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「ほんきこ。」から 「Book!Book!Okitama」 までの道 ~荒澤 久美 (『ほんきこ。』編集長)~

ほんきこ

ほんきこ。」というミニコミ誌が生まれたのは今から14年前(2003年)のこと。図書館に出入りしていた20代後半の若者6人で、たった12ページの冊子を300部、すべて手作業で製作することからはじまった。ちょうど独り暮らしを始めた私のアパートで夜な夜な繰り広げられていた、実にくだらない話。そこから企画や特集は生まれた。内容は主に、仕事や恋愛、結婚について。自分が思っていること、悩んでいること(「人生相談」コーナーは人気だった)。遠くへ旅する者もいれば、自分の趣味について熱く語る文章もあった。混沌としていた「自分探し」時代である。

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もともと来る者拒まず、去る者追わずをモットーとしたゆる~い団体なので、メンバーは20名ほどに増え、内容は益々バラエティに富み特集の厚みが出てきた。と同時に、結婚や出産体験記、子育て、家族、生活について書く者も出てきた。中心メンバーが30代に入り、ライフステージが変わったのだ。私自身も結婚し子育てが始まると、冊子発行の編集や印刷に費やす時間が全くなくなった。なので、活動の中心を「読書会」に変更。担当者がテーマや場所、運営すべて段取り、誰でも回せるしくみにした。

ほんきこ。」の活動が長年続けられた秘訣は、ここにあると思う。そのときできる者が、無理のない範囲の内容ですること。20代~30代~40代では、社会的役割はさることながら、周りから求められることと、自分個人でやりたいことの割合が違う=時間の使いかたが違うのだ。だからそのときにできる範囲のことをする。そのうち、健康や介護、墓問題などの特集が出てくるだろう(笑)。


ほんきこ。」は日常のゆるい小さなコミュニティの場。それをイベント化したのが「Book!Book!Okitama」(以下BBO)である。BBOは「本」を通してひと、店、まちがつながることを目的としている。「本」のいろんな楽しみかたや可能性を見出し、置賜内のカフェやギャラリー、書店、図書館などに協賛いただくことで、私たちが住んでいる地域を違った側面から知るきっかけとなった。

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3回目のBBOが終了した昨年、今まで関わった本づくりのプロの方(装丁家、漫画家、編集者など)の原稿やトークイベント内容、書評、まちのひとの紹介などをまとめた「nda nda!(んだ んだ)」という冊子を発行した。「ほんきこ。」と大きく違うのは、こちらは冊子を購入していただくことで運営費に使用できるよう販売物として製作したこと。人間、「お金」が絡むと(笑)、「ほんきこ。(マジ)」になる。手にとってもらえる表紙デザインとタイトル、レイアウト、写真、読んで何らかの楽しさを感じてもらえるか、得した気分にさせる情報を掲載できたか、コアなひとだけでなく活字が苦手なひとにも興味をもってもらえるか・・・などなど。読者ターゲットをどこにするか、いちばん迷った。

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イベントを通して知り合った本づくりのプロの人たちとの関わりで、私の出版物製作への意識は明らかに変わったと思う。そして、発行したのはいいが、これからが本番だということにも気がついた(遅い?)。宣伝、営業、取扱店との交渉、納品、集金・・・。書店などに置いた場合、いかに目立たせたポップにするか、実行委員と知恵を出し合い、手売りをし、反応を見ながら営業をしている。伝えたいのは、BBO本来の目的と、地域からの情報発信。これから知らず知らずのうちに消えていく地域独自の文化がある。それらを残していきたいという思い。

もっぱら「ほんきこ。」よりもほんきこになって宣伝、営業、販売している私である。販売物としての「冊子」づくりの挑戦はまだ始まったばかりだ。(了)
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ほんきこ。月一読書会@うふカフェ

これまでに『まどあかり』でも何度かご紹介してきた、置賜地方でミニコミ誌『ほんきこ。』を発行している団体「ほんきこ。編集部」。本好きな若者たちによって2003年に発足し、約10年間に渡って活動を続けています。筆者(大原)自身、『まどあかり』に寄稿していただいた文章などを読みながら、実際どんな感じで活動しているのか非常に気になっていたので、この度「ほんきこ。編集部」が開催しているという読書会に参加してきました。

