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7人のヒーロー

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この原稿を書いているのは9月上旬ですが、「南陽宣隊アルカディオン」が最も忙しくなるのが、夏まつりの時期です。地域や幼児施設の夏まつりなど、この夏もおかげさまで多くの出演依頼をいただき、充実の夏をすごしました。
さてアルカディオン、お客さんの層によって人気キャラクターが分かれます。子ども達の場合、男の子はレッド、女の子はピンクといった具合なのですが、ここでクイズ。大人に人気のアルカディオンは誰でしょう?
ということで、今回はアルカディオンのキャラクターについて、簡単にご紹介したいと思います。これを読めば、先ほどのクイズの答えがわかるはずです。たぶん。



現在、アルカディオンには7人のヒーローがいますが、彼らには変身する前の名前があり、その苗字には市内の地域名を宛てています。また彼らにはそれぞれモデル(=公演時の声の主)がおり、性格や職業、趣味などは、モデルのキャラクターを誇張して設定しています。

まずリーダーのアルカレッド・赤湯タカユキから。赤湯地区出身。赤ワインが好きとか、赤湯温泉が好きとか色々あるのですが、最大の特徴は方言です。彼は訛りだけで笑いがとれる方言のスペシャリスト。この点について誇張はなく、ご当地ヒーロー・アルカディオンは、彼の方言無しでは成り立たちません。
続いてアルカブルー・宮内ケイスケ。宮内地区出身。ポッチャリ体型の彼は、クールでカッコいいというブルーの固定概念を見事に壊してくれました。しかし子どもたちは無邪気で素直。それ故に心無い言葉を浴びせられたことも数え切れません。しかしここからが真骨頂。彼はそのキャラクターに磨きをかけます。ラーメン好きの彼が、食べて太るだけではもったいないということで始めたSNS記事「ブルーの南陽ラーメン道」が大人の人気を呼び、その存在感を唯一無二のものへと押し上げました。
次はアルカグリーン・沖郷トモヤ。沖郷地区出身。水田や果樹園が多い地域ということで、実際の農家メンバーがモデル。彼はイケメンでチャラ男なんですが、農業への思いと知識はかなりのもの。誇張するまでもなく、そのままキャラクターに活用させていただきました。

これでまだ3人。与えられた文字数も限りがありますので、どんどんいきます!

続いて女性キャラですが、ご安心ください。アルカディオンはちゃんと女性が変身しています。やはりメンバーをモデルとしておりますが、男性ほどいじれず、マイルドなキャラ設定となっています。
アルカピンク・梨郷ヒデミ。梨郷地区出身。特産のオカヒジキを愛するという、無理やりな設定を入れ込んだ看護師さん。血管が浮き出る細マッチョ好きという設定が異彩を放ちます。
続いてアルカイエロー・中川アユミ。中川地区出身。モデルがママさんなので、そのままママさんヒーローに。ピンクと対比させるため、クールなイメージにしました。スカートがピンクより短めのため、旦那さんの好みということにしています。
次はスペシャルキャラのアルカシルバー・漆山マキ。鶴の恩返し伝説が残る漆山地区出身。ちなみにスペシャルキャラはモデルを無視して設定を組んでいます。シルバーには民話の語り部という設定がありますが、劇中でネタに使われたことはありません。
もう一人のスペシャルキャラ、アルカゴールド・金山ナオキ。ゴールドだけに金山地区出身。ゴールド=最強&自信家といった偏見を組み込み、モデルのキャラクターは完全無視。ちなみに戸数が少ない金山地区、すぐにモデルがバレました。地域イベントに登場すると「ナオキ!」と本名で呼ばれます。



以上、キャラクターをご紹介しましたが、最初のクイズの答え、わかりましたか? そうアルカブルーなんですね。
ただでさえ、いじりたくなるような愛されキャラなのですが、小学校の全児童の前で、ステージの上から落下するとか、南陽市長も見ているショーの最中にベルトが弾け飛ぶとか、いわゆる“持っている”男でもあります。ブルーからベルトが消えると、未来の猫型ロボットと同じお腹ですからね、見ている方はたまりません。

