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「若者活動ゼミナール@最上」パネルトークの記録 (2014/06/28)

パネルトーク最上①

[パネリスト] 

●大沼洋美さん「studioこぐま」(小国町)
 → 山村の休校舎を舞台に、地域アートの活動にとりくんでいます。

●奥山心一朗さん「てつがくカフェ@やまがた」(山形市)
 → まちなか公共施設にて、市民が自由に語れる場づくりをしています。

●佐藤博孝さん「kitokitoマルシェ」(新庄市)
 → 旧蚕業試験場跡地にて、月1回の手づくり市を開催しています。

●齋宮征博さん「アニソンクラウド」(酒田市)
 → 港町のあちこちで、アニソンのクラブイベントを開催しています。

[パネルトーク] 

――今日は、県内の各地域でさまざまな活動に取り組んでおられる活動者の方がたに集まっていただきました。みなさんのご活動はいったい「何」につながっていくのでしょうか? 活動を通じて、みなさんが目指す地域の将来というのはどのようなものですか?

●大沼 「アーティスト」の側と「地域」の側のどちらにとってもよい状況をつくりたいと思っています。アーティストにとっては、彼(女)らが住んだり暮らしたりできるような地域をつくる。そうすることで、地方で生きるアーティストを増やしていきたいと思っています。一方で、地域がアーティストを受け入れることで、そこに外の視点が入り、地域の側にもよ   い変化が生じます。多様性があるということはイノベーションの条件だと思っています。

●奥山 私たちが考えているのは「消費されないもの」をつくりたいということです。流行りものではなく、根本的なものをつくりたい。そのために、私たちは「当たり前」を疑ったり、問うたり、語ったりできる場づくりをしているわけです。その上で目指しているのは、ほんとうに大事なことが何なのかをフラットに語ることのできる場があちこちにあるような地域です。もちろんそれは、自分たちだけでできることではありませんので、できれば、私たちのやりかたをいろんな人たちに使ってもらって、あちこちで「てつがくカフェ」を開いてもらえたら、と思ってます。「何かしたい、けど何から始めていいかわからない」みたいな悩みは誰もが抱えていることと思いますが、「自分はこう思うんだ!」を言葉に変換できるようになれれば、誰かと協同することができ、何かが始まっていくでしょう。

●佐藤 地域の現場というか、顔と顔の見えるつきあいに価値を感じています。なので、これからも、身近にある現場の価値に焦点をあてていけたらと思っています。同じことをやっても、それを「どこで、どんな人がやるか」で、その意味や結果は違います。決して同じことはおきないわけです。野菜だって、自分の住む/生まれた街でとれたものか、よそでとれたものかで、見えかたはまるで違います。だからこそ、この場所の地域性や歴史性、それらをとりまく関係性などを大事にしながら活動していきたいと考えています。

●齋宮 ひきつづき、酒田のアニメ(アニソン)好きの若者たちの居場所づくりをやっていきます。その延長線上で、酒田におけるサブカルチャーの発信拠点をつくっていけたらと思っています。酒田の街を舞台にしたアニメやマンガとか、アニメ・マンガ等を用いた酒田の街のコミュニティ・ビジネスとかですね。そういうコンテンツが「聖地巡礼」なんかにつながれば面白いですよね。「アニソンクラウド」をひとつの母体に、いずれはそういう独自の価値を生み出していきたいと思っているんです。

――なるほど。いろんな野望や展望を語っていただきましたが、それにはさまざまな資源(仲間、おカネ、協力者、専門技術、資材などなど)が必要かと思います。自分たちの活動のために、そういう資源をきちんと確保するにはどうすればよいでしょう? そもそも、これまでどんなふうに資源を手に入れてきましたか?

●大沼 私たちの場合は、行政(町)から「人件費」として月50000円の予算を与えられています。「休校舎の利活用コーディネーター」という名目で、事業費はありませんが、光熱費無料で学校を使わせてもらっています。月50000円なら、他の仕事もしながらギリギリ暮らせます。地域に余所者が入り込めるスキマをつくってもらえたことがありがたいです。町とつないでくれたのは、母校の東北芸術工科大学です。

パネルトーク最上②

●佐藤 拠点となっている「新庄市エコロジーガーデン」は市役所に「いいね」と言ってもらって使わせてもらっています。元養蚕試験場だった場所ですね。施設の交流拡大プロジェクトがあって、いくつかのNPOで共同運営しているんです。そこに「kitokitoマルシェ」発起人の吉野が入り、相談にのってもらってマルシェが始まった。助けてくれる人たちが出てきたんですね。

●齋宮 私たちの場合は、特に行政とのカラミはありません。ハコ代などの必要経費は、参加者からの収入――1人2000円――でまかなっています。やはりどうしても会場費がかさんでしまうので、活動できる場所や拠点があると助かる、という感じですね。空き店舗などを使わせてもらえるようなしくみや助成金などがあると助かります。

●奥山 私は、山形市本町の交流施設「山形まなび館」と共催で、音楽のワークショップを開くということもやってきました。「てつがくカフェ」でも同様です。場所的にはそれでOKで、あとはお茶代や資料代の名目で参加費をいただいています。

――今後、「こういう資源がほしい!」というような希望はありますか?