読書会は月に一回、置賜のカフェなどを借りて開催されており、今回筆者が参加した読書会は、10月18日(日)に米沢市の「うふカフェ」で行われました。参加者が全員が揃うと、まずはみんなで「ほんきこ。編集部」が発行しているフライヤーを折る作業からスタート。真剣に、しかし世間話などを交えながら楽しく作業しました。

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折り作業が終了すると、いよいよメインのイベント、本の紹介コーナーに移ります。「ほんきこ。編集部」の読書会は、会の担当者が毎回テーマを設定し、参加者たちはそのテーマにちなんだ本を持参します。今回のテーマは「TIME(タイム)」。一人一人、順番に1~3冊程度、「時」にまつわる本を紹介していくのですが、SF小説はさることながら、ファンタジーや恋愛小説、ミステリーなど多種多様なジャンルの本が持ち寄られました。一見「時」とはかけ離れたように見える本でも、解釈次第では設定されたテーマにぴたりと当てはまったりして、面白い。テーマを設定されると持参する本選びが難しくなるような気がしてしまいますが、そんな風に様々な解釈が可能なので、気軽な気持ちで選ぶことができます。筆者は、中学生時代に出会った本であり、自分自身が読書好きになったきっかけともいえる児童書を紹介。そこから参加者の皆さんはどのような経緯で本を読むようになったか、そのきっかけなどをお喋りしました。途中、参加者の皆さんで軽食を取ったり、お茶したりしながら最後までゆっくり、まったりと本の紹介が行われました。

本の紹介が一段落すると、最後にみんなで記念撮影。こうして月一読書会は終了しました。共通の趣味を持った人たちとその趣味を介して楽しくあれこれ語らえるって、本当に素敵なことだなあと改めて実感しました。本が好き、人と交流することが好きな方はぜひ一度、「ほんきこ。月一読書会」に参加してみてください。  

 (文責:大原克彰) 

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「若者活動ゼミナール@村山」パネルトークの記録 (2015/02/28)

パネルトーク村山①

[パネリスト] 

●イシザワエリさん「天童アートロードプロジェクト」(天童市)
 → まちなかで、アートで地域と人の魅力を掘りおこす活動をしています。

●今野透さん「ほんきこ。編集部」(川西町)
 → 地域のあちこちで、読書会やミニコミづくりなどの活動をしています。

●成瀬正憲さん「日知舎」(鶴岡市)
 → 地域の伝統文化を伝承するコミュニティビジネスに取り組んでいます。

●福田真さん「カフェフクダエン」(新庄市) 
 → 商店街でカメラマンとカフェ店主とお茶屋の3枚看板で活動してます。

[パネルトーク] 

――今日は、県内の各地域でさまざまな活動に取り組んでおられる活動者の方がたに集まっていただきました。みなさんはどのような問題意識でその活動をなさっているのですか?

●イシザワ 「天童アートロードプロジェクト」は、アートと地域の新しい関係性づくりを目指す活動で、東北芸術工科大学OB/OGの若手アーティストが天童のあちこちでアートを用いた場づくり――地域の人たちと協働でのアート・ワークショップやアーティスト・トーク、展覧会など――をさまざまなかたちで行っています。活動のなかから、いつもはなかなか気づけないような地域の魅力を見つめ直したり、年齢や立場をこえた関係性がうまれたり、といった動きがうまれています。これこそが、さまざまな領域をこえて人や資源をゆるくつなげるアートの力だと感じています。

●今野 「ほんきこ。編集部」は、本好きの若者たちが集まるゆるやかな居場所です。作家・井上ひさしゆかりの施設「川西町フレンドリープラザ・遅筆堂文庫」を拠点にしています。本を媒介に「おもしゃいごと(面白いこと)」を「ほんきこ(本気)」で楽しむ、というスタンスで2003年に始まりました。ミニコミ誌『ほんきこ。』を発行しながら、月1回の定例読書会、ブックイベント「Book! Book! Okitama!」などをそのつど楽しみながら実施しています。「来る者拒まず去る者追わず」のゆるやかさ、敷居の低さ、関わりの多様さが、私たちのコミュニティの特徴だと考えています。

