スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

まどあかり について

やまがた 若者の居場所の 
まどあかり

 山形県内を眺望すると さまざまな形や大きさの窓が見えます。

 そのむこうに灯る いろんな明るさ またたき 色をした それぞれのまどあかり。

 どんな人がともして 大事に守っているのでしょう。

 あかりが照らす そこに集う人々と 窓のむこうに広がる居場所とは

 いったいどんなところでしょうか。

 コンコンとノックして 少し中を見せてもらいました。



***このブログについて***
 

続きを読む

スポンサーサイト

[アート篇] アートをめぐる人々の声の記録 山田正一郎(夜間美術大学 主宰)

前号では、「アートへの支援」をテーマにした7月と8月の勉強会の様子を紹介しました。

その後に行った9月29日の勉強会では、『アートプロジェクト:芸術と共創する社会』(水曜社、2014年)の第7章《企業×アートプロジェクト》内の対談「なぜアートプロジェクトの支援なのか」(加藤種男×北村智子、272〜292頁)をテキストに読書会を行いました。
テキストは、企業によるアート支援をメインテーマに、なぜ企業が文化芸術を支援するのか、まちにとってのアートプロジェクトの意義とはなにか、などが議論されています。以下に主なポイントを紹介します。


○工芸

・工芸作家の参加者 → ワークショップをする時のこだわり=絶対に使えるものを作ってもらいたい。日常のなかに持って帰り、身の回りに置いてもらうことで、自分で美しいものを発見できる美意識を持つきっかけにしてほしい。


○アートプロジェクトと地域

・アートプロジェクト → 地域の外から人を呼び込む観光資源としての側面が強い場合も。必ずしも地域の課題を解決するものにはならない。

・一方で、アーティストは地域のなかに入っていくことが上手。まちにとってのよそ者が、地元の人々と共に地域の課題の解決を目指すことは大切。


○アートがもたらすもの

・対談では、市民活動や住民自治の再構築の手段としてアートが捉えられているが、手段としてだけというのはさびしい。
・アートに関わることによって、自分を見つめる力が上がる。

そのような力は市民活動をするうえで必要。市民活動が活発になることで芸術的な活動も展開しやすくなる。


---------------------------------------------

夜間美大2



10月17日には、「夜間美大@ぷらフェス」が開催されました。

「夜間美大@ぷらフェス」は、「ぷらっとほーむ」主催の文化祭イベント「ぷらフェス」(会場:山形まなび館)のなかの一コマとして行われ、来場者の方とのやりとりの中から山形人にとっての「アート」とは何かを探ることを試みました(@交流ルーム1、下の写真)。
会場ではアンケートを用意し、様々な方からご協力いただきました。今後展示の企画などの参考にしていきたいと思います。
以下でアンケートの回答の一部を紹介します。

○アートにたいしてどんなイメージを持っていますか? もしくは、あなたにとってアートとはなんですか?

・他人に見せようとして作るのもアート。自分だけの満足のために作るのもアート。何がアートかは見た人が決めてくれる。(税理士/60代男性)

・自分の内面の状態を客観的に見られるもの。(療養中/30代女性)

○アートに対して求めるものはなんですか? もしくは、どんな展覧会やアートイベントに参加したいですか?

・絵画や工芸品など、分野を問わない展覧会があると色々な作品が見られて、よりアートを身近に感じられそう。(店員/20代女性)

・ハンドメイドのイベントを見に行くようにしている。


☆また、会場では、「古い着物をバッグにリメイクしている。観たり聴いたりするより自分で作る方が楽しい」という方や、「白鷹町に住んでいるので、近くにある白鷹町あゆーむによく行く。催し物をいつもやっているイメージがある」などのやりとりがありました。

来場者の多くは、それぞれ身近なものとしてアートを楽しんでいる印象を受けました。


******


山形新聞(2015/3/25)によれば、2014年の山形県の調査では、文化芸術に対する県民意識が10年前に比べ大きく減退している状況が示されている、とされています。

自治体においては、より積極的な文化政策が今必要とされています。

一方で、近年では参加型のアートイベントが増え、社会のなかで「アート」の位置付けが変化しています。

また、スマートフォンなどの普及により音楽や映像作品などの視聴がより気軽に、断片的になり、若い世代など一部の人びとにとってアートは「鑑賞」するものというより、日常の一部になりつつあるように思います。

そうしたなかで、その人にとって「アート」とは何なのかを捉えようと常に努める必要性を感じます。

夜間美大3


また、交流ルーム9では、夜間美大メンバーの作品展示を行いました(上の写真)。出品者は、大沼洋美(写真)、町田至(彫刻)、山田正一郎(絵画)です。次回はもっと大きな作品も展示できたらいいなと思っています。

まちづくりは人づくり OGP-大石田元気プロジェクト-  代表 高橋陽介

たかはしようすけ

私たちは、「大石田の元気を新発見・再発見」をコンセプトに、2012年1月に地域おこしサークル「OGP -大石田元気プロジェクト-」を立ち上げ、食を通したまちづくりを行っています。大石田町の郷土料理「にぎりばっと」を復活させて、ご当地グルメとしてイベント出展を行い、大石田町のPR活動をやっています。

 立ち上げたきっかけは、2012年に私が初めて参加した山形県青年交流事業での出会いでした。私と同い年で、地元・最上町で活動していた彼は、地元の地域おこしのために音楽フェスを企画していました。その当時の私にとって彼の出会いの衝撃は大きく、「同じ年なのに、オレは何もやれてないな」と痛感しました。そこで、大石田町では、初となる地域おこし団体を立ち上げる決意をしました。
 初めは、大石田町には何があるだろうか?と地域資源を探すことから始めました。ある時、メンバーの1人が、母親から「昔、そばを丸めておつゆに入れて食べていた」と教えてもらいました。それをたどっていったら「にぎりばっと」に出会いました。それから、地元の80代のおばあちゃんから、にぎりばっとの由来と作り方を教わりました。
 「にぎりばっと」は、昔、麺にしたそばは献上品で庶民の人は食べれませんでした。それを庶民の人でもどうにかして食べようとして、にぎっておつゆの中に入れたのが由来です。にぎって指のあとをつけることと、ご法度がなまって合わさり、「にぎりばっと」となりました。
私たちは教えてもらった「にぎりばっと」を「大石田にぎりばっと」として、まちおこしをすることにしました。

イベントでの出展では、「大石田にぎりばっと部from OGP」として、野球部をモチーフに出展を行っています。私たちは、食を売っているわけではなく、地域を売っているということを大切にしています。あくまで、「大石田にぎりばっと」は、大石田町をPRするための1つのツールでしかありません。たくさんの方に、大石田町を知ってもらって、大石田町に来てもらうということが大事だと考えています。
そのために、最近はPRパフォーマンスにも力をいれています。パフォーマンスガールズ「すいか娘。」を結成しました。来場者に、そばはもちろん、スイカの名産地・大石田町をさらに知ってもらえれば嬉しいです。
 さらに今年、「大石田にぎりばっと」の紙芝居を東北芸術工科大学の学生から製作してもらい完成しました。町内のお店や保育園で読み聞かせを行っています。「大石田にぎりばっと」の歴史をたくさんの方々、次の世代に繋げていきたいです。

 昨年から地元に根ざした活動として、「大石田そばシリーズ」を開催しています。町内外の親子を対象に、そばの種まきから刈り取り、そば打ちとにぎりばっと講習会を行うそばの栽培イベントです。そばの栽培だけでなく、陶芸教室や染色染め体験などプラスαがあり、参加者に楽しんでもらえる内容にしています。大石田町のそばの在来種「来迎寺在来」の伝承と、世代間の交流、大石田ファンの開拓をテーマにし、昨年度やまがた若者チャレンジ事業の採択を受けて開催し、今年で2年目になります。
 この事業では、社会福祉協議会、次年子窯、北村山高校家庭クラブ、そば道楽の会とさまざまな団体と連携しています。特に、北村山高校家庭クラブ・そばガールズは、スタッフとしても関わってくれています。

にぎりばっと

まちづくりは人づくりです。高校卒業後、大学に進学して地元を離れてしまい、そのまま就職して地元に帰ってこないことが多いです。学生時代にいろんな人達と出会って、地域での楽しい体験をしたことがきっかけとなり、まちづくりに興味を持ち参加してくれる人を増やしたいと考えています。そういった子が一度地元を離れたとしても、山形には何にもないではなく、これがある! おもしろい人達がいる、と言ってほしいです。将来、Uターンするきっかけとなってくれたら嬉しいです。
「こうなったらいいなぁ」「こんなのあったらいいなぁ」とよく聞きますが、そういった理想は思っているだけでは叶いません。理想を叶えるためには、自分で行動するのが一番の近道です。一歩を踏み出すことは不安も多いけどその一歩を踏み出すと自分の世界が変わっていきます。仲間ができます。自分だけだとできないことも仲間がいると実現できます。最初の一歩を恐れず踏み出してほしいです。

 活動をやっていて、「いつまでやるの?」とまわりからよく聞かれます。まちづくり、地域活動に期限はないと考えています。ただ、始めるのが早いか遅いかだと思います。子どもができてPTA活動だったり、消防団として活動したりするのも立派な地域活動です。活動をやっていると、普段仕事をやっていて出会うことのない方々と出会えます。さまざまな活動や職業の方の話を聞いて関わることで、自分自身の視点や視野が広がっていきます。そして、いろいろな土地にたくさんの仲間が増えていきます。これから、たくさんの人たちにまちづくりの楽しきを伝え、まちづくりに参加する人を増やしていきたいです。
 人と人とのつながり、仲間はお金には変えられない財産です。これからゆく人たちにもお金じゃないたくさんの財産に出会ってほしいです。(了)

[置賜篇] 「With優フェス」開催! 堀 仁美 (NPO法人With優 若者支援専門員)

with優ふぇす


少し前の話になってしまうのですが、今年With優では、初めての文化祭「With優フェス」を開催しました。今回は、その時のお話をしてみたいと思います。


そもそもWith優で、なぜ文化祭をやったのか。まずは、そこを少しご説明します。

ことの始まりは2年前。With優で運営している「居酒屋 結」でトレーニングしていた若者の1人が、もともと音楽の道を目指していたという話を聞きました。彼は就職が決まり、「結」でのトレーニングを卒業。一緒に頑張ってきた仲間たちに、自身で作詞作曲した応援ソングを届けたいと言います。そこで初めて、「結」を会場に、ライブイベントを開催しました。その流れで、翌年もライブイベントを開催することになります。その時は「結」の近くにあるライブバーを貸し切り、彼だけでなく、フリースクールの生徒1名とサポートステーションの利用者1名も弾き語りを披露してくれました。そのライブイベントの延長が、今回の「With優フェス」です。

With優フェス」は、フリースクール卒業生によるトークセッションと、生徒・利用者によるステージ発表の2部構成で行いました。また、ステージ発表のほかに、利用者が作った雑貨やアクセサリーの展示・販売もしました。With優関係者にしか広報しませんでしたが、出演・出展は全部で30名ほどになり、100名近くの方が遊びに来てくれました。


今回の「With優フェス」を企画・運営してみて、自分を表現したい・見て欲しい・知って欲しいという若者の多さに驚かされました。特に、今回参加してくれた若者は、不登校だったり、引きこもりだったり、人間関係でうまくいかなかったり、仕事が続かなかったりと、何らかのつまづきを経験している人が多かっただけになおさらでした。

私自身、つまづきを経験している若者たちは人前に出ることを嫌がるのではないだろうかと、どこかで決めつけてしまっていたところがあったように思います。それは私だけでなく、なんとなく一般論として、そう感じている人が少なくないのではないでしょうか。
それはどうやら、全く逆だったようでした。確かに、With優で関わる若者の中には、学校や家庭、職場などで失敗経験を繰り返し、自信を持てなくなってしまったり、人前で自分を表現することに消極的になってしまったりしている人が多いように感じます。その一方で、そうした若者の多くが、自分の可能性や才能を発信でき、それを認めてもらえる場を求めているようでした。トークセッションの時、フリースクールを卒業した女の子が送ってくれたメッセージです。


これまでは、自分の狭い世界に閉じこもって、同じことでひたすら悩んでいました。

With優に来て、自分という存在を認めて、受け入れてもらえるということを知り、ずっと、満たされなかった思いが満たされたときから大きく変化しました。

自分が足を踏み出すか、踏み出さないか。失敗してもいいから挑戦しようと思えるか。

自分が今、生きているのは、これまで出会った方々のおかげです。人との出会い、そして、繋がりを大切に。


自分を表現したい、認めてもらいたい。誰もが持っていて当然の欲求ではありますが、With優で関わる若者たちもそうした思いを抱えているということを再認識できたことは、私にとって大きな気付きになりました。
安心できる居場所があり、失敗しても良い環境があり、頑張りを認めてくれる仲間がいること。それが、どんな若者にとっても大きな力になっていくのだと、この「With優フェス」を通して改めて感じています。それでも、今はまだそうした居場所や仲間に出会えていないという人も、きっといるのだと思います。みんなが誰かとつながって、ありのままの自分で、笑顔でいられる場所。1人でも多くの人が、そんな居場所を手に入れられるよう、活動を続けていきたいと思います。