ということで、こんなユニークな仲間で作るアルカディオン。皆さんも会ってみたくなりません? 今度は秋まつりの出演が相次ぎますので、皆さんぜひ遊びにきてくださいね! (了)
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“お菓子”を通してつくる 親子同士がつながれる居場所

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Am遊’s (あみゅ~ず)とは?
南陽市の若者団体「Am遊’s (あみゅ~ず)」です。平成21年に南陽市教育委員会が主催した青年がまちづくりのアイディアを競い合う青年教育推進事業「夢はぐくむ故郷(まち)南陽コンペティション」に参加したことをきっかけに結成し、今年で活動9年目となります。

●親子同士が交流できる場を
市内で親子同士が交流できる機会(場)が少ないという地域の課題を見つけ出し、活動開始以来、親子の交流という視点で、一貫性のある取組みを実施してきました。多くの親子に楽しんで参加してもらえるよう、「お菓子の家づくり」や「駄菓子屋ひろば」など、親子で協力し、また、子ども自身が意欲的に参加できるようユニークなイベントを企画しています。

●お菓子を通した多彩な交流の場の創出
「お菓子の家」づくりは、毎年クリスマスの時期に開催しており、スポンジケーキで形づくった壁や屋根にチョコレートやクッキーなどのお菓子で飾り付けをしたり、いちごでサンタクロースを作ったりとオリジナルのお菓子の家を作って楽しんでもらっています。毎回定員を超える申し込みがある人気イベントとなっており、イベントの告知前からの問合せなどもあることから、市民の認知度は上昇しています。参加した子どもからの反応も良く、また、大人達が子ども達の持つ創造性に気づくことができる機会にもなっており、共同作業を通じて、親子の絆が一層強くなったと、親御さんからも好評を得ています。

また、「駄菓子屋ひろば」では、地域のお祭り行事などに併せて駄菓子屋を出店しており、地域に根差したかたちで、多様な体験・交流の場を多くの子供達に提供しています。この取組みは、「出張版」として市外に赴いての活動も実施しており、行く先々でのイベントの賑わいづくりや、親子同士の交流の機会の創出に貢献しています。

これまでの活動を評価いただき、平成26年度には山形県の「輝けやまがた若者大賞」受賞、平成27年度には内閣府の「チャイルド・ユースサポート章」を受章することができました。これからも、親子の交流の場づくりを積極的に行っていきたいと思います。

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Am遊’s (あみゅ~ず)Facebook
https://www.facebook.com/nanyoamuse/

ARTS SEED OKITAMA 2016 文化の種をまく。育てる。ひきつぐ ~BeHereNow企画 代表 菊地純~

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「ARTS SEED OKITAMA 2016」(7月15日~26日)は、おかげさまをもって無事終了した。あっという間の11日間で、多くの方に楽しかった、とのお声もいただきほっとしている。

 このかたち(複数の展示を同時期に開催してマップにのせる)で開催するのは今回がはじめてだが、大きな混乱もなく、むしろグループ展を主催するより楽だったようにも思う。それは、きちんと団体にし事務局をおき、役割分担をお願いしたからでもあるが、企画自体にも無理がなかったのだろうと思う。なにはともあれ一重に賛同し参加協力いただいたみなさまのおかげに他ならない。この場をお借りして感謝したい。一か所に負担がかかるようでは、継続が難しいのでとても大事なところだ。

 さて、大きな混乱もなくとは書いたが、まったくなかったわけでもない。具体的に言えば、展示のひとつの開催があやぶまれた。作家の連絡不足によるもので、会場にもご迷惑をおかけしたし、事務局にも対応をお願いすることになった。「ほう・れん・そう」の話だから、この企画にかぎったものではないかもしれない。アーティストであれば社会通念に疎くても許される、なんてことはないと思う。むしろ、人と違う生きかたであれば、なおのことモラルは大事だろう。フリーランスは信用第一。損をするのは作家本人なのだ。