●成瀬 「日知舎」は、羽黒地方の地域文化の継承のしくみづくりをねらいとするコミュニティビジネスです。私は岐阜県出身ですが、学生のときに山伏修行を行う機会があり、羽黒に惹かれ続けてきました。その後、紆余曲折を経て6年前に羽黒に移住。するとそこは、宿坊の経営難や伝承文化の後継者不在など、問題が山積でした。例えば、出羽三山はおいしい食材の宝庫ですが、採る人がいない。採らなければ株がやせ細り、いずれ山の文化がついえてしまう。これを回避するには、山の幸を流通させ、小商いや職にしていくしかない。ということで、マーケティングやデザインの発想をとりいれ、文化を継いでいくしくみづくりに取り組んでいるのです。

●福田 「カフェフクダエン」は、新庄のお茶屋・福田園の4代目である自分のオリジナルのプロジェクトで、「本物の抹茶をカフェスタイルで飲む」がコンセプトのショップinカフェです。その他、フォトグラファーの仕事も並行してやっていて、看板を複数かかげるスタイルで生きています。2001年にUターンし、ミニFMや音楽イベントなどに関わりながら、10年くらいかけて上記スタイルを確立させました。安定した雇用が乏しい田舎でも、自分のもつ能力や技術を生活の糧に代えて何とか生きていけるようなコミュニティのしくみや文化をつくっていく必要があると感じています。

パネルトーク村山②

――それぞれの取り組みからは、ヤマガタという地域のどういった将来が展望できますか? 言いかたをかえると、例の「地方消滅」論――地方はもう手遅れ、だから都会に資源を集中しよう!――にどう反論できますか?

●今野 「ほんきこ。編集部」メンバーは半分が移住者です。なぜか。地域に彼(女)らを受けとめる場所がない、ということなのだと思います。地域から浮いている感じの人にとっての避難所として機能しているわけですね。そういう機能は、これからますます重要になってきます。若い世代の人口は減っていくのに、それへの期待はどんどん増えていく。草刈りや雪かき、消防などですね。なので、逃げ場所がますます必要となっていく。とにかくたくさんのさまざまな避難所が確保されるべきだと考えます。逆に言うと、そういう場が保障されているところには、田舎であろうと人が集まる。

●成瀬 確かに、私が最初に山伏修行にきたころは、地域の若者といえば、宿坊などの後継者が多かったのですが、近年はUターンで戻ってくる若者が増えてきた印象はありますね。地域で生きようとしたときに、ひとつの職に両足をのせて終身雇用というスタイルはもう難しい。それに代わる方法として、小商いの複合という方法がある。先ほどの福田さんのお話然り、「日知舎」然りです。「日知」とは列島古代の知識人で、まつりごと(祭=政)に関わっていました。自治にたずさわっていたわけです。自治とは、自分たちで自分たちの場や仕事をつくりだすこと。私たちはこれまで、大きなシステムに自分たちを委ねすぎてきた。そのことへの反省として、ミクロな実践や営みを通じた自治の回復が試みられているのだと思います。

●福田 自治ということでいうと、お金ってその本質において地域振興券なのだと思います。自分や自分の生きるコミュニティにめぐってくる可能性のあるところにお金を使う。そういう意識をもつかどうかで、同じ金額を使うにしてもお金の巡りかたが変わってくる。こういうのも、コミュニティを守るひとつの戦いかただと思います。それと、やはり課題となるのは、ひとつの仕事、生業で生計を立てるという価値観だと思います。自分も以前は、副業や二足わらじはよくないと思っていましたが、若い人たちと活動を通じて知り合い、いろんなスタイルと出会ううちに、自然とそう思うようになりました。なので、何をしているかわからない人、分類不可な人って大事です。意味不明な人たちを既存のカテゴリーをあてはめるのではなく、寛容に受けとめる。そういう地域にしていけたらと思っています。

●イシザワ カテゴリーということで言うと、私たちの多くは、既存の組織や制度に枠づけられた縁でしかつながれていないところがあって、だからこそ、アートのような趣味の縁でつながることの新しさや面白さがあるのだと考えています。一方で、地域の人びとには「商品化できる水準に達していないと、とても表には出せない」という思い込みが深く根をはっています。実際には、地域のふつうの営みの中に面白いものや美しいものはたくさんある。それをわかってもらうには、実際に発信してみてそれに対する反応を受け取ることのできる場が必要です。「天童アートロード」然り、そういう互いの顔の見える場が地域にもっと増えていけばと思います。