=================================================

プロフィール
堀 仁美(ほり ひとみ)
NPO法人With優 若者支援専門員。山形大学人文学部卒・
山形大学大学院社会文化システム研究科。酒田市出身。

「人材」とは「人財」なんです。 花屋伸悟


私事なのですが、最近、NPOに絞って論を展開すると、何というか、窮屈さを覚えることがあります。もちろん、活動内容の特性から見ると、「市民活動」という点で他の領域とは別に捉えることができるのですが、NPOに集う「人」に焦点を絞ってみると、それは団体のミッションに共感・賛同して集まった人たちであること以外には、他の領域の人たちと何ら変わりない一市民であり、そんな彼らを特別視することは、偏見の様でどうも心苦しく思ってしまうからです。NPO法の施行から10数年が経ち、NPO・市民活動が私たちにとって身近な存在になってきたからこそ、それを分けて論じることが難しくなってきたのかもしれません。とは言え、その様にして身近になってきた、というのは、私は良いことだと思っています。

これはNPOに限ったことではないのですが、世の中というのはどうしても、新しい物事や変わった取り組みに注目が集まるものです。でも、それも社会を構成する要素の一つ。身近なところに目を向けてみると、既存の組織体に所属して、社会を支える一人として地道に目の前の事柄に取り組んでいる人々もまた、地域にとって何ものにも代え難い財産であり、私はそんな彼らの事も見落とさないで欲しいな、と思うことがあります。実際のところ、最近は公私ともに自分と同じ世代の人たちとやり取りをすることも増え、これから、彼らと何らかの形で仕事をして行く事が楽しみでもあります。とりわけ、NPOの領域において県内では、その構成員の高齢化を危惧する声が聞こえます。もちろん、中には解散という選択肢もある訳ですが、実際のところ、団体によっては階層はともあれ、若手の職員なり、メンバーはいるものです。願わくは、多世代が互いに尊重し合いながらより良きパートナーとして、将来へとつないで行って欲しいと思うのです。

NPO法人制度は、社員10名が必要で、しかも法人の認証を受けるまでに2ヶ月の縦覧――市民の目に触れる――期間があることなどから、設立までにとても面倒な法人形態である訳です。しかし、その向こう側には、「社会課題の解決のために市民参画が図られるよう、合意形成を大切にしてくださいね」というメッセージが込められていると、中間支援NPOの若手を対象にした研修で解説されたことがありました。

世の中キレイごとだけではやって行けないものですが、私たちNPOの領域では、特定の個人のための組織ではなく、そして、営利や政治といった既存の既得権益に囚われずに、あらゆる人々を尊重する中で合意形成を図り、市民からの信頼によって継続的に運営されていく。敢えて、そんなキレイごとを言い続けて行きたいものだなぁと思っています。


--------------------

p.s.
合意形成を図るための手法として、よく耳にするものに「ファシリテーション」がありますが、この他に「サーバントリーダーシップ」という概念もあります。ワタシはこの後者の方がシックリくるので、ご紹介まで。



■プロフィール 花屋伸悟 (はなやしんご)
1984年、山形市生まれ。東北公益文科大学卒業後、フリーで多様な業界を経験。また、地元の気のあう仲間同士でグループをつくり、さまざまなアクティビティをしている。NPO・市民活動には3.11を機に深く関わるようになり、現在の本職はNPO中間支援。山形市在住。

震災ボランティアの現場から 多田曜子(311ボラMeeting 代表)

続きを読む

展覧会 「てんてん展―道草の向こう―」 のご報告 イシザワエリ

イシザワさん3

少し肌寒さを感じる11月15日、天童市美術館の1階フロアで「てんてん展―道草の向こう―」(以下「てんてん展」と略称)が開催されました。会場で最初に出迎えてくれるのは、天井からのびる長さ3メートルはある巨大な切り紙のカーテン。中に進むと、霜降りのお肉の絵画、また、天童市田麦野地区のそれぞれのご自宅で祀っている「屋敷神」を地図に配置したボードが展示されています。さらには、高擶地域のお寺の日々の活動をカルタにしてまとめた展示スペースなど、ジャンルを超えた様々な作品や活動の成果が並んでいます。そして、その間を子どもたちが楽しそうに走り抜けていきます。普段の美術館では「静かに作品を鑑賞する」、「触ってはいけない」などのルールがありますが、この展覧会は、わちゃわちゃして、笑い声が響く賑やかな空間となりました。2週間の会期中に、980名の方にお越しいただきました。

イシザワさん4



「てんてん展」は、「天童アートロードプロジェクト」(以下「アートロード」と略称)の1年の成果発表の場です。「アートロード」は、立場や世代をこえた様々な人たちが出会える場をつくること、アートの視点を通して地域の魅力を再発見する機会をつくることを目的に2012年から活動しています。

イシザワさん5


先ほど紹介した切り紙のカーテンは、天童市内の放課後等デイサービス(*1)「Harmony」(*2)に通う男の子の遊びからはじまりました。「Harmony」で造形の活動を行っている羽陽学園短期大学の講師・樋口さんがこの遊びを見て、「これを大勢でやったらどうなるだろう」と思い立ち、公民館から老人ホームまで7か所以上の場所に出向き、小学生からお年寄りまで多くの方に作っていただいたものを1つにつなげた大作です。このように展覧会では、子どもからお年寄りまで様々な年代の方に出展してもらい、ひとりひとりが主役になれるような会場づくりを目指しました。これまで美術を専門に学んだことのない人でも、自分の好きなことやできることを大切にして、常に創意工夫を重ねている方たちを「たがやす人」と呼んで、メンバーとしています。

また、10月から高擶地区、田麦野地区、長岡地区などで、ものづくりを通して地域の魅力を発見するワークショップを開催してきました。会場では活動の様子を紹介したり、こどもたちが制作した作品の展示を行ったりもしました。

イシザワさ6


1年の集大成であるこの展覧会を経て、いくつか感じたことがあります。1つは、出展者の方の心境の変化です。これまで数名のコアメンバーだけで、全体の準備などを行ってきましたが、今年は展覧会に入る前から何度も地域の方たちと話あう場をつくり、展覧会をつくりあげてきました。メンバー同士の関わり合いの中で、「美術をもっと気軽に楽しんでいいんだ」と感じ、その心境の変化をマンガで表現した方もいました。また、これまで見る側として関わってくださっていた方が、作品を出展してくださるようになり、さらに友人にも声をかけ、団体で出展してくださいました。「てんてん展」を「チャレンジの場」ととらえ、ひとりひとりが「会場を使いこなそう」という意欲であふれているのを感じました。

もう1つ感じたことは、人と人とがつながる場としての展覧会の意義についてです。「てんてん展」の会期中には、イベントとしてものづくりワークショップの活動を行います。パステルを使った絵葉書づくり、大人も楽しめるバラの折り紙づくり、天童市で生産されている将棋駒の廃材を活用したものづくりなど、様々な活動を同時に開催しました。イベント日は、多くの親子連れで美術館が賑わいました。中には、去年も参加してくれて「今年も絶対行く!」と1年越しに楽しみにしてくれていた小学生もいました。会場では、活動に関心を持ってくださる方、出展者の知人同士など、来場された方たちで自然と会話が生まれ、新しいつながりが生まれていました。普段の生活では出会うことのない人たちが出会い、交流がうまれるのも「アートロード」の展覧会の特徴になってきています。
こういった活動は、実生活とは直結しないように思えます。しかし、出展者の方から「活動の中での人との出会いが次の活動の活力になっている」という話をもらいました。また、出展された作品たちは、日々の生活の中で感じる疑問や興味関心から生まれています。みなさんが楽しみながら探究し続けている姿を、今回多くの方に見ていただけたと思っています。

誰かから押し付けられる「アート」ではなく、ここにいるひとりひとりの生活から「アート」は生まれている、そのことを改めて感じます。「アート」を媒介として様々な人たちが出会い、ゆるやかにつながっていく。このような場が地域の様々な場所で育まれるようにこれからも活動を続けていければと思います。

最後に、会場に足を運んでくださった皆様、どうもありがとうございました。


(*1)放課後等デイサービス
…障碍のあるこどもたちが、学校から自宅に戻るまでの間、様々な活動を行い、集団生活とひとりひとりの生活の自立を支援する場。

(*2)一般社団法人青葉の杜Harmony
…天童市久野本にある放課後等デイサービス施設。ここでは小学生から高校生までの子どもたちが利用している。

草の根のチカラ 大場俊幸(山形LOVE飲みッ!発起人)


らぶのみ


「山形LOVE飲みッ!」って聞いたことがありますか?

まちコン? それとも婚活パーティ? 今日は、僕らの街で起きている、ちょっとしたムーブメントを紹介したいと思います。

2011年、東日本大震災によって世の中には自粛ムードが漂い、日本の未来はどうなってしまうんだろうと不安に駆られるような時世に、二人の若者が出会い、地域の将来について語りました。志ある学生や主婦、社会人、誰しもがしがみなく、オープンに、フラットに集まれる場をつくりたい。山形LOVEな人がつながれば、新しい何かが生まれるかもしれない。「人と人とのつながりを通じて山形を元気にしていこう!」、それが、「山形LOVE飲みッ!」のはじまりでした。

Facebookを通じて呼びかけしたところ、あっという間に50人近い人が集まり満員御礼。同じ思いを持つ人がこんなにもいるのだということに驚きました。それから半年に一回のペースで開催を継続。設定したテーマに応じたゲストをお招きし、参加者は毎回100人以上。これまで計9回、延べ約900人が参加した、県内最大級の草の根交流会になりました。今では、趣旨に共感してくれた仲間が集まり、20人以上が実行委員として会を運営しています。

東京で集まる100人と、山形で集まる100人では、その重みが全く異なります。山形では、友達の友達が友達だった、というのはよくあること。地方のコミュニティは狭く、とかく人と人がつながりやすい。それは、ローカルだからこその強みでもあります。そして、会を安定して継続させていくことで、ある種の社会基盤(インフラ)としてのコミュニティになると僕は思います。

しかし、草の根のイベントがなぜこれほどまでに大規模で継続していけるのか。その原因を、「仲間」と「時代背景」の2つの視点から分析してみます。

一つ目の「仲間」について。あんなことをしたい、こんなにいいアイディアを思いついた、でも自分ひとりの頭の中でどんなに考えていても、何も生まれてきません。どんなに優秀な人でも、一人の力には限界がある。考えを行動に移し、人に話すことで、共感を呼び、仲間ができ、可能性はどんどん広がっていく。あなたがもし何かしたいと思ったら、まずは、同じ志を持った仲間をつくることです。

二つ目の時代背景について。この数十年、IT革命によって世の中は急激なスピードは進んでいます。これまで企業や行政などの組織が独占していた「情報」が、インターネットの普及によって、個人が簡単に入手できるようになった。情報格差がそのまま社会格差になっていましたが、そのバランスが崩れてきています。

そして、SNSの普及によって、人と人との相対的な距離がぐっと縮まりました。ソーシャルメディアを通じて、個人が社会に対して影響力を持てるようになりました。大手企業が若者の嗜好を探るためのマーケティングとして、個人のブログやSNSを利用するというのはよくある話です。組織が中心となって動いてきた社会から、個人や個人のつながりが社会に影響を及ぼすことができる時代にシフトしてきています。

まちを元気にする三要素は、「よそ者」、「ばか者」、「若者」だとよく言われます。この三要素が、既存のレジームを壊して、新しい価値を生み出していく。今の時代は、これまで以上に人がつながりやすくなり、誰にでもチャンスがある時代になったと僕は思います。それはバタフライ効果のように、小さな変化を起こしたことがきっかけで、将来的に大きな変革を生み出すかもしれません。

一人では社会を変えることはできません。しかし、変革は一人の行動からはじまります。モヤモヤしているだけでは何も始まらない。一人の一歩が、小さなアイディアが、共感を呼び、仲間とアクションを起こし、地域社会にインパクトを与えていく。仲間をつくり行動していくことで、社会にイノベーションを起こしていきましょう。

[庄内篇]農的暮らし研究所プレゼンツ 山形版 新エコ習慣 !? 【グッドラック! ポットラック!!】

こまつさん


寒くなりましたね~!
我が家でも11月下旬にコタツを出し、ストーブのお手入れをして、スタッドレスタイヤに履き替えて準備万端です!
東北の冬は寒いし、雪は激しいし、外出の回数が減りますね。
そして「人恋しくなる」んですよね~。
そこで今回は、冬の過ごし方の提案として山形流「ポットラック」と「ウォームシェア」をかけ合わせた友達との過ごし方を紹介しようと思います!!


●提案その1 山形流ポットラック【ひっぱりうどんポットラック】
「ポットラック(potluck)」とは、持ち寄りパーティーの事です。しかし、お料理好きでない場合は何を持って行こうかと悩んでしまいがち…。そこで山形の食文化から「ひっぱりうどん」をポットラックにアレンジしてみました。

○イメージ:
ホスト(主催者)宅にうどんや食材を持ち寄り、こたつで「ひっぱりうどん」。カセットコンロに鍋をかけ、乾麺をゆでる。お好みの薬味を入れた小鉢に、熱々のうどんを引っ張り入れて食べる。(薬味は、納豆やサバ缶が山形では主流。お好みで卵や鰹節・醤油などで味付けする。)

○ホストは?:
カセットコンロ、鍋(土鍋で雰囲気アップ)、割りばし、小鉢、醤油(めんつゆ)、刻みネギ、生卵を準備。

○ゲストは?:
うどん(乾麺)一束、合いそうな具材(サバ缶、ツナ缶、納豆、鰹節など)を持参。

○期待できる効果・効能:
共感、新しい味の発見、気持ちもカラダもポッカポカ!