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 前号にも書いたが周辺人口をふくめ約30万人の地方にあって、アートのマーケット、文化はつくれるのか。当企画のミッションであり、チャレンジだ。

 マーケットはそうそう増えるものではないし、むしろ年々歳々疲弊していくのを在廊するたびに感じる。正直、大きくする以前に、いかに小さくしないか、下り坂をどうゆっくりくだるかの話かもしれない。でも、それはこの地方特有の話ではないはずだ。だからこそ、文化の大事さに早めに気がついたところは将来的にましかもしれない。
 

 と、いう話をすると「地域おこし」の話に思われるかもしれないが、そこは少し違う。アートを地域おこしに利用する、それは否定しないが、本来であれば順番が違うのではないか。アートは消費材ではない。

 地域をもりあげるために、アートを使うのではなく、アートが元気に行われるような地域であるから元気なのではないか。つまり、作家、アーティストのような人種が元気に活動できる地域は、おのずと元気になるのではないか。本来、文化芸術とはそういうものではないだろうか。

 人が何に魅力を感じるか、それこそ人それぞれかもしれないが、なにより人は人に魅力を感じるものだろう。アートのよいところのひとつは色々であってよいこと、多様性を感じられることだろうと思う。色々なアートが見れ、色々な人が活動している地域は、多様性があり、魅力的ではなかろうか。地方は人口が少なく、なおかつ同調圧力が強い。であるからこそ、地方で楽しく豊かに暮らすにはアートは有用ではないか。

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 当企画は、各展示の売上から一割を当団体に寄付してもらっている。それは、自主財源となりフリーハンドで企画が行えるようにするためだ。自分たちがよいと思える、文化、地域の形は自分たちでつくり将来に残したいではないか。そういう意味で売上は多いに越したことはない。むしろ売上が立たなければ作家活動にもならないではないか。卵が先か鶏が先か。できるところからするだけか。



 よい作家やよい会場が、よい展示をつくってくれるだろうし、よい展示がよい作家やよい会場をつくる、のではないだろうか。


 置賜にも多くの魅力的な作家がいる。魅力的な場所があり、魅力的な展示がある。それが、また多くの魅力的な展示をつくってくれると思う。来年2017年の募集要項も発表になった。置賜だけでなく、県内、県外の作家のみなさまにもぜひ参加いただけたらと思う。

詳しくは、ARTS SEEDホームページ(http://artsseed.tumblr.com/)またはFacebookまで。              (2016年9月吉日)





 ②では、作家や会場のことを少し書いた。正直に言うと置賜にはそう多くの作家や会場はないように思う。もちろん魅力的な人や場所はある。だが、欲を言えば、もっとほしい。

 想像してほしい。休みの日、ぶらっと確認もせず行っても、何かしら楽しい展示をやっている、作家にもあえるかもしれない、そういう場所がもう少し、この地域にあってもよいように思う。いや、よいというよりほしい。

 いわゆる、企画ギャラリーだ。実のところ、ARTS SEED 2016の会場に企画ギャラリーはひとつもなかった。貸しギャラリーやカフェの展示スペースをお借りしたケースが多かった。もちろん、ありがたいことだし、これからはギャラリーでする展示が全てというわけではないとは思う。


 昨今、マルシェが大流行だ。少しマンネリ化して下火なのかもしれないが、県内では消えては増えしているように見える。作家側からするとマルシェは少ない経費で多くのお客さまに見てもらえるチャンスだ。運営側から見ると経費をかけずに多くのコンテンツを集められる。お客さまも楽しい。ハレの日だ。地域おこしのイベントにも最適ではないか。

 かたや、ギャラリーでの展示はどうかというと、作家にしてみると自分だけの空間をつくれるが、準備は大変だ。ギャラリーだって場所を維持するには多くの経費がかかるし、お客さまをよぶのだって大変だ。基本的にはその展示に興味がある人以外こないだろう。そこがマルシェとは大きく違う。だが、その大変さにもまして、作家にとって自分の作品をきちんとした空間で見てもらえるのは代えがたいことだと思う。お客さまにとってギャラリーはハレの日であり、非日常でなければならないが、作家にとっては日常であり仕事場だ。単発のイベントでは困るのだ。

