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「旧瀧山村連合青年団の歴史」 出版記念講演・シンポジウム

 
山形市滝山郷土史研究会が地元青年団の歩みをまとめた書籍『旧瀧山村連合青年団の歴史』の出版を記念して、平成26年7月31日(木)滝山交流センターにて、記念講演・シンポジウムが開催されました。
 
山形大学 地域教育文化学部 安藤耕己准教授による記念講演は、「戦後青年団運動における山形の位置 ―主に1960年代までの山形県連合青年団と関わる人脈に注目して―」と題して行われました。
 
戦後の山形における青年団運動の実践は先駆的・モデル的な位置づけを与えられてきたとのことですが、山形における優れた取り組みを全国組織である日本青年団協議会に持ち込んだ代表的な2名のキーパーソンである寒河江善秋と須藤克三の活動を軸に、山形の青年団運動の展開を詳しく解説いただきました。
 
山形県は全国に先駆けて青年学級の県費による開設助成が市町村に対して実施され、公明選挙運動、農村における次三男対策である産業開発青年隊運動などの先進的な取り組みが活発に行われました。
 
特に興味深いのが「共同学習」の展開です。
講座型の青年学級に対して、戦前の青年学校を連想させるといった保守反動化への危惧や、経済状況による高校進学者と青年学級受講者という教育の二重構造化への懸念から法制化反対運動が起こったことなどを背景に、青年の「自主的な」学習のありかたが検討され広まったのが共同学習でした。
現在の課題解決型学習やワークショップに通じる小集団による話あい学習で、山形では無着成恭らが取り組んだ『やまびこ学校』などの生活記録などの実践も例としてあげられます。
山形では共同学習の援助者に俳人、歌人などが多く、文化的色彩をおびた特色があったそうです。
その後停滞した理由には、指導者や系統的学習の欠如が限界として生じたことなどがありました。
 
このような青年団の歴史的な背景の知識を受けて、シンポジウムではコーディネーターを滝山郷土史研究会会長 新関昭男氏がつとめ、きらり吉島交流センター所長 高橋由和氏、旧瀧山村連合青年団員 佐藤稔氏、渡辺長一郎氏、滝山郷土史研究会事務局長 鈴木真英氏によるパネルトークが行われました。
 
青年団の演劇等の活動やフォークダンスのイベントが婚活につながっていたお話など、いきいきと語られる当時の活動の様子からは結束力の強さや熱意が感じられました。
 
社会の産業構造が変わり情報化も進んで地域との結びつきが希薄となった現在の若者世代を、どう地域づくりに巻き込んでいくかという課題には、山形県川西町のNPO法人きらりよしじまネットワークの実践のお話がとても示唆に富むものでした。
公民館の指定管理化という、地域づくりにおける母体となる機能が弱まりかねないネガティブな流れに対して勝負に出たかたちで立ち上げられた、住民総出の行政に頼らない地域づくりの取り組みの背景には、吉島出身の寒河江善秋の学友などの人々が地域の若者の育成にかかわってきたという気風があり、現在にいたるまで様々なしかけで上の世代と後から来た世代をつなぎ、つながり方を教え、若者をその気にさせ、地域の歴史や文化へのリスペクトを育む取り組みがなされてきたことがわかりました。
 
かつて青年団が、行政の取り組みが不十分な面を自ら引き受け、自分たちのために行う活動が公共性を帯びていくという流れをつくっていたことを、現在とどう結びつけていくか。
地域社会で居場所を失いがちな若者世代にとって、また生涯学習に対する取り組みについても、かつての青年団の歴史から学ぶことはとても多いと感じられました。 
(文責 小林澄子)
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Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
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2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
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