○追加アイデア:
「ひっぱりうどん」の代わりに「ピザ」にして、トッピングしたら美味しそうな食材を持ち寄るのもいいと思いますよ。「ピザ」の代わりに「ピザトー○ゲストはスト」にすれば、食パンとトースターを準備すればいいので、開催のハードルが下がりますね。

●提案その2 【ミニシアターポットラック】

○イメージ:
映画を数名で観ながら、何かをつまみつつ語らう。

○ホストは?:
DVDを借りて、テーマを考えておく

○ゲストは?
参加者と共有できる様な、お菓子や飲み物を持参。

○期待できる効果・効能:
共感・共有・ワクワクガヤガヤ!!

(一例)
『スターウォーズ』を見た後に、「親子とは?」という話し合いをしてみる。『ALWAYS 三丁目の夕日』を見て、「ナリワイ」について話してみる。などなど、メンバーによってテーマを決めると新しい何かが見えてくるきっかけになるかも。単純に盛り上がるのは洋画を見た後、「日本でリメイクするとしたら配役は?」と語り合うとキャーキャー大騒ぎ。室温は5℃ぐらい上がるでしょう(笑)。

なにもご飯の持ち寄りでなくても、お菓子やお茶でもいいのです。
同じものを見た後、聞いた後にアウトプット(感想の時間)があると今まで感じられなかった新しい考え方や価値観が生まれやすいもの。
自分のビジョンを共有するアイテムとして、映画を用いるのもよいかと思います。

●集まる場所の工夫について…。

我が家のコタツは、二人暮らしにしてはビックリするぐらい大きいです。
リサイクルショップから大きなダイニングテーブル(6脚付き)を500円で買ってきて、そのテーブルの裏に熱源を取り付け、安売りだった生地をミシンで簡単に継ぎ合せただけのカバーをかけただけという単純なものです。しかし、どこかの会議室を借りなくても8人ぐらいのミーティングが自宅で開けるので便利です。ファンヒーターからの温風を、ダクトを通してコタツの中に取り入れているので、コタツ内は40度近くになり、室内が15度ぐらいでも全く寒くはありません。コタツ内が広いのでパジャマを温めたり甘酒を作ったりと用途もひろいです。ウォームシェアする際にも、大きな空間を暖めるよりは小さな空間を暖め、集まる場所も小さい方がエコに繋がります。お金をかけなくても工夫することで、快適な空間はいくらでも作る事ができます。

*   *   *

今回の、「ポットラック」という集まり方はいかがだったでしょうか? 気軽に集まることで、場所の共有・エネルギーの共有(ウォームシェア)・情報(感想)の共有が出来き、冬独特の寂しさの緩和もすることが出来ます。山形の冬は、寒くて長いですが、ちょっとした工夫でいつもの集まりを少しエコで新鮮なものと感じて下さったら嬉しいです。「住み開き」も人気ですが、完全にオープンにする前にこういったやり取りで練習するのもいいかもしれませんね。是非、小松家へもうどんを持って遊びに来て下さい!
それから最後に、一番大切な事のお知らせ!! だらだらと長居をしたり、たまり場の様になったりするとホストが疲れてしまいます。楽しくても、2~3時間以上は滞在しないように配慮するのも大人のマナーです。片付けも、ちゃんとしましょうね(笑)。それでは、エンジョイしてね~グッドラック!!

=======================

プロフィール
こまつかおる
1980年生まれ。庄内町出身。2007年より、夫婦で個人的に酒田市中山間の集落へ入り農業や里山暮らしの情報収集と情報発信・グリーンツーリズムを始める。3.11以降、パーマカルチャーと出会い自然に配慮した暮らしのワークショップなどを開催している。「農的暮らし研究所」主宰。

混在する場と、 自由に思いを発信すること 細川由貴

はじめまして。飯豊町在住の細川由貴と申します。私ごとですが、以前からずっと「ぷらっとほーむ」さんやこの『まどあかり』の冊子に、ずっと憧れを抱いていました。でもただ憧れを抱くだけで、「仲間に入れて」の一言が恥ずかしくて言えずにいました。だから今回このように寄稿させていただけること、すごく嬉しく思っています。初の寄稿、せっかくこの『まどあかり』という場ですので、自由に思いを発信することについて私なりの思いを書いてみようと思います。

 突然ですが、この『まどあかり』という冊子、私がとても好きなところがあります。それは、良い意味で混在しているということです。雑誌やフリーペーパーの多くは、その号ごとにテーマが設定されています。しかしこの冊子にはテーマがありません。ぱらぱらとめくって読んでゆくと、寄稿者の思い思いの文章が寄せられています。一人一人の、きらめく思いや個性があって、それが集うことでこの冊子ができています。それってすごく意味があり、かけがえのないことだと私は思うのです。

 現代の社会はとても自由で便利です。スマホやSNSを駆使して、いつでも誰でも、思いを発信することができます。少し前の時代では、本を書くとか、講演会をするとか、そういうことのできる人しか公の場に思いを発信することはできませんでした。でも、この自由で便利な時代で、自由に発信できている人は、一体どのくらいいるでしょうか? SNSを例に挙げると、日常的に投稿をしている人は全体の2割とも1割とも言われます。(※正確な数値ではないので、とにかく少ないのだ、という意味でご理解ください。) 思いを発信する場も自由もあるのに、なぜでしょう?

 いろいろ、理由はあると思います。いろいろある、その理由の多くは、気持ちや心の部分だと思います。SNSにもリアルの世界と同じようにコミュニティや人間関係があります。だからいくら自由とはいえ、書いた内容によっては嫌われたり、変な人だと思われたり、あるいは悪気なく誰かを不快にさせてしまうこともあるかもしれません。そんなリスクを背負ってまで発信しなくたって、読むだけで十分、という気持ちはある意味当たり前のことです。

 それでも私は、自分の思いをちゃんともって、それを自由に発信して良いのだ!ということを、ここで書きたいです。最初に、この『まどあかり』の冊子が、混在しているから好きだ、と書きました。混在するには、一つ一つがきちんと光り輝いていないと成り立ちません。存在感の薄いものがどんなにたくさん集まっても、その存在感は薄いままです。混在ということはつまり、一つ一つが尊く光り輝いていること、そして、その一つ一つを尊重したままに集めることのできる懐の深さがあることです。現代の社会でその2つの条件が揃い、心の底から自由に発信できる場は実際には少ないと感じます。そしてその2つがこの『まどあかり』という場には揃っています。かけがえのない場です。

 自分を大切にもって、光り輝いて良いのだということ、そしてそれを受け止めてくれる場が、現代の社会にもちゃんとあるということ。今ここに実証されています。私は、世界中の一人一人の人の輝きに、もっともっと触れたいです。でも、いきなり「自由に発信していいよ!」と言われても、なかなかできないと思います。それは、この懐の深い場にぶつけるも良し、誰かの力を借りて発信してもらっても良いと思います。少なくとも私は、一人一人が自由に光り輝ける世界を創りたいと思っています。

 結局結論がごちゃごちゃになってしまいました。でもこの混在する場では、それは許されることでしょう。この貴重な場に貢献させていただけることに感謝して、この場を終えることにします。ありがとうございました。

===========================================

■プロフィール 細川由貴(ほそかわゆき)
1987年生まれ、静岡県浜松市出身。2011年から飯豊町に暮らし始める。公民館や地域の青年活動に関わりながら、地域での学びの場づくりを模索中。

山形あづまりEXPO 2015


11月15日(日)、村山市の甑葉プラザにて「山形あづまりEXPO 2015」(以下、「EXPO」と略記)が行われました。このイベントは、未来の山形のために地域に密着している人たちが一堂に会するお祭りです。当日はご当地グルメやステージパフォーマンス、さらに県内各地のゆるキャラが結集するなど大盛り上りでした。今回は、その中のいくつかのイベントをレポート形式でご紹介します。

あづまり


■「村山産業高校又新連」徳内ばやし 

EXPOのステージイベントのトップバッターは「村山産業高校又新連」の徳内ばやしでした。ステージの端から端まで縦横無尽に動き回り、会場に明るい笑顔を振りまいていました。力強い太鼓と軽快な笛の音色に合わせた若さみなぎる躍動感のある踊りに元気と希望をもらいました。              

(文責:岩田享志)


■「べにばなレジェンド」けん玉ステージ 

「村山産業高校又新連」のステージに続いて、けん玉でまちおこしをしようと奮闘する若者たち「べにばなレジェンド」の登場です。1992年の「べにばな国体」の頃、演技を披露した小学生が二十数年ぶりに再結成。けん玉による教育活動や社会貢献活動の紹介でした。バーニックというゆるキャラもけん玉を持って技を披露したりと、会場を惹きつける楽しいショーでした。  

(文責:岩田享志)


■「HOPE」ヒーローショー

ステージイベントで、南陽市の若者グループ「HOPE」が企画・運営する南陽宣隊アルカディオンショーを見ました。アルカディオンとは、南陽市の魅力をPRするためのヒーローのことです。僕は、このEXPOで初めてアルカディオンのことを知りました。ショーは、正義の味方アルカディオンVS悪者ズグダ連合軍という構図になっており、年齢を問わずに楽しめる内容でした。アルカディオンを応援する声が、会場から湧き上がり、それが彼らの力になっていました。また、ショーでは山形弁で話されており、ズーズー弁丸出しで、会場の人たちの心をわしづかみしていました。起承転結がしっかりしており、笑いも交えて、とても楽しいひと時でした。

(文責:片桐滉斗)


■「Am遊's(あみゅ~ず)」駄菓子屋・くじ引き

南陽市の若者グループ「Am遊’s (あみゅ~ず)」の駄菓子屋・くじ引きブースを見学しました。この団体は地域のイベントに駄菓子屋を出店して、子どもたちが集い楽しく遊べる居場所づくり活動を行っています。筆者もブースで販売されていた駄菓子をいくつか購入。童心に返ったような懐かしさを覚えました。  

(文責:大原克彰)


■「HMS.works」 ものづくりワークショップ

私は庄内を拠点にして活動している「HMS.works」という団体のブースにお邪魔させて頂きました。この団体はイベントやポスター等のデザインやイラストレーターとして活動していて、今回の様なイベントでは手作りのアクセサリーやポスターなどのグッズを販売して、購入者とクリエイター同士での交流をしているそうです。今回のイベントでアクセサリー作りやラミネートカードなどを通してものを作る楽しさを知っていただきたいという思いがあるとのこと。この団体さん、話の中で表に出ないだけで結構長く活動されているというのをお聞きしました。実は自分たちが知らないだけでこういう活動をしている人たちっているんだなという発見がありました。 
                
(文責:宍戸浩介)

ほんきこ。月一読書会@うふカフェ

これまでに『まどあかり』でも何度かご紹介してきた、置賜地方でミニコミ誌『ほんきこ。』を発行している団体「ほんきこ。編集部」。本好きな若者たちによって2003年に発足し、約10年間に渡って活動を続けています。筆者(大原)自身、『まどあかり』に寄稿していただいた文章などを読みながら、実際どんな感じで活動しているのか非常に気になっていたので、この度「ほんきこ。編集部」が開催しているという読書会に参加してきました。

読書会は月に一回、置賜のカフェなどを借りて開催されており、今回筆者が参加した読書会は、10月18日(日)に米沢市の「うふカフェ」で行われました。参加者が全員が揃うと、まずはみんなで「ほんきこ。編集部」が発行しているフライヤーを折る作業からスタート。真剣に、しかし世間話などを交えながら楽しく作業しました。

ほんきこ

折り作業が終了すると、いよいよメインのイベント、本の紹介コーナーに移ります。「ほんきこ。編集部」の読書会は、会の担当者が毎回テーマを設定し、参加者たちはそのテーマにちなんだ本を持参します。今回のテーマは「TIME(タイム)」。一人一人、順番に1~3冊程度、「時」にまつわる本を紹介していくのですが、SF小説はさることながら、ファンタジーや恋愛小説、ミステリーなど多種多様なジャンルの本が持ち寄られました。一見「時」とはかけ離れたように見える本でも、解釈次第では設定されたテーマにぴたりと当てはまったりして、面白い。テーマを設定されると持参する本選びが難しくなるような気がしてしまいますが、そんな風に様々な解釈が可能なので、気軽な気持ちで選ぶことができます。筆者は、中学生時代に出会った本であり、自分自身が読書好きになったきっかけともいえる児童書を紹介。そこから参加者の皆さんはどのような経緯で本を読むようになったか、そのきっかけなどをお喋りしました。途中、参加者の皆さんで軽食を取ったり、お茶したりしながら最後までゆっくり、まったりと本の紹介が行われました。

本の紹介が一段落すると、最後にみんなで記念撮影。こうして月一読書会は終了しました。共通の趣味を持った人たちとその趣味を介して楽しくあれこれ語らえるって、本当に素敵なことだなあと改めて実感しました。本が好き、人と交流することが好きな方はぜひ一度、「ほんきこ。月一読書会」に参加してみてください。  

 (文責:大原克彰) 

ほんきこ2

平成27年度 やまがたNPO活動促進大会

11月13日(金)に山形メトロポリタン(山形市)で行われたやまがた「NPO促進大会」(以下「促進大会」と略記)に参加してきました。このイベントは県内の様々なNPO活動による活動発表や県民活動に関するセミナーを通して、NPOの社会貢献活動に触れる機会を県民に提供することによりNPO活動への関心を高め、参加を促すとともに、多様な主体による協働の取り組みへのきっかけづくりを行うというのを目標にしており、 県内で活動している団体の活動紹介や表彰式、講演会や助成金の経過報告会などが行われました。

促進大会

第一部は表彰式で、県内の様々なNPO団体が表彰を受けていたのですが、なんと上山明新館の農業部の若者達がエントリーしていて、なおかつグランプリとして表彰されていました。事業名は「桑から広がる農地復興プロジェクト」。内容は震災の津波の影響により未だ除塩が進まないという状況があり、それを桑とモミガラを使って、農地の物理性、化学性を改善し、再び生産活動のできる環境にする事を目的とし、「農地復興プロジェクト」に取り組んでいるというものでした。上山と名取市は姉妹都市という事もあってこの取り組みを行っているとのこと。

NPO団体が行っているような仕事を若い世代の少年少女たちが行っているということが私は凄いと思いました。自分が知らないだけで色々な人達がそれぞれアンテナを立てて、動き始めている。自分たちも彼らに負けないよう頑張っていきたいです!