 マルシェのよさは参加の手軽さ。ギャラリーのよさは作品のよさをより伝えられることだろうか。どちらがよいか、ということを言いたいのではない。それは、作家がそのつど選べばよいだろうと思う。問題は選べるギャラリーが少ないことだ。マルシェだけでは作品の発表の場が十分とは言えないのだ。

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 今はネット販売だってあるだろう。そういう人もいるかもしれない。僕もそう思う。だが、考えても見てほしい。既製品、プロダクト製品ではないのだ。どれを買っても基本的には同じもの。こと日本においては商品によって誤差があるなんてことは許されないだろう。そういうものはネットで買っても問題はない。スペックがわかればことたりるだろう。
 しかし、作家の作品は同じようにいくだろうか。一点一点違う、もしかするとすべて一点ものということもある。そして、何より作品の向こうには作家がいる。作家は生身の人間であり、そこから生まれた作品は、やはり生身で感じてはじめてわかることもあるではないだろうか。身体性はめんどくさい。いやだからこそ、面白い。そういう性質のものだと思う。ネットで翌日配達、では面白くない。

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 毎回繰り返しになるが、ARTS SEEDという企画は、企画それ自体が成功することが目標ではない。自分たちにとってよりよい文化、地域にすることが目標だ。ARTS SEEDはそのための手段のひとつに過ぎない。作家にしてみれば、それぞれ事情はちがうだろうが、短期的には目の前の展示が成功させることであるだろうし、中期的にはより安定的な活動やステップをひとつずつ上ることであろう、そして長期的にはその地域になにがしか還元できることだろうと思う。むしろ、その地域に何の影響も及ぼさず、また短期的な収益だけに終始するのであれば作家として成功したとは言えないだろうと思う。


 長い目で見たら、企画ギャラリーが置賜にももういくつかあるのが望ましい。ARTS SEEDを通じてつくれないかとも思う。でもまずは、そのまえに多くの準備が必要だろう。

そういうことで、勉強会を企画することにした。毎月8日(ふきん)にMIYAUCHI2632を会場にアート関連の話ができる空間を準備することにした。参加は作家に限らずアートに興味がはある人であればどなたでも大歓迎だ。むしろ、そういう人に参加していただきたい。文化は作家だけがつくるものではないからだ。             (2016年9月吉日)

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菊地純: イラストレーター。1982年生、山形県南陽市在住。家族は、妻一人、一姫二太郎、コーギー、黒猫。神話から日常まで、イラストレーションのお仕事、募集しています。企画プロデュースなども。junkikuchi.com

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ARTS SEED OKITAMA 2016 文化の種をまく。育てる。ひきつぐ ~ BeHereNow企画 代表 菊地純~

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 「ARTS SEED OKITAMA 2016」(※以下、ASO)は、今年7月15日~26日の11日間、山形県置賜地方を中心に、各所でそれぞれ開催される個展や企画展を一枚のマップにまとめたものです。展示会場が16、飲食店や博物館からの協賛参加が6、合わせて22か所で予定しています。

 美術、工芸、アート、そういったものが好きな人は、この期間に置賜を訪れてもらうと、すごく楽しいよ、という企画。

 作家にとっては、どうせ個展やるならこの期間に置賜でやったほうが広報的にも集客的にも、きっと売上的にもいい、という打算的な企画です。

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 文化、芸術などを趣味とする人は、だいたい人口の1%に満たないらしい。らしいというのは、そもそも古い統計なうえに出典もさだかではないからだ。数値はだいたいどの年代においても変わらない、と書いてあったように思う。また、この文化、芸術とは鑑賞、制作、購入などということがらや、また絵画、演劇、書道、お茶、踊りなどとジャンルも多岐に渡ったざっくりしたものだったと思う。