――なるほど。活動は、自分たちの居場所づくりであると同時に、自治の取り組みでもあるわけですね。その観点で、これからの課題は何でしょうか。

●イシザワ 先ほどのカテゴリーの件ですが、それは何も地域の人たちだけの課題ではなくて、私たち活動している側の課題でもあると思います。「そういうカテゴリーで見てほしくない」と思ってはいても、代案が出せていない。まだまだ言葉が足りていません。成果の出しかたや伝えかたの工夫が必要だと感じています。そこが課題でしょうか。

●今野 「ほんきこ。編集部」の強みは、その弱さ――弱さを出せる場であること――だと考えています。弱さを出せるとは、マイナーでマニアックな趣味、こだわりを出せる、そういう弱さをわかちあえる場や関係性がそこにあるということです。肝は、聴く側のちからやかまえ、ゆるさにあると思います。そういうものを地域全体でどう担保していくかが課題ですね。

●成瀬 そういう弱さを肯定も否定もせずに居場所を与えるのが「変わり者」という語彙だと思います。それにより、あちこちの変わり者が集まり関わりあうことができる。異文化どうしのシャッフルを簡単につくれるわけです。これは、都会にはない田舎ならではの強みだと思います。

●福田 田舎のせまさや小ささの強みは、全体を見渡せる、俯瞰できるということだと思います。そうした俯瞰視点にSNSを組み合わせれば、あちこちで視界に入ってくる動きや可能性の芽を可視化させ、加速させていくということが可能になる。これこそがヤマガタの先進性だと思います。

――自分たちがどんな武器を手にしているのか、まずはきちんと自覚する必要があるようですね。またどこかで、この続きができたらと思います。(了)

本と人を愛するすべての人へ ~ 「ほんきこ。編集部」 今野 透

ほんきこ。編集部」とは、ミニコミ誌『ほんきこ。』を発行している団体です。
「ほんきこ」は置賜地区の方言で「本気」のことです。
そんなネーミングとは裏腹に、平成15年に本好きな若者たちが立ち上げてから10年とちょっとの時間をマイペースに過ごしています。
来る者拒まず去る者追わずの姿勢で多くの人が出たり入ったりしながら、その緩やかな関係性や参加する人々の多様性を楽しみつつ、自分たちが面白いと思うものには本気になって活動している集団です。

現在の活動内容は、『ほんきこ。』の発行と「月イチ読書会」が柱となっています。
 『ほんきこ。』は、エッセイや小説、イラスト、詩などのスタイルを問わず、自分たちの関心があることを気ままに綴っています。
テーマを決めて原稿を募ることもあれば、雑談で盛り上がった内容を対談風の記事にまとめることも。
そうかと思えば、出産や育児のあれこれや旅行記を書く人もいて、編集長いわく「ごった煮冊子」。
バラエティに富んだ内容はまさに何でもありの「ごった煮」状態です。
発行に当たっては、そのすべての作業を自分たちで実施しています。
原稿執筆はもちろんのこと、編集、校正、印刷、製本、配布。
作業が多いことから、関わる人も自然と多くなります。
その中には原稿を書くのが得意な人もいれば、製本に力を発揮する人も。
また、読書側として関わる人もいます。その関わり方の多様さや懐の深さもこの団体の特徴です。

ほんきこ。①


 「月イチ読書会」は、その名のとおり毎月実施している読書会。
毎回、幹事が「旅」や「いきもの」「人生楽しく」といったテーマを決めます。
参加者はテーマに沿った本(小説、雑誌、写真集、マンガ等ジャンルは問わず)を持ち寄り、その内容や選んだ理由などを紹介し合います。
会場は置賜にあるカフェ等をお借りして、美味しいコーヒーやスイーツを頂きながら。
読書会の面白さは、自分が手にしないような本を知ることや本を通して参加者の人となりに触れることだと感じます。
毎回、新鮮な刺激があり、一気に見えている世界が広がることもあります。
参加者は10代から50代くらいまでと幅広く、『ほんきこ。』同様に多様な人が集まる場所になっています。
また、「ほんきこ。」では、これまでに様々なイベント企画も行っています。
去年は9日間に渡る大規模なブックイベント「Book!Book!Okitama」を開催しました。
本を媒介にまちと人とお店をつなぐ機会づくりを目的として、装丁家等によるトークイベントの開催やたくさんのお店に協力してもらい、それぞれのお店の企画として店主お気に入りの本を飾ったり、絵本に出てくる料理を再現した特別メニューを提供したりしてもらいました。
またメインイベントとして「読書と昼寝の日曜日」(一箱古本市・紙もの市・ワークショップなど)を開催し、本にどっぷりとつかる濃厚な一日を創りあげました。