(文責:宍戸浩介)

第二部では、はじめに山形大学COC推進室コーディネーター・堀内史郎さんより「これから求められる協働とは~地域の課題を解決するために求められる、NPO・大学等の果たす役割~」をテーマに県民活動推進セミナーが行われました。

堀内さんは地域で問題解決に取り組む人々についての研究を行っており、地方都市の人口減少などが問題視されている現在、地方創生を成功させるためには地元住民と、新しい視点や価値観を有したよそ者の協働が何より大切で、さらにその二者を繋ぐ「仲介者」の存在が必要不可欠であるというお話をされました。そして、地域の魅力や問題・限界を理解でき、必要に応じて行政や企業と連携できるNPOこそが「仲介者」にふさわしい、ぜひ「仲介者」の役割を果たして欲しい、と堀内さんはおっしゃっていました。

このセミナーを通し、NPOの多様性や柔軟性を再認識することができました。

次に、「やまがた社会貢献基金」助成事業成果報告会ということで、平成26年度に「やまがた社会貢献基金」を活用して行った事業の実施状況や成果、課題の報告が行われました。

報告会では、大蔵村の「合海田植え踊り保存会」による、子どもからお年寄りまで顔の見える地域づくり事業として、小学生を対象に田植え踊りの練習会を行うなど、伝統芸能の継承や公開活動に取り組んでいる様子を報告したり、米沢で若者の学習支援や就労支援を行っているNPO法人「With優」が、若者が高齢者向けにいくつかのサービスを行う「何でも屋さん」事業の取り組みを紹介したりしました。

促進大会に参加してみて、県内各地域が抱えている問題・課題などを知ることができたと同時に、自分だったら何ができるのかを考えさせられる貴重な機会でもありました。   

(文責:大原克彰)

やまがた若者交流ネットワークミーティング 「Active」

あくてぃぶ

11月8日(日)、山形国際ホテルにて「やまがた若者交流ネットワークミーティング『Active』」が開催されました。これは山形県若者支援・男女共同参画課が主催するイベントで、県内の各地域で地域活性化などに取り組む若者や、もっと山形を盛り上げたい若者同士の情報交換、交流、連携等を進めることを目的としています。この交流会は、山形を元気にしたいと思う若者なら誰でも参加が可能。この度、『まどあかり』編集部を代表して筆者(大原)も「ぷらっとほーむ」のメンバーの若者たちと一緒に参加してきました。

交流会は事務局の挨拶から始まり、続いて各テーブルでワークショップの実践。近くの参加者と二人一組になり、アイディア創出シートを用いて山形を活性化するためのアイディアを考えました。アイディア創出シートには、それぞれ自分自身が今取り組んでいる活動や興味・関心のあるキーワードを記入し、そこからお互いに共通の問題意識や課題を抽出していきます。そして最終的に、それら問題・課題を解決するためのアイディアを記入させれば、シートの完成です。筆者は大蔵村や酒田からいらした参加者の方々と交流。

参加者の方々から、住んでいる地域の事情などを伺っていくと、地域に色んな人が集える居場所が少ない、という意見を多く耳にしました。また、交流の場として公民館はあるけど、少し敷居が高いイメージがあり、行きづらいという声も。そういったお話を元に、いかに公民館を気軽に地域の人々に利用してもらえるような仕組みを作るか、などをアイディア創出シートに記入していきました。

残念ながら時間の都合上、具体的なアイディアを完成させるまでには至りませんでしたが、お互いの地域情報を交換できたり、地域の問題・課題を参加者同士で共有することができたり貴重な時間を過ごすことができました。また、様々な活動をしている若い世代の方々と交流し、新たな人脈を築くこともできたので大変良かったです。

ワークショップの後は「輝けやまがた若者大賞」の賞状授与式があり、吉村美栄子県知事がご来場、挨拶を述べたあとに賞状の伝達が行われました。受賞した団体は、大蔵村より、農業の魅力を発信し地域活性化を図る地元の若い農業者たちによって結成された「大蔵村農業後継者の会」や、地域の民俗行事「カセ鳥」をモチーフにした特産品開発し、地域の賑わいづくり活動を行っている「上山市商工会青年部」など。

あくてぃぶ2

地域を盛り上げるため意欲的に活動する彼(女)らの姿には学ぶべきことがたくさんあるなと思いました。

(文責:大原克彰)

平成27年度「山形学」講座 時をつむぐ若者たち~ともに創る山形の未来~

地域の担い手である「若者」をキーワードに、山形の過去・現在の活動を通し、地域や山形の未来を考えていく講座「時をつむぐ若者たち~ともに創る山形の未来~」(以下「講座:山形学」と略記)。

前号に引き続き、今回は第5回目と6回目の講座内容をまとめました。

第5回目となる「講座:山形学」は「地域と世界をつなぐ若者」をテーマに、9月5日(土)に行われました。この回は現地学習となっており、鶴岡市に出かけ「鶴岡ナリワイプロジェクトチーム」の伊藤敬子さんのお話を伺ったり、鶴岡市先端研究産業支援センターへお邪魔したりしました。

 「鶴岡ナリワイプロジェクトチーム」は、「鶴岡から『地方都市でのこれからの働き方・暮らし方』を全国に提案する」というコンセプトの元、活動している団体で「自分の欲しい未来は、自分でつくる。仲間とつくる。」という自治精神あふれる人を育てることを目指しています。伊藤さんから、高度経済成長の頃と比べて現代社会の前提条件は大きく変わっており、今までのしくみで生活を送ることが困難になってきていることや、一つの仕事に囚われず、自分の得意分野を生かした小さな仕事を掛け持ちする働き方の事例などをお話いただきました。

次に鶴岡市先端研究産業支援センターに移動し、慶応義塾大学先端生命科学研究所の冨田勝所長のお話を伺いました。この研究所では、微生物や医薬品を人工的にデザインし、環境・医療・食糧分野に応用する技術の開発を行っています。冨田所長は、海外の研究所の環境を事例に、鶴岡のような自然豊かな地域、すなわち地方都市は最先端の研究や新しいアイディアを創出するためにふさわしい場所であるとおっしゃっていました。

伊藤さんや冨田所長のお話を受けて、地方都市における個人レベルでの生き方から、地方都市全体における将来像まで、総合的な視点で山形の未来を考えることができました。

第6回目の「講座:山形学」は9月26日(土)に遊学館で行われました。「講座:山形学」はこの回が最終回ということで、最後は「若者とつくる未来」をテーマに、鶴岡市で活躍されている「日知舎」の成瀬正憲さん、新庄市で「生きのびるためのデザイン」を研究・実践している自称「プロ無職」のぬまのひろしさん(と、くまのひろしさん)、そして山形市より「ぷらっとほーむ」共同代表の松井愛さんを講師にお迎えして、それぞれの活動内容の紹介や活動していく上での信条などをお話いただきました。

成瀬さんやぬまのさんは、時代の変化に伴い、大きなシステムに依存するのではなく、自分たちで場や仕事を作りだす活動を行っているそうです。これは前回の「講座:山形学」の伊藤さんのお話にも通じます。例えばぬまのさんはガラクタなどから楽器を作り出し、それを販売したり、音楽教室を開いて収入を得たり、自分のできる・得意な分野で生計を立てているといいます。また、松井さんは「ぷらっとほーむ」を通し若者の居場所づくり活動を行うにあたって、多様性を認め合うことや常識を疑うことの大切さについてお話されました。

以上、三名からのお話を伺い、私たちが未だに旧来の価値観やシステムから抜けきれていないことに気づかされると同時に、これからの時代を生きていくにあたって必要になりそうなキーワードを得ることができたことは、とても深い学びでした。

 「講座:山形学」を全て受講し、筆者は、時代の流れを意識しながら、若者も大人も世代を超えてお互いを認め合い、共に未来を築き上げていきたいと強く思いました。     

(文責:大原克彰)

地域の方々と一緒につくる 子どもたちのための居場所 吉田 祐子 (やまがた子どもアトリエ)

子どもアトリエ

2013年3月、尊敬する友人・結城ななせさんと二人で「やまがたこどもアトリエ」という活動を始めた。「子どもたちに創造的で豊かな放課後の居場所を提供する」ことを目的に、①モノをつくる・描くなどの「造形体験」と、②さまざまな技術や知恵をもった地域の大人(企業・個人)に市民先生となってもらい開催する「職業体験」の二つのプログラムを実施している。





なぜこのような活動を始めたのか。そのきっかけと今後の展開についてお話したいと思う。私は子どもの頃、義務教育の「学校」という場所が苦手だった。

誰が決めたかよくかわからない曖昧な基準と比較して、太っている、勉強ができない、変な歩きかたをする、髪型がおかしい…と決めつけて他者をけなし、排除する。同じ時間に特定の子どもたちが同じ教室に集まって授業を受け、他者と足並みをそろえることを強要されているような気分になる。しかし、それに抵抗するための知識ももっていなかったし、言葉を発することもできなかった。ただひたすら自分の想いを押し殺して、学校という空間に馴染もうと必死にふるまった。自分の容姿や考えを否定される、自分の想いを素直に表現できないというのは、本当につらく苦しい。

それを救ってくれたのが、学校の授業が終わった後の「放課後の時間」だった。小・中学生の頃は、放課後の時間は自然の中で遊び「木の家をつくって動物たちと暮らしてみたい」「空を飛んで、雲のベッドで寝たい」「木で大きなブランコをつくりたい」など、数々の妄想を膨らませては絵で表現するのが大好きだった。

絵はひとりでも描けるし、ひとりでも十分楽しかったが、あるとき、自分の絵に関心を寄せてくれる他者(近所に住む大人たちや子どもたち)がいることに気づいた。自分の描いた絵をきっかけに、私は何が好きなのか、どんなことをしたいのかを語り、相手も自分の想いを語る。お互いの話をじっくりと聞き、世界(視野)を広げ、いいところを認め合うたびにワクワク感と喜びを感じた。


造形(芸術)の世界に夢中になった私は、地元・埼玉県内で芸術コースのある高校に進学し、3年間絵画制作漬けの日々を送った後、豊かな自然環境に惹かれて山形県の美術大学に進学。大学では、アトリエで作品を制作して、公募展で賞を取ることや有名な画廊で展示会をすることを目指す人が多かった。それは、絵で食べていくための近道になるかもしれないが、作品=商品、鑑賞者=客という捉えかたをすることがあったり、社会的に価値が認められた作品・作家なら絵の内容に限らず売れたり、作品・作家と鑑賞者の間に距離があったりすることに違和感を覚える自分もいた。

そんなとき、「地域」に出ていく機会に巡り合った。過疎化・少子高齢化が進んでいる山形県内の中山間地域で、住民たちと交流しながら風景画の制作や展示、ワークショップなどを開催したり、子どもたちといっしょに造形(芸術)活動をしたり…。地域に入るということは、もちろん簡単なことではなく、最初は「芸術なんて自分にはわからねぇ」と言われて会話が終わることもしばしばあった。時間をかけて地域の方々に寄り添い、その声に耳を傾け、いっしょに何かをつくっていくことが重要だと感じた。そのうち、「芸術なんて…」とつぶやいていた方々が「作品(ワークショップ)をきっかけに地域(周りの人)のいいところ再確認した」と言ってくれるようになった。

子どもアトリエ2


最初から完璧な人間なんていない。理想に向かって努力することは大切だけど、常に完成されたものを提供しなくてもいい。足りないところ、未熟な部分があるあるからこそ、多くの人が意見を言いやすく、力も貸してくれるんじゃないか。相手の意見に耳を傾けながら、目標に向かっていっしょに何かをつくっていくと、自分も相手もつくったものに愛着がわく。地域での活動を通じて学んだことが、今につながっている。





現在は、「やまがた子どもアトリエ」の活動を行う中で出会った「YAMAGATA DESIGN株式会社」のメンバーとして働いている。「YAMAGATA DESIGN」では、山形県鶴岡市覚岸寺周辺を舞台に、バイオ産業のための「産業棟」、交流拠点となる「ホテル棟」、地域の子どもたちのための学び場「子ども棟」の開発を進めている。私が担当している「子ども棟」では、6歳までの保育と12歳までのアフタースクールがメイン。ここでは、毎日さまざまなワークショップが開催され、子どもたちが自分の意思でやりたいことを選び、好きなことに夢中になれる施設を目指している。