 さて、そのいい加減な情報をもとに、風呂敷をひろげてみよう。置賜地方はざっくり20万人ちょっと、そこに山形市などの近隣市町村、おまけに期待をこめて近県からの来客もいれ、30万~50万人が対象だとする。30万人の1%が仮に文化、芸術に興味をもっているとすると、約3,000人。また、そのうちで鑑賞、購入を趣味とし、特にアート、工芸系が好きだとなると、もっと少なくなるはずなので、ざくっと1,000人。

 今回、ASOのチラシは10,000枚刷ったので、この10分の1枚が届けばよいことになる。ただ、これまで色々企画してきたが、チラシのヒット率が1割というのはちょっと希望的かもしれない。

 もちろん、広報は紙媒体だけではなくSNSや、新聞(『山形新聞』の「ヤマガタ青春群像」でとりあげていただきました)、テレビ、ミニコミ誌などのメディア、そして強力な口コミなどもあるので、実際はもっと期待はできるのではないかと思う。

 1,000という数字は、イベントとしては大した数字ではないと思う。むしろ大風呂敷を広げた割にはしょぼい。

 しかし、一つの個展に1,000人が訪れてくれたとしたら、地方都市では結構大成功だと思うのですが、どうでしょうか。もちろん、マップにある会場を全ての人が全て回るわけないでしょうから、一つひとつの展示会の来場者数はもっと少ないでしょう。それでも、個別に単独で行うよりはずっと来場者が見込めるのではないかと、皮算用をするわけです。

 「アート」って何か。ファインアート、ネイルアート、美術、芸術、ARTとアートのちがいは? あとアーティストいうのもよくわからない。ひとによって思い浮かべるのも、感動するのも、捉え方は色々だと思うし、色々なことはよいことではないか。誰かが「これはアート、こっちはアートじゃない」なんてことはつまらないように思う。

 でも、そこであえて僕が思うアートはなにかと問えば、「これまでとは(同じものなのに)違う新しい価値観を与えてくれるもの」もしくは、「当たり前だと思っていたものを塗り替えるようなもの」かもしれません。ジャンルや作者の意図とも関係なく。「アートは問題提起であり、デザインは答えだ」なんて言うのもしっくり来る気がします。


 「文化」って何か。歴史文化、食文化、おたく文化、これもきっと沢山ある。人の営みの数ほど。いつぞや、「文化は図書館や博物館にあるもの」という答えを聞いて、ぽかんとしたことがある。それもあると思う。でも、文化は過去のものだけではなく、自分たちで育てていけるものだと思うし、そうありたい。ひきうけたり、育てたり、ひきついだり。

 よく例えで、「冬にスーパーでパイナップルを買うのは食文化ではないでしょうか」と話す。これはこれでぽかんとされたりする。雪の降る中、遠くの南国の果物を食すのであるから、それなりのコストがかかっているはずである。その、何かにコスト(時間であったり、金銭であったり)をかけるという行為が一つひとつの文化をつくるのではないか、と思うからだ。郷土料理や在来作物だけが食文化だと思っていると見誤るのではないかな、と。

 そう、綺麗で崇高なものだけが文化ではないはずだ。3,000円のコンサートのチケットはなかなか売れなくとも、平日の昼間からパチンコ屋さんの駐車場はいっぱいではないか。やっぱりよく解り難いかもしれない。そのへんの話しは受け売りなので、平田オリザ『芸術立国論』(集英社新書、2001年)をお読みいただくのが間違いないと思う。


 一年にワンシーズン、7月の後半あたり、梅雨があけたかどうか、ちょっと蒸すような本格的な夏が来る前、夏休みもはじまり、うきうきしだす季節、置賜のあちこちで展示会が行われる。どんなに雨脚が強くとも、その個展の会場内には作家が丹精込めてつくったであろう作品がならび、小さな宇宙をつくっている。だから、ASOは宇宙をめぐる旅なのだ。そういった文化はどうだろうか。僕たちと一緒に宇宙をめぐりませんか?