「ほんきこ。」を一言で表せば、「本を媒介として、面白いことを本気で楽しむ若者が集う居場所」。文化的な活動を基軸とした緩やかなコミュニティとも言えます。
年数を重ねてきたことで冊子『ほんきこ。』の内容がライフステージ(仕事・結婚・出産・子育て等)に沿っていく傾向にあります。
この居場所が長く続いていき、今のメンバーがじいちゃんばあちゃんになってもお茶飲みが出来る場になれたら良いなと思っています。
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インタビュー:「場」をつくる人びと(1)活字文化の居場所づくり~松沢久美(ほんきこ。編集長)

6月に置賜地方を舞台に、はじめての広域的なブックイベント「Book! Book! Okitama」が開催される。
その仕掛け人である松沢久美さん(ミニコミ誌『ほんきこ。』編集長、川西町立図書館/遅筆堂文庫・司書)に話を聞いた。

■「Book! Book! Okitama」とはなにか 

――「Book! Book! Okitama」とはどんな企画ですか?

6月21日から29日にかけて、置賜地方の各地で同時多発的に行われるブックイベントです。
「本をネタに遊んでみようよ」というコンセプトで、米沢や高畠、長井など、置賜各地の28件の協賛店で、その期間中に何かしら本につながる企画を実施してもらいます。
「よりみちブックイベント」という名称で、地域のあちこちをめぐってもらえたら、と思っています。

――例えばどんな協賛企画がありますか?

例えば、カフェであれば、そこで本につながるメニューを出す、みたいな感じですね。
ちなみに12のカフェが協賛店になってくださいました。

――他にはどんな催しが行われますか?

本にまつわるトークイベントを開催します。
第一線で活躍されている装丁家・桂川潤さん、置賜在住の漫画家・関口シュンさん、そして置賜在住の若手作家・池田将友さんをお招きして、「本」や「活字」をテーマにお話を伺います。
29日には、フィナーレ企画として、本にまつわるワークショップや企画展などを行いつつ、置賜ではじめての「一箱古本市」を開催します。

■活動基盤としての「ほんきこ。 

――「Book! Book! Okitama」の概要を伺ってきましたが、何の前提もない場所で、突然こういった企画が可能なわけではないですよね? そういう意味で、この広域ブックイベントの背景としては、松沢さんたちのこれまでの『ほんきこ。』編集部での活動がたいへん大きい意味をもっているのではないかと思っています。そこで、次に、『ほんきこ。』の活動について伺いたいと思います。『ほんきこ。』の概要を教えてください。

 『ほんきこ。』は、いまから10年以上前、当時20代後半だった私が、同世代の仲間たちといっしょに創刊したミニコミ誌です。
男3人女3人の計6人が当初のメンバーでした。
当時の自分は、まだ職場(※川西町フレンドリープラザ。その施設内に川西町立図書館ならびに遅筆堂文庫がある)に勤めはじめのころで、家と職場の往復という毎日につまらなさを感じていたんですね。それで、何か面白いことができないかと思ったわけです。
さいわい、フレンドリープラザは、井上ひさしさんゆかりの文化施設ですので、おもしろい人たちがたくさんやってくる。図書館の窓口でそういう人たちと日々接している中で、彼(女)らどうしをつなげたらおもしろいことになるな、と思ったんですね。

――ミニコミの活動って具体的にはどんなことをするのですか?

基本的には、仲間で集まってお茶のみをする場です。
お茶をのみながらおしゃべりして、それぞれが思ったことや考えていることなんかを文章につづって、それをもちよって簡単な冊子をつくるんです。
冊子も、自分たちで印刷したり製本したりするわけですが、そうやって実際に集まって、にぎやかにおしゃべりしながら作業を進めていくんですね。
最初の2年くらいは月刊で発行していましたが、その後、メンバーが増えたこと、誌面の質を重視するようになったことなどから隔月刊となりました。
当時は、15人くらいのメンバーで、各号ユニークな特集を組んで、多いときには800部くらいを刷っていました。
中心メンバーがアラサーで、比較的集まれていた時期だったというのが大きいですね。

――どんな特集を組んでいたのですか?