私たちが一方的に施設(商品やサービス)を提供するのではなく、地域の方々の力を借りていっしょにつくっていきたい。そのためのしくみづくりに取り組んでいきたいと考えている。



==========================================


プロフィール  吉田祐子(よしだ ゆうこ)
1987年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学への進学をきっかけに山形県へ。2013年、市内の学童保育所に勤務する傍ら、山形県鶴岡市を拠点に「やまがたこどもアトリエ」の活動をスタート。2015年4月よりYAMAGATA DESIGN株式会社に勤務。
■FBページ:www.facebook.com/yamagatakodomoatelier
■Webサイト:http://yamagata-design.com/

安保法案反対デモ

現在、安保法案反対のデモが日本各地で活発に行われていますが、山形市内でもこうしたデモがもりあがりを見せています。

この度『まどあかり』編集部も9月15日(火)に行われた「安保法案に反対する緊急山形アクション」と、9月17日(木)に行われた「ストップ!戦争法案9.17県民集会」という、二つのデモに参加してきました。


*   *   *

デモ


 最初に編集部が参加した「安保法案に反対する緊急山形アクション」は、安保法案に対する危機感をみんなで共有し、反対の声をあげられるように学生団体「SEALDs TOHOKU」が企画したデモです。「SEALDs TOHOKU」は、宮城県の学生が中心となって結成された団体で、非暴力・平和主義を掲げ、自由で民主的な日本を守ろうと東北の各地でさまざまなアクションを展開しています。今回のデモは、17時半に第二公園(ホテルキャッスル隣)に集合し、18時から行進をスタート。第二公園から山形市役所前までを目指して大規模なデモパレードを行いました。「SEALDs TOHOKU」にとって山形でのデモは今回がはじめてということもあり、編集部が集合場所の第二公園を訪れると、そこにはデモ参加者のみならず報道陣もたくさん駆けつけており、行進を開始する前から会場はすでに大変なにぎわいを見せていました。

17時半になると、行進開始に先立って、「SEALDs TOHOKU」のメンバーや、彼らの活動を応援する方がたからのスピーチがありました。個人的にその中でも特に印象に残ったのは「多数決で選ばれた政治家の人びとに全てを任せるだけが民主主義ではない。主権者国民が直接声をあげる民主主義のありかたもあっていい。間接民主制と直接民主制が相互に補完しあって、より豊かな政治文化を形づくられていくはずだ」という山形大学の中島宏先生の言葉です。正直、これまで政治といえば、選挙で選ばれた代表者たちが決めたことは絶対、というイメージがありましたが、「SEALDs」をはじめ、日本各地で行われている安保法案反対の運動を見ていると、決してそんなことはなく、もし政府の人びとの行いに違和感を覚えたら、声に出して訴え、歯止めをかけることも可能なのだと知りました。

そしてスピーチが終了すると、いよいよデモ行進の開始。偶然、編集部が待機していた場所が行進の最前列にあたっていたらしく、その流れで「SEALDs TOHOKU」や東北芸術工科大学の学生たちといっしょに横断幕をもって先頭を歩くことになりました。行進中は「強行採決絶対反対!」「民主主義ってなんだ! なんだ!」といった語呂のいいコールを唱えます。また、今回は山形版のコールも用意されていて、「安保法案絶対止めるべ!」「法案通せば国民ごしゃくぞ!」など、山形弁を取り入れたユニークなものまで。はじめはコールを唱えるのに気恥かしさもありましたが、行進していくうちに徐々に声にも張りが出て、最後にはお腹の底から声を出すことができるようになりました。

 行進中は、同じ違和感を抱えている人びと同士で集まって声をあげていることに対し、非常に心強いものを感じました。

デモ2


*     *     *

デモ3


 霞城セントラル広場にて行われたデモ「ストップ!戦争法案9.17県民集会」は「ぷらっとほーむ」メンバーの皆さんといっしょに参加してきました。こちらは都合上、最初のほうの行進までしか参加できなかったのですが、当日は雨にも関わらず会場の熱気は凄まじいものでした。主催者側からの発表によると、この日のデモ参加者は約750名。現政権の行いに対し、どれだけたくさんの人びとが同じ思いを抱いているのかがはっきりとわかります。また、「SEALDs TOHOKU」のときもそうでしたが、参加者の中には、子どもや若者の姿も多く見えました。デモは決してハードルの高くない、誰でも気軽に参加できるイベントです。安保法案の問題はもちろんですが、それ以外の日常のどんな些細な違和感でも、私たち国民にはそれらを声にあげて主張する権利が保証されています。今回のようなデモを一時的なブームで終わらせるのではなく、ぜひとも継続していってほしいし、継続していきたいとも思います。(文責:大原 克彰)

[アート篇] アートを支援する、とは? 山田正一郎 (夜間美術大学 主宰)

①芸術家が活動を続けやすくなるような取り組みや枠組みとはどのようなものか?

②そのために芸術的な活動への公的支援を求めていく場合、どのような言葉で社会に対し支援の必要性や妥当性を説明するか?

前号(2015年夏号)では、これらをテーマに勉強会を行うとお伝えしました。7月6日に行なわれた第8回の勉強会では、その前号の記事をたたき台に議論しました。以下に当日の主な論点を2つ紹介します。

○支援のかたち
・芸術家への直接的な支援ではなく、市民の芸術鑑賞にかかる費用への助成など、間接的な支援であるべき。
・芸術鑑賞への助成が実現したとしても普段芸術に興味のない人が、美術館などに行くようになるとは思えない。
普段から、アーティストが人々の間に出向き展示のお知らせをするなど、日々の関係性作りが大事。
○アート・マネジメント
・関係性の構築は大事だが、アーティストはまず制作しないといけない。アーティストは、専門的な技術は高いが、コミュニケーションが苦手という人が多い。
・日本では、アーティストのまわりに支援する人が少ない。アート・マネジメントとして、芸術家と社会を繋ぐ役割を担える人をまず育てる必要がある。

******

夜間美大


参加者の意見から、芸術家への直接的な支援だけでなく、アートと社会を繋ぐアート・マネジメント的な視点からも考える必要性を感じました。
8回は以上のように、芸術家への「直接支援」をテーマにしましたが、続く8月19日に行なわれた第9回では芸術家への「中間支援」に視点をずらし、「芸術文化の育て方」をテーマに、芸術家を取り巻く環境をいかに改善するべきかを考えました。

○まず前回話題になったアート・マネジメントについて、ネットTAM(AMに関する総合情報サイトhttp://www.nettam.jp)の記事「アート・マネジメント入門1」を紹介しました。
・記事によれば、アート・マネジメントとは、実践(展覧会の企画や準備。チケット販売。資金集め。広報や市場調査)と、探求(芸術文化と社会との最も好ましいかかわりを探求)の2面がともにあるもの。
・「studioこぐま」大沼さん――アート・マネジメントの講座を受講した。主催団体では当時有給のスタッフは2人しかいなかった。たくさんの人が関わるアートプロジェクトだが、実際に有給で働くスタッフは少ない場合が多い。
・企画したプロジェクトで助成金を受けたこともあるが、書類など作るのが大変だった。
・地域アートの活動によって、まちの何が変わったか、どんな価値が生まれたかは数値にできないもの。人の言葉からしか伝わらないもの。

○DIY
・「アトリエ欅」町田至さん――日常の中に芸術が必要と考え、2年前から展示を企画実施している。
・支援――「誰かにしてもらう」のを待つのではなく、「自分でなにかやらないと」という感覚が大事。

******

私は、前号の時点では、アーティストへの支援として展示スペースが必要だと考えていました。しかし、様々な人と意見を交わすなかで、アーティストが大学などで芸術を学ぶなかで得た力を、作品を通して人に伝える場として展示スペースが必要ではないかと考え始めました。
アーティストは作品によって、人を鼓舞したり、感情を前向きに動かしたりすることができますが、そのような力が社会で十分に活用されていないように感じます。
また、第8回では、テーマ②に関して「社会には多様性が必要。多様であることが社会において必ずしも当たり前ではないことを知るきっかけとして芸術は大事」という発言がありました。
近年、多様な表現の受け皿になっている場として「オルタナティヴスペース」が全国的に増えています。
オルタナティヴスペースとは、行政や企業が運営する美術館やギャラリーの代替(オルタナティヴ)となり、多種多彩な(しばしば実験的で先鋭的な)表現の舞台として機能する多目的空間を指します。
いま必要なのは、このような、ただ作品の展示をするだけでなく、社会における主流とは異なる価値観に出会える場なのかもしれません。

次回は、『アートプロジェクト――芸術と共創する社会』(水曜社、2014年)内の対談「なぜアートプロジェクトの支援なのか」(pp.272‐292)をテキストに、引き続きアート支援について考えつつ、オルタナティヴスペースの実現も視野に入れ活動していきたいと思います。

=========================

■プロフィール
山田正一郎(やまだしょういちろう)
東北芸術工科大学日本画専攻修了。 絵画制作の傍ら、アートと社会の関係を考える「夜間美術大学」を主宰。

[置賜篇]私がしたことは、 私が選んで決めたこと

「私がしたことは、私が選んで決めたこと」。
今回は、私の座右の銘について書いてみたいと思います。


私は小学生のころから、全く宿題ができない子どもでした。学力的に低かったというわけではない(と自分では思っている)のですが、長期休暇の課題は期日までに出せた記憶がありません。小学生のころは夏休みの日記を最終日に書き始め、結局提出しないまま卒業しました。中学生のときは、他の人の課題を借りて、名前を書き換えて提出しました。高校生のときには、あまりにも課題を出さないので、部活禁止令を食らった挙句、顧問が怒って部活に来なくなってしまい、部員全員からこっぴどく叱られました。大学生のときには、期末レポートの提出日がすぎてから、中間レポートにとりかかったこともあります。とにかくそんな調子で、社会人としてもかなりギリギリのラインを行っているところです。

さて、大学生のときにずいぶんと出すのが遅くなった中間レポートですが、その課題書籍から、私の座右の銘は生まれました。細かいところまで覚えているわけではないのですが、そこに書いてあったのは、「宿題をしないのは、結局は自分の意思による選択である」といった内容のことでした。お母さんに怒られるかもしれない、でも宿題をするのはめんどくさい。当時はあまり自覚していませんでしたが、こんなふうに選択肢を天秤にかけた結果として、私は宿題をしなかったのだと思います。


そんな当たり前のことを…、と思う人もいるかもしれません。でも、「『自分の意思』による選択である」という言葉の本当の意味は、もう少し深いところにあると私は考えています。私たちは、ただ単に「お母さんが怒る」ということと「宿題をしない」ということを天秤にかけているわけではなく、「お母さんに怒られるのは嫌だ」という『自分の意思』と、「宿題をするのがめんどくさい」という『自分の意思』を天秤にかけているのです。

例えば、私の友人が保育士免許のとれる大学に通っていたのですが、彼女は就活のときに揺れる胸の内を話してくれました。
――保育士の免許はとったけど、給料が安いから友達はみんな別の仕事を探してる。親戚はもっといいところに就職しろって言うし、母はせっかく資格をとったんだからって言うし、どうしたらいいかわからない。――

このとき、高い給料をもらうかもしれない友人をうらやましく思うのは『自分の意思』だし、親戚を見返してやりたいと思うのも『自分の意思』だし、母親を失望させたくないと思うのも『自分の意思』です。でも、そのことに気づかないと、何か不満があったときに「人のせい」にしてしまいがちになります。「あの子を見習ってこの仕事にしたのに、給料が安かった」とか、「皆が言うからここに就職したけど、やっぱりやりがいが感じられなかった」とか、「母が言ったから保育士になったけど、本当は別の仕事の方が向いていたんじゃないか」といった具合です。そして困ったことに、こうした「人のせい」は、残念ながら後悔と直結しているように感じるのです。


With優で関わる子ども・若者の中には、こうした「人のせい」の後悔で苦しんでいる人が少なくないように感じます。「学校の先生がこう言ったから」とか「家族が悲しむと思って」とか、そんな「人のせい」にとらわれて、そのことをずっとひきずっている人がたくさんいるのです。

でも、それが『自分の意思』による選択なのだと気づくと、後悔こそすれ、「人のせい」にはしなくなります。では、後悔もしないようにするにはどうしたらよいか。それは「『自分の意思』で選択している」ということを予め自覚することだと思います。そうすることで、自分で決めたのだからしかたない、と思えるようになるのではないでしょうか。なかなか簡単なことではありませんが、子どもたちには、後悔しない毎日を送ってほしいと思います。そのためにも、私も少しずつこのアドバイスを伝えていければと思います。


*参考までに、中間レポートの課題書籍は「アドラー心理学」に関するものでしたが、私は心理学の専門家ではありませんので、解釈には間違いもあるかと思います。ご了承ください。


==============

プロフィール
堀 仁美(ほり ひとみ)
NPO法人With優 若者支援専門員。山形大学人文学部卒・
山形大学大学院社会文化システム研究科。酒田市出身。

[庄内篇]スーパーカブって、 カッコよくない? カブって 素敵な 暮らしに寄り添う パーフェクトアイテムなのー! ~スーパーカブからみえる、心地よい関係と環境に優しい暮らし~ こまつかおる(農的暮らし研究所)