 そして、各会場の売上の一割を作家や会場などから寄付していただき、来年へと積み立て、主に近県の作家の招聘(お招きする)のために使いたいと思っています。新しい交流が、新しい種を置賜に運んで来てくれるのではないでしょうか。

 それは、文化の種をまき、育て、ひきつぐこと。

 僕も、参加した作家も、そして何より巡ってくれた皆さんが、楽しんでくれることが、新しい次の文化をつくっていくと思うのです。   
(2016年5月吉日)

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菊地純: イラストレーター。1982年生、山形県南陽市在住。家族は、妻一人、一姫二太郎、コーギー、黒猫。神話から日常まで、イラストレーションのお仕事、募集しています。企画プロデュースなども。junkikuchi.com

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第27回 遅筆堂文庫 生活者大学校 「地域と図書館」

「生活者の視点で自らの暮らしをもう一度見つめ直そう」という井上ひさしの提唱により、遅筆堂文庫開館の翌年(1987年)からはじまった遅筆堂文庫生活者大学校は今年で27回目を迎えました。
生活の質を高めるための手段として読書を最も重視していた井上ひさしですが、今年の生活者大学校は10月25日(土)、26日(日)の2日間にわたって、「地域と図書館」というテーマで開催されました。

1日目は開校式と、文筆家の猪谷千香さん、慶応義塾大学文学部教授の糸賀雅児さんそれぞれの講座。
2日目は編集者・評論家で「週刊読書人」取締役の山口昭男さん、農業・作家の山下惣一さんそれぞれの講座と、講座終了後の全体の質疑討論、閉校式に参加してきました。
「地域と図書館」というテーマは、1日目の講座を中心に展開されました。

猪谷千香さんは、『つながる図書館~コミュニティの核をめざす試み』(ちくま新書 2014)などの著書もあり、全国の公共図書館や地方自治などについての取材をされています。
講座では全国各地の公共図書館の様々な取り組みが紹介されました。
現在、公共図書館の新しい流れは2極化しているようです。図書館という、自治体にとって金食い虫でもある機関を経済効果を狙った集客施設として、観光資源として活用するという方向に代表される、民間企業が指定管理者として運営し全国にフォロワーを生み出した武雄市図書館のような取り組み。
一方で、図書館を地域のコミュニティ拠点として捉え、地域課題の解決や住民の交流を目的とした様々な工夫や、限られた予算の範囲内で補助金に頼らず行っている独自の取り組みなど、各地の図書館の事例が紹介されました。
いずれの方向もまちづくりとして一定の成果を上げているものではありますが、図書館の運営は長期的な視野に立ち、「『知の拠点』であると同時に『知のセイフティネット』」という図書館本来の役割を未来につないで維持していくものでなければならない、そのためには地域にとってどのような図書館が望ましいかをそれぞれの地域が考えていく必要があるとのお話でした。
 
糸賀雅児さんは、文部科学省「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の策定、改正など、国の図書館政策にも関わり、図書館情報学の研究・教育のかたわら、全国各地の図書館で経営に関わってこられました。
講座では、地域の情報拠点が支える住民自治という視点から、まちづくり、生涯学習、情報社会、地方自治と図書館の結びつきについてお話しいただきました。「まちづくり」は「ひとづくり」であり、読書の意義とは自分で考える人を育てること、子どもにとっては物語の登場人物になる経験が、相手の立場に立てる、思いやりを育てることにつながる大事な役割をはたすことなどのお話から、図書館がそのような個人学習が主体の生涯学習に欠くことのできない施設であることを強調されました。
図書館は二次情報(情報に関する情報)を扱える施設であり、情報リテラシー能力を育て、住民自治を支える「自治基本条例」を資料と情報の提供で実体化する役割があることから、図書館への住民参画の重要性についてもご説明いただきました。
具体的な図書館の取り組みについては、レファレンスサービスを可視化する工夫や、大人と子どもがそれぞれに本を読む姿を見ることができる居場所づくりについて、また、展示などについては、集団的自衛権や原発など、政治的に対立意見がある問題について、多様な意見を提示する、民主主義を育てる意識的な取り組みの事例などが報告されました。