例えば、「置賜ノーソン・リアルライフ」とか。メンバーたちのある1週間の消費行動――具体的には、その1週間のすべてのレシート――を赤裸々にさらす、という企画ですが、これはかなりおもしろかったですね。
あとは、「夏休みの課題図書」を選定して紹介する企画とか、置賜各地のシュークリームの食べ比べ企画とか。
とにかく、バカバカしいことばかりやってましたね。
バカバカしいことをまじめに追求する。
ミニコミの本質って、要するにそういうことなんですよね。
ちなみに、「ほんきこ」というのは、置賜の方言で、「本気で」とか「まじめに」とかいう意味の言葉なんですよ。

――なるほど。現在、『ほんきこ。』は何号まで出ているのですか?

54号ですね。
実をいうと、現在は発行のペースがだいぶ落ちているんです。
というのも、中心メンバーが30代半ばにさしかかるころから、次第に、頻繁に集まることが難しくなってきたんですね。
そこで、活動の中心が、ミニコミの制作・発行から、本をネタにしたコミュニケーションのほうに次第に移っていきました。
それが「読書会」です。

――「読書会」では何をやっているんですか?

参加者それぞれが決められたテーマに即したおすすめ本をもちより、紹介しあうという会です。
月1回のペースで、毎回の担当者を決めて回しています。
担当者がそれぞれ置賜各地のいい雰囲気のお店を見つけてきて、そこを会場に「読書会」を開いていきます。
要するに、「読書会」の準備・開催というかたちで、地道に置賜各地のカフェや文化施設とつながり、今回のブックイベントの「種まき」をしていたようなところがありますね。

■背景文脈としての「遅筆堂文庫」  

――『ほんきこ。』の活動についてお話しいただきましたが、そもそも「ミニコミの発行」という形式を採用したのはどうしてですか?

私は図書館の司書なので、地元・置賜の郷土資料などにもよく接するのですが、そこにミニコミ誌がたくさん収められているんですね。
私たちの前の世代が若かりし頃にミニコミを活発につくっていたようで、それがすごくおもしろそうだと思ったんです。

――確かに、置賜はかつて、青年団など若者たちのコミュニティ活動が活発だった地域ですね。現在も南陽市などでそうした青年文化をリバイバルさせようという動きがありますが、そうした通奏低音が『ほんきこ。』にも流れ込んでいるということなんですね。

ええ。
実際、活動を始めると、職場の上司たちがものすごく協力的に応援してくれたんです。

――松沢さんの職場の「遅筆堂文庫」ってそもそもどういったものですか?

私たちのひとつ上の世代に、遠藤征広さんという方がいて、彼らが井上ひさしさんから蔵書の寄贈を受けることになり、それを「遅筆堂文庫」という図書館にしたんですね。
さらにそこに劇場ホールと町立図書館が組み合わさって、川西町フレンドリープラザという文化施設になったわけです。
それで、その「遅筆堂」ができるときに、井上ひさしさんから「堂則」を贈られたんですね。
この「堂則」の存在が、私たちのあらゆる活動の基礎になっていると思っています。

――「堂則」にはどんなことが書いてあるのですか?

かいつまんで言うと、ここはあなたがた「有志の人びと」の「陣地」であり「聖地」であり、「砦」であり「居場所」である、とあります。

――わくわくする言葉ですね。でも、ただ空間があるだけでは、そういった「場」にはなりませんよね。どんな工夫をして、そこを「陣地」や「聖地」、「砦」や「居場所」として機能させているのですか?

人が集うところって、楽しい刺激がありつつも、どこかでホッとできるというような、相矛盾する二つの要素が同時にあるような場だと思うんですね。
本だけ――刺激だけ――があっても人は集まらない。
そこに、人と人、人と本とをつなぐ誰かがいてはじめて、そこが「場」となっていくんだと思います。
私がこれまでやってきたのって、要するに「つなげる」ということなんですよね。
「つなげる」には、つなぎたい双方をよく観察し、それぞれの話をよく聞き、両者に共通するキーワードを見つけるのが肝心。
これって、編集そのものですよね。
だから私、編集って人に興味がないとできない仕事だと思うんです。

――最後に何かありますか。

本や活字って個人個人が孤独に楽しむもの、と思われてきました。
でも今は、それらがリアルなコミュニティを立ち上げるための媒介として成り立つ時代です。
せっかくだから私は、活字というジャンルを使って、地域の文化の力の底上げをしたいと思っています。
おもしろそうと思ったあなた、ぜひ遊びにおいでください。  
             
――ぜひみなさん、「Book! Book! Okitama」にどうぞ。    (聞き手:滝口克典)

いまこれ@置賜 事例発表動画③ほんきこ。

2014年1月11日に、米沢市すこやかセンターで開催した
「やまがたの若者のいまとこれから@置賜」での事例発表の様子を動画でお届けいたします!
続いては、置賜地方全域で活動している、ほんきこ。さんです!