こまつさん


ビバ、ローカル! こまつかおるです。

前回紹介した「初対面の人にはニコニコ笑顔で心の壁を払いのけるレッスン」は実践してみたでしょうか? できたか、できなかったか、今度会ったときに簡単にテストしますので注意しておいてください(笑)。それでは、本題に入ります。 今回のお題は、「スーパーカブって、カッコよくない? カブって素敵な暮らしに寄り添うパーフェクトアイテムなのー!」です。


(1)スーパーカブとの出会い: 我が家のスーパーカブとの出会いは、さかのぼること3年前。ヒロさん(主人)が交通費の出ない職場に勤め始めました。月に2万円ほどのガソリン代! 震災後にこんなに石油を使ってもいいのか? そんなにお金もない!と、悩みました。そんなとき、カブって超低燃費らしいよ~」という噂を聞きつけ街のバイク屋さんへ行ってみることに…。


(2)スーパーカブとは: スーパーカブとは、高性能で高耐久性な、まさにスーパーバイクです。50㏄であれば、普通自動車免許でも乗ることができ、時速30㎞で走るので事故も少ない。車検なし。車庫証明不要。置く場所は、駐輪場でも大丈夫。オイル交換以外の経費は自賠責保険ぐらい。3,000㎞でオイル交換だから年1~2回程度。とにかく経済的で、環境に配慮してある乗り物ということをバイク屋の社長さんから話を聞き感動! 即決で、中古のカブを6万円で買いました。雨の日は危険なので乗らないことを決めヒロさんにカブ通勤を開始してもらうことに。給油は1~2週間に1回程度、大体満タン(4リットル程度)に詰めると500円くらい。ということは…、1カ月で2,000円! 自動車の10分の1に…!? 半年も乗ればもとが取れる最強の乗り物を知ることになるのです。ここから急にカブが好きになり、私たちが開学した4畳半市民大学「もちもち大学」でも講座を実施し、大盛況でした。雪道用タイヤも売っていますが安全を考え、我が家では「雪道運転禁止」にしています。いくらガソリン代を倹約しても、転んで怪我したら、まさに本末転倒。雪国の皆さん、ここは自動車やバス、電車とのベストミックスでいきましょう!


(3)カブがつなぎあわせる世代間のつながり: カブを購入した鈴木モータースの社長さんと意気投合したのには訳がありました。接客中のたわいもない会話で感じた共通点、家庭菜園の喜び、小さな起業の考えかた、無駄のない堅実な生きかたの話でもりあがりました。戦後の変革期に直面した世代(70~90代)と、時代の変革期に悩む私たち(20代~40代前半)の立場や状況が似ているためいちばん話があい、気持ちが通じあうということが証明されました。これは身内かどうかに関係なく世代間で交流できます。それから私たちはカブで暮らすたくさんの高齢者から里山で暮らす知恵や生きかたを聞いてきました。実際にカブを使った暮らしをすると車ほど生活範囲は広くありませんが、「自転車では行けなかったところに行けるようになります」。山菜採りやお買い物、通院、自転車で行けなかった仕事に通うこともできますし、商いのバッティングも避けられます。自転車のようなよさもあり、近所の人との挨拶、駐車場のない小さなお店にも行けます。そういった基準で、生きかたをデザインしていくのもよいのではないでしょうか。カブをきっかけに多くの先輩と、お話してみましょう! 会話の中に若い世代を励ましてくれる重要な言葉が含まれているはずです。


(4)最後に スーパーカブという選択肢を知ることで、みなさんの気持ちにゆとりが出てきたと思います。乗り始めて忘れて欲しくないのは、山形の交通安全スローガンにもあるように「ありますか、こころにゆとりおもいやり」です。運転だけでなく、日々の生活の中でも余裕がないとイライラして言葉で人を傷つけることがあると思います。しかも、その言葉で死に至ることもあります。お互いに配慮ある日々に本当の循環があります。役割の中に生きていても相手を思いやる心は常に意識したいものですね。愛してるよー。またね~。


================================

プロフィール
こまつかおる
1980年生まれ。庄内町出身。2007年より、夫婦で個人的に酒田市中山間の集落へ入り農業や里山暮らしの情報収集と情報発信・グリーンツーリズムを始める。3.11以降、パーマカルチャーと出会い自然に配慮した暮らしのワークショップなどを開催している。「農的暮らし研究所」主宰。

[最上篇]くまのひろしにあってきた

ぬまのさん


「すみません、昔からちょっと毛深くて」

そう言って、彼は何度も頭を下げた。190㎝はあろうかという大きな体躯、たくましくしかし柔和な笑顔をたたえた彼の全身は新月のようにただ黒く、佇んでいた。そう、彼は毛深い。熊にしか見えないほどに。
そんな彼が私の住む町・新庄で最近頓に目撃され始め、あるときはガイド、あるときは野菜売りなどさまざまなアルバイトをしているという。
話を聞いてきた。


*     *     *

ぬまのさん2


ぬまのひろし(以下「ぬ」):こんにちは。 

くまのひろし(以下「く」):こんにちは。

ぬ: ようやくこうしてお話しすることができましてとてもうれしいです。お噂はかねてよりうかがっておりました。実は今まで何度もお会いしようと足を運んだのですが、その度にニアミスばかりで(笑)

く: そうでしたかそれは失礼しました。実は僕も何度か、僕がトイレに入るとぬまのさんが出てきたと言われたり、僕が出た部屋にその後ぬまのさんが来たと聞いたり、もしかして避けられてるのかと思うくらいでした(笑)

ぬ: いやあ、ついにお会いできたわけですね。よかった。では早速いろいろうかがわせてください。失礼ですが、熊ではないんですよね? まずは生い立ちや簡単なプロフィールなどお聞かせください。

く: くまのひろしと申します。32歳バイト、妻と子どもが3人おります。小さなときは伸び伸びと野山を駆け巡って育ちました。一昨年までは普通にサラリーマンでしたが事情により退職。子どものためにも収入が必要でいろんな仕事をしているのですが、どういうわけかなかなか職が定まらず苦労しています。何でもやりますのでお仕事募集中です。

ぬ: なるほど。いろいろご苦労なさっているんですね。あ、32ですか?同い年ですね(笑)。懐かしいな、僕も田舎育ちです。小さいころはどんな遊びを?

く: いたって普通ですね。蜂の巣をつついたりドングリを集めて回ったり。実は少し大きくなってからはこう見えて完全にインドア派で(笑)。ゲームばっかりやってた覚えがあります。スーファミ世代なんですが、うちにはなぜかなくて、メガドライブやゲームギアやバーコードバトラーに熱中してました。

ぬ: すごい。見事に全部黒い(笑)。やはりその、人より若干毛深い漆黒の体と関係が?

く: あ、やっぱり毛深いの目立ちますかね、すみません。言われてみれば確かに、黒いもの全般が好きですね。前世で何かあったんでしょうか(笑)

ぬ: 今まで普通にお仕事されていたってことですが、毛、どうしてたんですか?

く: 毎朝剃ってました。毎朝剃ってるのに夕方にはまた生え揃ってしまうほどの剛毛で。いつも怒られてました。

ぬ: 大変でしたね。今ではもう剃らないことにしたんですよね? 毛深いまま生きていこうと思ったきっかけなど、あれば教えてください。

く: お恥ずかしい話、疲れてしまったんですよね。毛を剃る職場では普通にしているだけで毛深い、だらしないと怒られてしまうので、結果1日10回はトイレに行き、剃るような状態になってしまいました。いつの間にか人の目ばかり気になるようになってしまって、どんどんブラックに鬱々としてきてしまったんですね。そんな僕をさすがに見かねたんでしょうね、妻から、もういいよと。人に無理やりあわせて黒く沈んでしまうくらいなら、自分らしく生きていこうよと言ってもらえて。以来毛剃るのやめました。

ぬまのさん3

ぬ: なるほど確かに。それは毛深い人に限ったことではないかもしれませんね。生まれもった性格、発達障害、性的マイノリティ等々、誰もが多かれ少なかれ人と違う部分をもっていて、ともすればそれが生きづらさに直結する。本来目に見えないはずのそんなものが、くまのさんの場合体毛として誰の目にも明らかになってしまっているので、さぞご苦労なさったことでしょう。それでもう毛深さをさらして生きていこうと?

く: そうです。だからもう開き直って毛深さを武器にして生きていくしかないかなって。

ぬ: どうですか? やってみて。

く: それが自分でも驚きなのですが、みなさんなんだかんだ毛深いまま受け入れてくれます。笑ってくれたりイジってくれたりしながら。気にしてたのは自分だけだったんじゃないかと、毛深さも自分の個性として愛せるようになりました。小さいときにアンパンマンとか好きだったんですが、あの中でもカバやウサギが社会の一員として当たり前に生きてますよね。現実世界にも結構そんな寛容さがありました(笑)。ひたすら感謝しかないですね。

ぬ: 人と違うということは本当に怖いですからね。生きづらさの根源というか、ときには死ぬしかないと思ってしまうほどに。それが意外とさらしてみれば普通に受け入れてもらえるという発見。すばらしい。はからずもやさしい社会、多様性に寛容な社会のリトマス紙になっているのかもしれませんね(笑)

ぬまのさん4

く: いえいえそんな(笑)。ただ人よりちょっと毛深いだけです。お恥ずかしい。

ぬ: くまのさんが幸せに暮らせる社会に僕も暮らしたいものです(笑)

く: 幸せすぎてこの前飲み屋のお姉さんに「アンタ、ケモノネ」と言われました(笑)。それでもいいですか?

ぬ: 男はみんな獣さ。なんだか他人の気がしないね。タメ語で気安く呼んでいい?

く: よう! ぬま!

ぬ: よう! くま! それじゃあ一緒に行こうぜ、ともに…

: 未来へ…

ぬまのさん5

「ボランティア」って、なんだ? 多田 曜子 (311ボラMeeting 代表)

多田さん


■思えば…

思えば、東日本大震災がおこる前は、私の人生は「ボランティア」とは縁のないものでした。中学時代は思春期で家族とのいざこざで日々悩んでいたし、高校時代はあまりまわりとあわなくて学校が嫌いでした。外に出たくて、大学は中国、アメリカへと渡りました。大学は日々違う文化の中で楽しいことも多かったけれど、留学中友人を亡くしたり、現地の人と文化の違いで問題がおこったり、大変なことも多々…。そんなときはいろんな人に助けてもらったり、励まされたりと、人生の多くは助けられることの連続でした。

“ボランティア”と文字を目にするとどこか、とても心が清くて、聖人君子のような人がやるものだと思っていたのです。
私が“ボランティア”だなんて、ムリムリ、そんな立派そうなもの、滅相もございません! といった具合です。


■あの日から…ボランティアってなんだ? 

私の答えは「関わりたい」という気持ち
2011年3月11日、自宅にいたときに地震はおこりました。停電した家でラジオを頼りに情報を探していたら、ラジオ放送のアナウンサーが泣き声で「町が…町が…燃えています…数百の遺体が…海岸に上がっています…!」と途切れた声で叫んでいました。「大変なことがおこっている…」。私は怖くて眠れませんでした。
翌日から私はSNSで情報を探しまわりました。山形市内に避難所ができたという情報をもとに避難所へ駆けこんだり、被災地へのバスツアーがあれば飛び乗ったりしました。動き出した理由は、「いてもたってもいられなかった」。ただそれだけでした。
“ボランティア”なんてこれまでしたこともなかった人生でしたが、その後あちこちへ活動を続けてくうちに、自分が“ボランティアさん”と呼ばれていることに気がつきました。
最初は“ボランティア”というととても大層なことに聞こえたけれど、私の中の答えは「関わりたいと思ったから、関わらせてください」という気持ちと行動。それだけのことだったように思います。


■「してもらったこと」は「してあげられる」ようになる

―― “助け舟” は世の中をめぐる
ボランティアをしていて出会った人に「どうしてボランティアを始めたんですか?」とよく訊いていました。往々にして返ってくる言葉は、「私も大変なとき、助けてもらってきたから」という返事。経済的貧困や精神病、いじめ、大切な人を失う孤独。聞けばいろんな苦労を重ねてきた人が多くいました。自分が乗り越えてきたからこそ、「苦難のたちあいかた」や「乗り越えかた」、「してもらってうれしいこと」の方法がわかるし、大変なときに「言ってほしくない言葉」「してほしくない行動」も想像がつきやすいのかもしれません。
苦労の体験は人によって千差万別。みんな違う体験それぞれの人生でしているけれど、個々のその体験たちは、他者の状況を想像する糸口となります。

とても基本的なことだけれど、人は、自分が「してもらってうれしかったこと、助けられたこと」を、誰かに「してあげられるようになる」のです。

つらいとき、苦しいとき、一人ではどうにもならないとき。誰かに助けてもらうことには、“自分が情けない”と感じる人もいるかもしれません。というか…私がそうでした。

でも、「してもらったこと」は「してあげられる」ようになる。そうならば、誰かが出した“助け舟”をあなたが「ありがとう」と受け取るとき、受け取った“助け船”を、あなたはまた違う誰かへわたすことができるようになる。“助け舟”はそうして世の中を巡っていくのです。

多田さん2


■向き合っていく人は強い

震災や原発事故をきっかけに、多くの人に出会い、それぞれの震災以降の体験を聞いてきました。
震災にあった人には、その多くに失ったものがあります。住み慣れた土地、買ったばかりの家、使い慣れた日用品、古くからのつきあい、家族、友人、仲間…。