●奥山 自然といろいろな人が集まれるような、さまざまな機能を備えた施設ですね。生涯学習の拠点になるような。イメージとしてあるのは、仙台市にある「せんだいメディアテーク」。よく利用するのですが、あそこは間口がとにかく広い。地域振興とか文化活動とかにとどまらない、本当にさまざまな活動が動いている場所です。利用者目線でいうと、どんな企画をもちこんでも柔軟に対応してくれる場所、という感じですね。

●佐藤 「新庄市エコロジーガーデン」もそれに近い使いかたをしたいですね。歴史的な建物なので耐震等の課題はありますが、いろいろな団体が入ることで、若者たちの活動拠点になっていく可能性は大いにあります。

――行政が何らかの活動に予算をつける場合には、積算の根拠となるカテゴリーや位置づけが必要です。もしこの4団体が共通して使える公共施設をつくるのだとすれば、その設置の根拠としてどんなカテゴリーを設定すればよいのでしょうか。そのときに、4団体とも広い意味での文化活動ですので、「文化活動の拠点づくり」として制度的な位置取りを確保していくという方向性でなら協働したり共闘したりしていけるかもしれない。そんな気がするのですが、いかがでしょうか?

●大沼 文化関連の事業というと、「ハコモノ」や「ゆるキャラ」などをつくって終わり、という印象があります。それでは不十分だと思います。もっと人と人、人と資源とをつないでいくような、実質的に意味のある取り組みが大事だと思っています。

――なるほど。言われてみれば、みなさんは「人と人とをつなぐ/人と資源とをつなぐ」ことの専門家であるわけですよね。いわば、文化活動のコーディネーター。この稀有な能力をどう地域で生きている人びと――とりわけ、行政――に理解し、納得してもらうことができるか。文化活動のコーディネーターに人件費がつき、持続的な活動に安定的に取り組めれば、その人のいる場が「文化活動の拠点」になっていく。目指すべきは、そういう風景でしょうか。

●大沼 もしそうなった場合には、行政とプレイヤー(文化活動のプレイヤー)の間に、両者の異なる言語をうまく翻訳できる人が必要となるでしょう。「文化活動のコーディネーター」に必要なのは、この翻訳能力。なので、さきほどのしくみをつくれるかどうかは、翻訳者をどう育てていけるかにかかっていると思います。                  

――議論が深まりましたね。興味深いお話、ありがとうございました。 (了)
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“わからないこと”と向きあう ~てつがくカフェ@やまがた~ 奥山 心一朗

わからないことに
かかわれなく
なってきた。

それはまずいとおもうのです。この一文にたとえば、、、
(1) ある事柄について、すでに知っていることとして、それ以上考えない状態。
(2) ある事柄について、一定以上理解せずには、動けない状態。
(3) ある事柄について、自分とは関係がないこととし、関わりを持とうとしない状態。
などが含まれていて、そして、どの状態もとても固く、まずいことのように感じるのです。
-------ミルフイユ06 「わからないことに かかわれなく なってきた。」序文より

インターネットの普及により、SNSなどで個人と個人が常時接続されている状態が当然のようになっている現在。
“つながり”が過多なゆえに、それぞれが本来感じているはずの些細な疑問が見過ごされているような気がしている。
目前にある“わからないこと”を避け、一見、明快でクリーンな(ように見える)情報に、スムーズに事が運ぶように強いられているような状況があるように思えてならない。
“わかりやすさ”の居心地の良さゆえに、我々は思考を無意識に止めて“問う”ことを放棄してしまっているではないか。
たしかに、わかりやすい世界は自分の理解の範囲内ゆえに整合性が取れているような錯覚にとられてしまう。
“それ”は“そういうもの”だという「自明」であることを疑い、“それ”を自身の側へと近づけることが、私たちがこれからを考えていくために本来は大切なことではないだろうか。

てつがくカフェ@やまがたは2011年の12月にスタートして、これまで11回開催してきた(平成26年4月末現在)。
“東日本大震災”、“大人になるということ”、“ふるさとについて”、“facebookってどーよ?”など、テーマは多岐にわたる。

普段疑問に思っていたことだが、改めて他人と話し合う機会もなかったという事柄を取り上げ毎回10名程の参加者で対話を重ねてきた。
自分とは異なる意見と向き合い、自分自身の考えの解像度を上げていく哲学的対話は、参加者の“気づき”につながっていると、自身も参加者の一人として感じている。
また、対話の前段階である“一人になって考えること”も対話と同等に重要であり、てつがくカフェのもう一つの目的でもある。
それは“わからない”ことに向き合い“問う”という思考を実装することにより、ますます生きにくさを感じざるを得ない世の中を、手探りしてサヴァイヴするための一つの方法論だと思う。

先に引用したせんだいメディアテーク発行の「ミルフイユ06 わからないことに かかわれなく なってきた。」において、哲学者でせんだいメディアテーク館長の鷲田清一氏は文中でこのように書いていた。

“たいせつなことは、わからないけどこれは大事と見定めることができること。そしてそのわからないものに、わからないまま正確に対応できるということです。”

*「哲学カフェ」とは、参加者らがお茶を飲みながら「哲学的な対話(議論というよりも、話す/聞くを、丁寧に積み重ねてじっくり考えていくこと)」を通して“問い”に向き合ってみるというもの。
参加者間での会話が促進されるように、社会的な役割関係をいったん解除し、フラットな関係のもとで進められる試みである。
一九九〇年代にフランスの哲学者マルク・ソーテがパリのバスティーユ広場にある「カフェ・デ・ファール」で始めたのがきっかけとされている。

てつがくカフェ@やまがたは月1回のペースで山形市内にて開催。

てつがくカフェ@やまがた ブログ 
http://tetsugakucafeymgt.blog.fc2.com/

(山形市)第7回てつがくカフェ@やまがた が開催されます

11月2日(土)に、第7回目となる「てつがくカフェ@やまがた」を開催します!
お茶など飲みながら、テーマについて自由に話し合って多様な視点や考えに触れてみませんか。
てつがくカフェロゴ3
今回のテーマは【あなたからみた山形国際ドキュメンタリー映画祭】です!
ファシリテーターは私、黄木が務めます。お時間とご興味のある方はぜひいらしてください*

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プロフィール

ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

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