2014年3月1、2日に開催する
「実力養成!若者活動講座」へのご参加、お待ちしております!

「やまがたの若者のいまとこれから@置賜」無事終了しました!

1月11日(土)、米沢市すこやかセンターにて開催した「やまがたの若者のいまとこれから@置賜」、無事終了いたしました!
ほんきこ。02

当日はお足下の悪い中、24名(村山からは10名)の方にご参加いただき、大変盛り上がりました!
前半の事例発表の様子をレポートします。

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「やまがたの若者のいまとこれから@置賜」参加者募集!

置賜地方で活動する若者団体の事例発表をもとにした、事例検討学習会を開催します!
〈若者の居場所づくり活動パワーアップ講座
 やまがたの若者のいまとこれから@置賜

ぷち研修会@置賜チラシ_1_カラー

〈日時〉1月11日(土)14:00-17:30
〈会場〉米沢市 すこやかセンター 第1会議室
    〒992-0059 山形県米沢市西大通1丁目5−60
*定員30名 
*申込締切:1月8日(水)
      お名前、所属団体(あれば)、ご連絡先をメッセージください。電話、FAX、メールでも受け付けております。

○*○こんな人にオススメです!○*○
◆なにか若者同士での活動を始めたい人
◆活動をしているけれど悩みがある人
◆若者ってどういうことをしているか知りたい人
◆新しい人と繋がりたい人

ぜひお越しください!


=====〈事例発表団体〉=====

特定非営利活動法人 With優(米沢市)
 フリースクールを中心とした、どんな子どもも大人も自分らしく生きていけるような地域社会づくり!

studioこぐま(小国町)
 休校舎を拠点に活動するアーティスト集団!芸術と文化のプラットフォームを目指す!

ほんきこ。(置賜地方全域)
 本と人を愛するミニコミ誌制作や読書会など、言葉の表現でつながる人たちの居場所づくり!

おれまか(高畠町)
 「若者によるまちづくり」をコンセプトにキャラクターや音楽・コスプレ等のイベントで町を元気に!

==================

〈申込・問合〉NPOぷらっとほーむ 
       〒990-0041山形市緑町4丁目10-3 ファートンビル3階A
       Tel&Fax:023-664-2275  
        E-mail:hodohodokayako@yahoo.co.jp(担当:黄木可也子)

〈主催〉NPOぷらっとほーむ 「若者の居場所づくり活動支援事業」(山形県村山総合支庁から受託)

フェイスブックページはこちら





やまがたの若者のいまとこれから@置賜 開催します!

置賜地方で活動する若者団体の事例発表をもとにした、事例検討学習会を開催します!
〈若者の居場所づくり活動パワーアップ講座
 やまがたの若者のいまとこれから@置賜

ぷち研修会@置賜チラシ_1_カラー

〈日時〉1月11日(土)14:00-17:30
〈会場〉米沢市 すこやかセンター 第1会議室
    〒992-0059 山形県米沢市西大通1丁目5−60
*定員30名 
*申込締切:1月8日(水)
      お名前、所属団体(あれば)、ご連絡先をメッセージください。電話、FAX、メールでも受け付けております。

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(置賜地方)ほんきこ。 の荒澤久美さんにインタビュー!

置賜地方で、ミニコミ誌発行や読書会などの活動を続けるグループ「ほんきこ。」の代表、荒澤久美さんにインタビューしてきました!

仲間とともに文章での表現の場を立ち上げ、今年で11年目となる「ほんきこ。」。
置賜地方へのUIターン者の定住率を上げた要因として、地域になかなか馴染めない若い人たちの受け皿として「ほんきこ。」が機能してきた事実もあります。

ゆるやかに、しなやかに、活動を引っ張ってきた荒澤さん。興味深いお話がたくさん聞けました。
詳しいレポートは後日アップします。
プロフィール

ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

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