しかしそれでも、置かれた状況に向き合い、その中で自分にとって一番大事なものを見つけた人はたちあがっていきます。困難に向きあっていく人、自分に必要なものを見つけた人は、本当に強い。方向は変わっても、よりよい人生を自らつくり出していきます。
震災から5年目、今でもまだまだ見えない被災地や原発事故の状況ですが、それでも、答えのないこの問題に向きあう人から学ぶことは本当に多いのです。

山形県はほとんど被害もなかった土地ですが、同じ東北人として、この時代をすごしたものとして、これからも多くの人に向きあい続けてもらえたらと願っています。

================================

プロフィール 多田曜子(ただようこ)
中国・アメリカへ留学後、会社員、アパレル販売員を経て、2011年の東日本大震災をきっかけに避難所・被災地ボランティア活動を始める。2011年8月から「復興ボランティア支援センターやまがた」に勤務。「311ボラMeeting」代表。

「たがやす人」たち集まれ! ――「天童アートロードプロジェクト」の活動より―― イシザワエリ

イシザワさん

こんにちは。いつも「アートワークショップの現場から」で原稿を書かせてもらっています、イシザワと申します。今回は、個人の活動から少し離れて、自分が参加している「天童アートロードプロジェクト」のご紹介をしたいと思います。

天童アートロードプロジェクト」(以下、「アートロード」と略記)では、立場や世代をこえたさまざまな人たちが出会える場をつくること、アートの視点を通して地域の魅力を再発見すること、アートを身近なものに感じてもらうこと、などを目的に活動しています。


■活動の経緯

そもそものはじまりは、東北芸術工科大学の学生有志の活動「みつけたむぎの」です。

「みつけたむぎの」は、天童市田麦野地区を拠点に、アートやデザインの活動を通して、地域の方たちと交流することを目的に、展覧会やキャンドルナイトなどのイベントを行っています。これまで、地域の方が学生の作品を見て「田麦野にこんな風景があったのか」と地域の風景に改めて目を向けてくださったり、逆に学生は地域の方たちから、お漬物のつけかたや畑仕事など自然と共に生きるための知恵や考え方を教えてもらったり、ということがありました。2007年からスタートしたこの活動は、学生と地域の方とが出会い、関わりあうなかで人と人とのゆるやかな関係性を育んできました。

このような活動を天童市内で行うことができないか、また、天童駅から田麦野地域まで、さまざまな拠点をアートの作品でつなぐことができないか、という二つの構想から「アートロード」は誕生しました。
「アートロード」が生まれたことで、田麦野で活動した卒業生はともに活動したメンバーや地域の方とつながることができます。美術や創造的な活動に関心のある人たちが、語りあえる場があること、そして発表の機会をもてることは、個人で制作し、発表することが多い美大の卒業生たちにとって、ありがたいことです。


■メンバーについて

当初のメンバーは、田麦野で活動していた卒業生が中心だったのですが、天童市美術館での展覧会を開催するなかで、地域で魅力的な生きかたをしている人たちに出あうことができました。例えば、三つの商店を経営されている70代のある方は、地元の変わりゆく風景を子どもたちに伝えたいと考え100点の風景画を描かれていたり、とあるお寺の坊(ぼう)守(もり)(お寺の住職の奥様)さんは、お寺に人が集う機会をつくろうと絵本の読み聞かせや、仏具を磨きながら地域の人たちがお話できる「おみがきの会」を開催したり、さまざまな活動をされています。みなさんに共通しているのは、日々の暮らしの中で、自分の好きなことやできることを大切にして、常に何かを模索し続けていること。私たちは、こうして出会った人たちのことを「たがやす人」とよんでいます。「アートロード」では、「たがやす人」たちと語りあうところからスタートします。活動の原動力は何なのか? 仕事や子育てをしながら、自分の好きなことを続けるにはどうしたらいいのか? 「たがやす人」が語るひとつひとつのコトバから、自分の好きなことを続けること、他者や周囲の環境と関わり続けるようとすることの大変さと大切さを知ることができます。

 こうした活動を支えてくださるのは、天童市美術館の存在です。開催場所の提供や活動に対しての助言など、一歩引いた視点をもちつつ、常によりそってくださる「オトナ」の存在をとても心強く感じています。

イシザワさん2



■主な活動について

「アートロード」では、主に三つの活動を行っています。

①「天童meets しゃべっぺナウ」
メンバーの活動や考えかたを語りあう場として「しゃべっぺナウ」を開催しています。美術館の一室をお借りして、ゲストである地域の方に来ていただき、ふだん行っている活動についてお話していただきます。ゲストや参加者の方が自分の経験や感じたことを語るさいの言葉にははっとさせられることが多々あります。地域の活動のこと、そして「アートロード」のことについて語る時間を経てから、ともに展覧会をつくりあげていきます。

②地域の新しい風景をさがしだすアートワークショップ「ちょっとちがういつもを歩こう」
アートの視点を通してふだん見慣れた風景をちがった視点からとらえてみようと、ものづくりワークショップを行っています。昨年2014年度に行った活動では、地域の歴史家の方に高擶地域の歴史を伺ってその場所にすんでいそうな空想の生きものを粘土でつくったり、天童市山口地区で地域の風景をスケッチしたり、地域の方とともにワークショップを開催しました。アートに親しみのない方にも気軽に参加してもらいたいと考えています。

③「たがやす人」による1年に1度の展覧会
一年間の活動の集大成として、天童市美術館で展覧会を開催します。絵画作品や、ワークショップで制作した作品、「たがやす人」たちが日々の生活で感じたドキドキやワクワクから生まれたモノや活動、さまざまな「作品」が展示されます。2014年度の展覧会場内ではこどもたちが気軽に参加できる「ものづくり」の活動も開催していて、美術館内に子どもたちの声が響き、会場内が常に変化し、ひとつのお祭りのようになっていました。来場者の方に「たがやす人」の十人十色の生きかたをみていただきたい、年齢や立場をこえてさまざまな人が出会える場にしたい、そんな想いで展覧会を企画しました。

このように「アートロード」は、2012年から活動を行ってきました。地域で生きるひとりひとりの生きかたを大切にしながら、人と人をゆるやかにつないでいけるような団体になれるように、毎年工夫していきたいと思います。


■最後に告知★

今年度も天童市美術館で展覧会を開催します。期間は2015年11月15日(日)~29日(日)です。地域で活動する「たがやす人」に会いに来てください。

3.11のことは、 やっぱり話したくありません 花屋伸悟

編集長の滝口さんから「3.11について思うことを書いてほしい」とお願いされ、いざ書いてみたら3,000字オーバーという原稿に。これを規定の文量に収めてみたら、何とも窮屈な文章に。原稿〆切の2日前に「こりゃ無理だ」と思いました。

実は、3.11の震災からの2年間、私は復興支援を主とした事業に就いていました。その後、今の職場に移ってきてからも、副業として更に1年間、これまた復興支援の事業に関わることに。そして昨年度の初め、代表からの「○○〇の事業、続けるor続けない」との質問に「NO」と答えたことで、ようやく自分の手から離れたのでした。

この間、色んなことがありました。時には人として、そして男として、どうしても許せないこともありました。今でも、思い出す度に怒りが込み上げてくることはしばしば。

 でも、その一方でブレない何かが見えたこともありました。例えば、

〇災害復旧・復興の結論は、NPO・ボランティアが示すものではなく、その土地にその後も住み続ける住民が自ら選択するものであること。そのため、外部のNPOや災害ボランティアには、時として立ち去る勇気が求められる。

〇災害時のニーズというのは、平時の社会的な課題が災害によって顕在化されたもの。だから、被災地・被災者というフィルターを外してみると、それら課題の本質は、平時の市民活動の中にも多々含まれている。ただし、原発事故に限っては例外(見えないゴジラ相手に一般市民が何とかできる訳ないのです)。

 また、これまで自分が疑問に感じてきたことに、何らかの着地点を見つけることも出来ました。例えば、

〇災害時のNPO・ボランティア活動は社会的な関心が異常に高いところから始まるのに対して、平時のNPO・市民活動というのは、基本的に地味なところから始めるもの。だからこの両者は、同じ様に見えてだいぶ違う。

〇NPO・ボランティアの領域にいる多くの人が、復旧過程のあるべき姿として、ボランティア元年と言われた「阪神・淡路大震災」のそれをイメージしていることへの疑問。これについては、自分たちの住む町を部外者から守るために、雲仙普賢岳の火砕流に巻き込まれて犠牲となった消防団員や、大島・三原山の噴火の時に全島避難をし、その後に生活再建を果たした住民たちの姿に、私の答えは潜んでいました。

 と、ここまで書いてきましたが、3.11の一連の動きを離れてからというもの、私は3.11について自ら話すことを控えています。というより、話したくないのです。

「いなくなったヤツは、敢えて黙ってなきゃならんこともある」

もう何年も前に、私は高校時代の担任からそう諭されたことがありました。私が3.11について話したくない理由とは、きっと、そういうことなのだろうと思います。

===========================================

■プロフィール
花屋伸悟 (はなやしんご)
1984年、山形市生まれ。東北公益文科大学卒業後、フリーで多様な業界を経験。また、地元の気のあう仲間同士でグループをつくり、さまざまなアクティビティをしている。NPO・市民活動には3.11を機に深く関わるようになり、現在の本職はNPO中間支援。山形市在住。

平成27年度「山形学」講座 時をつむぐ若者たち~ともに創る山形の未来~

地域学の試み、「山形学」。今年度は、地域の担い手である「若者」をキーワードに、山形の過去・現在の活動を通して、地域や山形の未来を考えていく講座「時をつむぐ若者たち ~ともに創る山形の未来~」(以下「講座:山形学」と略記)が開催されました。そこに、『まどあかり』編集部を代表して筆者(大原)が参加してきました。講座は全6回。会場は基本的に遊学館(山形市緑町)ですが、ときおり現地学習もあり、講座内容は実に多彩です。今回はその中で、第1回から第4回までの講座の内容をまとめました。

*     *     *

第1回目の「講座:山形学」は7月11日(土)に行われました。この回は現地学習ということで「つどう・学ぶ若者」をテーマに、小国町にある学校「基督教独立学園」を見学したり、南陽市のご当地ヒーロー「南陽宣隊アルカディオン」を企画・運営する若者グループ「HOPE」のお話を伺ったりしました。

講座の前半に訪れた「基督教独立学園」は、人里離れた山の中で聖書や自然を通し、さまざまなことを学んでいる全寮制キリスト教系の私立高校です。ここでは主に、在籍中の生徒さんによるプレゼンを通し、学校の概要について説明いただきました。こちらの学校ではもちろん通常の教科も勉強しますが、それ以外に炊事や園芸、牛・にわとりの世話といった生活に関わる作業も授業の中にとりいれているといいます。教科書の内容を理解するだけではなく、日々の暮らしで得られる体験のひとつひとつを学びとして捉えている点が特に興味深く感じられました。

そして講座の後半では、南陽市の沖郷公民館に移動し、そこで「HOPE」代表の加藤健吾さんによる講話や、「南陽宣隊アルカディオン」のショーを鑑賞しました。筆者が特に驚いたのは、アルカディオンは衣装をはじめショーにかかる費用を市に頼らず、すべて加藤さんたちご自身でまかなっているという点です。当然、自分たちでお金を集めることは容易なことではありません。しかし加藤さんは、ここまで活動を続けられたのは、純粋に楽しかったからだといいます。ここで市からお金をもらってしまうと、彼らにコントロールされる可能性が生じてくる。活動が制約されてしまっては素直に楽しめない。だから、たとえ苦労しようと、そこからわきあがる楽しい気持ちを失わないために、これから先も自分たち自身の力で活動していくのだそうです。行政に頼らずしてここまで活動を継続してきた「HOPE」は、市民活動のロールモデルとして学ぶべき点が沢山あるなと思いました。

7月18日(土)に遊学館で行われた第2回目の講座では、児童文学者の鈴木実さんと「ぷらっとほーむ」共同代表の滝口克典さんを講師とし、「よむ・かく若者」をテーマに講座が行われました。鈴木さんからは生活綴方時代の若者たちのお話、そして滝口さんからは「ぷらっとほーむ」での若者たちの活動を紹介していただきました。

生活綴方とは、簡単に言ってしまうと「生活をテーマにした作文」のことをさします。鈴木さんのお話によると、これは1910年代に確立されたもので、子ども・若者たちに自身の生活やそのなかで見聞した事柄、感じたことなどを文字に書きおこさせることで、自ら学び考える力を養っていってもらおうという教育実践です。戦時体制の強化により生活綴方は一度衰退しますが、戦後になって、アメリカから導入された新教育は日本にそぐわないとの批判から、生活綴方運動を母体にした生活記録運動が、若者たちの間でもりあがりを見せるようになったそうです。

 「ぷらっとほーむ」は、若者を中心とした利用者どうしが本音で語りあえる居場所です。ある事柄について、自分はどう思っているのか、どう感じているのか、フリースペースでの気軽な雑談や学びの場でのディスカッションを通し、利用者たちが自分の考えを明確化したり立ち位置を獲得したりしていく姿は、生活綴方とも通ずる部分があるのではないかと思いました。

第3回目となる「講座:山形学」は「農のしくみを創る若者」をテーマに、遊学館にて8月2日(土)に開催されました。「JA山形おきたま飯豊地区青年部」の田中俊昭さん、「アグリーウォーカーズ」の粟田幸秀さん、「農的暮らし研究所」の小松薫さんと、農業にたずさわる若者3名を講師に招き、若い世代ならではの視点から紡ぎ出される新たな農のありかたやしくみについて、お話を伺いました。