2日目の質疑討論では、過疎の地域の移動図書館の運営や、被災地での図書館サービスのありかたについての意見が交わされ、また図書館職員の非正規化などの問題も質疑されました。
猪谷さんからは、公共図書館の司書の専門的業務は、任用止めによる人員の入れ替えではなり立たず、待遇の改善は急務であるとのご回答がありました。

閉会式では、遅筆堂文庫 阿部孝夫館長から、ある雑誌のインタビューに答えた井上ひさしの発言が紹介されました。
「図書館の魅力は各館の個性の豊かさ・専門性と、専門化した図書館相互のネットワーク化にある」というものです。
阿部館長の、「本が本当に好きな人たちで伝えていかなければならない」「図書館の司書が本を読む時間もないというのは最悪である」という言葉も大変印象に残りました。

ヤマガタにも、非正規雇用で働いている、または働いた経験を持つ司書有資格者が数多く存在します。
これからの図書館や司書の専門性を、地域や労働の問題も含めてあらためて考える場を作ってみたいと思い、勉強会を企画していますが、大変示唆に富む多くの言葉が交わされた生活者大学校でした。
(文責:小林澄子)

Book!Book!Okitama “読書と昼寝の日曜日”で まったりしてきた!

2014年6月21日から29日にかけて、9日間にわたって行われたブックイベント、Book!Book!Okitama
置賜地方の各地で、28件の協賛店による本をテーマにした企画やトークイベントが行われましたが、最終日の6月29日の日曜日は川西町フレンドリープラザにて、「読書と昼寝の日曜日」というイベントが開催されました。

置賜地方初の一箱古本市や、吉野弘の詩にもとづいた真昼の天体観測の企画、遅筆堂文庫での「井上ひさし 本の読み方十箇条」展など、本を読みたくなる、本とのつながり方をひろげるしかけが盛りだくさんでした。
紙モノ・本にまつわるグッズ市場では、ブックカバーやしおり、蔵書票、本を入れるバッグやポストカードなど、個性的で可愛い、本にまつわるモノたちが所狭しと並べられ、お店の前から動けなくなる人が続出です。
普段、文庫にブックカバーなどわざわざ着けないのですが、長井紬のはぎれを使用した手作りのブックカバーの優しい手触りにほっこりし、読書のお供にこういうのも良いかも!と新たな発見があったり。

studioこぐまさんのワークショップ「和綴じノートをつくろう!」では、紙を折って糸で綴じる作業をしながら、本ってこうしてテマヒマかけて作られたり、保存されたりするものでもあるのだな、と本という形態そのものへの愛着が湧いてきたり。
五感を駆使して本との付き合いを楽しんでいると、もちろんおなかがすいてくるので、1day cafeで地元のお店のカレーやうどん、パンとコーヒーなど色々な美味しいものをいただきました。
おなかがいっぱいになったら、また本です。
一箱古本市で、読みたかった本や知らない本に出会ったり、店主さんと趣味が合うことに内心ニヤニヤしながら会話したり、読んでいる本って人それぞれだなぁと再確認したり。
ライブ演奏やオカリナの生演奏の演出もあるなか、笑い声や話し声が響き、にぎやかでなごやかな時間が本とともに流れていく、とても楽しいイベントでありました。
川西町フレンドリープラザは、置賜地方のどの市町からもだいたい同じくらいの時間で出掛けて来ることができる位置にあり、遅筆堂文庫の堂則にあるような有志の人びとの拠点としての役割を果たしています。
本を通じて、図書館の司書さんが丁寧に本とひと、ひととひとをつないできたことが、置賜地方のまちの魅力のひとつをつくりだしていると感じました。
とにかく楽しくて、また置賜に来たい!と思った一日でした。
(文責:小林澄子)
プロフィール

ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

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