともっとまちが生きやすくなっていくと思います。実際、「山形読書会」には、UIターンの人が多く参加しています。サード・プレイスの豊富なまちには人が集まる、ということかもしれません。

●ぬまの 
東京に人や金を吸い寄せるチカラがますます強くなっています。巷ではアベノミクスが話題になっていますが、ずっと経済が成長し続けるわけがない。仮にそうだとしても、ヤマガタは割を食う側。だったら、自分らが生きのびていくのに国家なんか必要ない。もともと僕の地元は、山賊が出ると言われるような「奥の細道」。そこには、農や漁を営みつつ、「山賊が出る」と迂回させて最上川を舟で渡して生計を立てるようなしたたかな営みがあったと言います。要するに「半農・半漁・半賊」。そういう土地で生きてきた「まつろわぬ民」の末裔が僕です。そこには、国家に頼らずとも自立して生きていくたくましさがある。「目指せ、梁山泊!」ですよ。

――なるほど。生きのびていくためには、手づくりの、独立系の小さな居場所づくりが重要だということですね。では、いったいどうすれば、そういう場所をあちこちに多様なかたちで産出していくことができるでしょうか?

●杉沼 ここまで活動を続けてくることができたのは、ゆるく、ひろく、ムリなくやってきたからだと思っています。変にムリしていないから楽しいし、楽しいからみんな集まってくる。

●田口 拠点を複数もつのも大事だと思います。一枚岩でない、ゆるいコミュニティがたくさんある、というイメージ。そういう、ゆるくて弱いつながりのなかにいると、何かあると連絡が来る。弱いつながりの強さです。

●細矢 いろんな場所があるとして、でもその存在や情報を知る機会がありません。なので、場所のマッチング・サイトのようなものがあるといいのかなと思います。

●ぬまの メキシコの「サパティスタ」は、ゲリラでありながら、かわいいサパティスタ人形をデザインして世界中に売って資金を調達しています。自治なんですよね。僕らも自治を模索していけばいいんだと思います。

――みなさんのような「独立系の小さな居場所づくり」に資源が流れるしくみをどうつくるか、今後の私の課題にしたいと思います。おかげさまで希望のある議論ができました。ありがとうございました! (了)

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プロフィール

ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

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