筆者はそのなかでも、小松さんによるパーマカルチャーのお話に興味をひかれました。パーマカルチャーとは、石油に依存しない農を中心とした循環型の暮らしのことをさす言葉。3.11をきっかけにエネルギー問題などに着目するようになった小松さんは、半世紀前のそういった農的暮らしぶりを現代の生活様式にとりいれようと、パーマカルチャーの活動に取り組んでいます。小松さんはその試行錯誤のなかで生まれた、地産地消の野菜を使った郷土料理教室「一汁一菜の会」や、ミニソーラーを自作して自然エネルギーについて学ぶ「ほどほど電力ソーラーワークショップ」などの取り組みを丁寧に紹介してくださいました。

「継承する若者」と題した第4回目の講座は遊学館にて8月22日(土)に行われました。今回おこしくださった講師は「鮭川歌舞伎保存会」座員の西野哲史さん、新庄亀綾織技術継承者の阿部友香さん、「青苧復活夢見隊」メンバーの高橋里奈さん、西野神楽・宮曽根神楽篠笛奏者の井戸川美奈子さんの4名。

伝統文化を継承する上での問題点に少子・高齢化があげられます。子ども・若者の数が減ってきている最中で、どのように伝統文化の担い手を見出してゆくか。例えば西野さんの場合、鮭川歌舞伎を始めたきっかけは、小学生時代に地域の年配者たちから勧誘を受け「鮭川子ども歌舞伎」に出演したことだそうです。西野さんの住んでいる地域では、若い世代と年配者との交流がさかんで、年配者を通し、子ども・若者たちは歌舞伎を非常に身近に感じながら育っていきます。歌舞伎というと、どうしても渋くて硬いイメージがつきまといますが、西野さんは大人が楽しんで歌舞伎を行っている姿を子どもたちに見せることにより、民俗芸能に対し肯定的なイメージを抱いてもらうということが、伝統文化を継承していく上で何より大切なのではないかといいます。また、井戸川さんの場合だと、西野神楽をPRするため、ゆるキャラが製作されたという事例を挙げ、伝統文化に現代的な感覚をとりいれるなど、時代に即したありかたを求めることも、ひとつの方法なのではないかとおっしゃっていました。
 
*     *     *

ここまで全4回の講座を通し、「若者と大人が世代をこえてつながりあうこと」「楽しみながら活動すること」「過去と現代、既存の文化を解体し再構築すること」などが、山形の未来を考えていく上でのヒントになりそうだと感じました。        

(文責:大原 克彰)

じゅくぎ@ヤマガタ のキロク 滝口克典

マスメディアのアジェンダ・セッティング(論点設定)をうのみに支持者を決めたり、候補者のイメージだけで投票先を決めたり、あるいはそもそも棄権したり、といった貧しい選択肢しかもちえていないわたしたちの選挙の現状。これらをなんとかしたいと、わたしたちは、統一地方選を間近に控えた3月、「じゅくぎ@ヤマガタ」という企画を構想し、県内各地の活動する若者たちに以下のように呼びかけました。

**********************************

あの震災から早くも丸4年が経ちました。災後の日々が教えてくれたのは、私たちの生きるこの社会が思っていたよりもずっとひどく、ぼろぼろに劣化し、あちこちに綻びが生じているという事実でした。震災のずっと前から生じていたものを、震災は可視化しただけでした。

 そういう惨状に対しては、若い世代――まさにそういう世の中を生きていかねばならない世代――を中心に、自分たちの身近なところからこのどうしようもない世の中をつくりかえていこうと、ミクロな社会づくりの実践があちこちで活発化しています。

しかし、そうした草の根の地道な実践が社会のより大きな文脈につながることはまれで、いまだ地味で目立たない営みにとどまっています。現場での社会づくりの知恵やアイディアを、政治や経済などの大文字の文脈につなぐとりくみが必要です。

おりしも、4月からは統一地方選が始まります(4月12日に県議会議員選挙、26日に市議会議員選挙)。議会の議員をえらぶ選挙は、さまざまな現場でおこっていること、あがっている声を行政府に届け、必要な政策や制度に取り組ませるための、非常に重要な機会です。

そこで私たちは、この機会に、さまざまな現場でどのような問題がおこり、どんな声があがり、どんな取り組みが求められているのかを可視化し、行政府に届けるきっかけをつくるために、同時多発的かたりばネットワーク「じゅくぎ@ヤマガタ」というイベントを企画しました。 

県議会議員選挙のちょうど1週間前の4月5日(日)13:00より、山形県内のあちこちで、同時多発的に「熟議空間」――多様な人びとが集ってテーブルを囲み、同じテーマをめぐってさまざまな角度からじっくり議論を重ねていく場――を開きます。あれこれをゆっくりじっくり考えるという過程を経たうえで、1週間後の投票を迎えようというわけです。

ということで、あちこちで「熟議空間」を開いてくださる活動者/団体の方がたを募集します。開催にあたって必要なのは次の三つです。第一に、みんなで語り合ってみたいテーマをひとつ決めること。第二に、いろんな立場の多様な人びとがフラットに話せるよう、当日は参加型の場づくりを行うこと。第三に、当日どんな声があがり、どんな問題が議論されたかを記録し公開すること。

もちろん、不安なこと、わからないことは、事務局がサポートします。というか、そもそもこういう取り組み自体ヤマガタでははじめての試みですので、たぶんいろいろ失敗やらミスやらは生じるでしょう。でも、それらをもちより検証していくことで、長期的に企画の水準を高めていきたいと考えております。

ということで、まずはいっしょにやってみませんか? ぜひやってみたいという方は、①そこで話してみたいテーマ、②開催場所、をお知らせください。いただいた情報を随時集約し、ウェブサイト「じゅくぎ@ヤマガタ」に掲載いたします。応募いただいた方(団体名:●●●●)の「熟議空間」はそれぞれ「じゅくぎ@●●●●」と表記します。

ウェブサイトは開催当日まで随時更新し続け、興味をもった人がその「熟議空間」マップをみて、「あ、うちの地域であの団体がやってる。行ってみようかな」みたいになることを目的に設置します。企画終了後は、そこであがった声やかわされた議論を掲載し、広く公開するための媒体として活用します。

いかがでしょうか。ひとまずこんな枠組みで動き出してしまおうと思っています。興味をもっていただいたみなさん、ぜひいっしょにやりませんか? どうぞお気軽にお声がけください。

**********************************

こうした呼びかけに、山形市内で活動する若者グループや個人の方がたが呼応してくださり、下記の八つの「熟議空間」が開設されることになりました。

(*残念ながら、山形市以外の方がたからは軒並み「あと1カ月しかないのでスケジュール的に困難」「仲間を説得できない」「選挙とかいうと色がつきそうで難しい」などの理由によるお断りの返事をいただきました。同じ条件は山形市内で活動する方がたもあてはまるわけで、ではなぜ山形市の活動者たちだけがそのハードルをこえることができたのか。今後の思考課題になりそうです。)

①教育ってなんだろう?…………樋口愛子さん(クローバーの会@やまがた)
②障害者及び要介助高齢者の社会活動(要予約)……齋藤直希さん(障がい者)
③ヤマガタのNPO(NPO支援)ってどーよ?…………………………………
…………………………………滝口克典(ぷらっとほーむ・学びの場づくり)
④政治ってなんだろう? ……松井愛さん(ぷらっとほーむ・居場所づくり)
⑤公共サービスと公契約条例……佐藤完治さん(山形公務公共一般労働組合)
⑥「まち」とアート……………………………山田正一郎さん(夜間美術大学)
⑦「働く」って何なの?(学生限定)…………………工藤吉貴さん(大学生)
⑧自己実現とはなにか?………奥山心一朗さん(てつがくカフェ@やまがた)

かくして5日(日)当日、山形市内の各所で同時多発的に上記の「熟議空間」が開かれ、そこに人びとが集うことで、それぞれのテーマについて市民がフラットに語ったり考えたりできる熟議コミュニティがうまれました。
では、それぞれの熟議コミュニティにはどのような人びとが集い、彼(女)らによってどのような議論が行われたのか。以下では、その雰囲気や概要を六つの「熟議空間」それぞれの主宰者のみなさんに記述していただきました。


●じゅくぎ@工藤吉貴

*テーマの背景*
大学生の誰もがぶつかる「働く」というテーマ。近ごろの政治においては、働くという営みは実に暗く窮屈な営みとしてとりあげられているように感じられます。それでは、実際のところ、学生は働くことについてどのように感じ、考えているのか。この機会に話しあってみることにしました。

*参加者*
3名(山形大学・経済学専攻4年Mさん、山形大学・心理学専攻3年Tさん、
東北芸術工科大学・コミュニティデザイン専攻2年Oさん)

*当日の流れ*
「じゅくぎ@工藤吉貴」の開催趣旨説明 → 自己紹介(名前、所属、参加動機) → 参加者の話題提起からフリートーク

*トークトピック*
●現時点で考えている卒業後の進路について:
話しあいのなかで「働く」という営みを考えるうえでの三つの視点が浮き彫りになりました。

①専門性――「自分が大学で学んだ心理学を活かして社会に関わっていきたい」「実家が農家なので、農業にコミュニティデザインを活かせないか」などと大学で学んでいる専門性と仕事をどうかけあわせるのかという視点。

②自己の性質――「提供する価値を最大化できる仕事を探している」「何かを構想するのが好き」などと仕事を好き嫌いや得意不得意といった自身の性質と照らしあわせるという視点。

③社会的な課題――「何かの仕事に就きたいというより、“東日本大震災”とか自分の関心のあるテーマと向きあっていきたい」などと社会的な課題を仕事に落としこんでいくという視点。

●お金の使い道について:
現代では、労働の対価としての「金」は、「働く」という営みと切り離せない存在です。その金の使い道をどのように考えているのかという話題が提起されました。参加者からは「考えたことなかった」という声から「お金は体験にだけ使うようにしている」というこだわりの声まで聞かれました。「食べものは買うもの」「結婚をしなければならない」「子どもは産まなきゃいけない」――そういった一定の常識を見直すことで「金」観が変わり、結果的に「働く」観が変わることにつながるのではないかと感じさせられました。

●政治と働くについて:
ギャップ・イヤーのような「高校・大学卒業から就職のプロセスの間に“お試し期間”を制度化したらどうか」という提案がなされました。どのような制度かといえば、「ある一定の期間を定め、その期間内は国から“健康で文化的な最低限度の生活”が可能な生活費を返済不要の形で援助され、また、その期間は公営住宅への入居が認められる。そして、この期間内で、企業へインターンシップや職業体験を行い、興味のある仕事の実態を知り、自分への適性を考えるきっかけにする」というものです。

*まとめ*
やはり、日ごろ考える機会の乏しい「政治」と結びつけてテーマについて話しあうことは難しかったです。しかし、参加者の語りからイメージされる「働く」という営みは、政治における扱われかたよりもはるかに豊かでワクワクを感じさせてくれるものであり、今後の「働く」観を考えなおすたいへんよい機会となりました。     (文責:工藤吉貴)

●じゅくぎ@クローバーの会@やまがた

テーマ:教育ってなんだろう?
「クローバーの会@やまがた」は、不登校・ひきこもりの子どもをもつ親の会です。その視点から、あるいは過去に不登校を経験したという参加者の視点からさまざまな考えが出されました。
はじめに、現在の学校教育について話しました。

○個性が大切にされず、規定にあわせた子どもに育てようとしている。
○雪合戦すら禁止されている学校がある。ルールだからといって理由をきちんと説明せず、なんでもかんでも禁止してしまっているように感じる。
○不登校になると「発達障害ではないか?」とすぐに受診をすすめられる。そのことに違和感がある。
○大人の社会と同じように学校も競争社会になっている。     など

 次に、なぜ子どもたちは息苦しさを感じるのかについて話しました。

○周りが子どもの気持ちに 寄り添っていないから。
○もともと集団が苦手な子どもがいるのに、その場に適応することを強制させるから。
○先生がたや親は自分たちの立場を守ることを優先している傾向があるから。
○生徒、先生、親 それぞれの時間に余裕がないから。       など

 そして、どのように変わっていけば、子どもたちが笑顔で幸せを感じなからすごせるのかを熟議しました。

○一人で生きていける力、社会で生きていく力は「学力」ではないはず。死ぬまでに何をしたいかを、子どものころから考える時間があるといいのではないか。
○「発達障害」とカテゴリ分けすることよりも、生きている楽しさを知ることのできる教育が大切だと思う。もしカテゴリ分けをするとしても、それは自分の特性を知ることにより、社会での生きていく力につなげるべきである。
○自分の頭で考え、自分の言葉で表現できるような教育になってほしい。
○学びの場に多様性があって、子どもたちが選択できるような教育の形があればいい。                         など

参加者の話から、現在の公的な教育をつらく感じている子どもたちが多くいることがわかりました。そして学校しかないという考えかたで、親も子もますます苦しんでいるという現状を改めて認識しました。教育の目的が、人間としての成長を促し社会で生きていく力をのばすことだとするなら、学びの場は学校だけとは限らないはずです。フリースクール、ホームスクーリングなど子どもたち自らが選び、歩んでいけるような教育になるように、「クローバーの会@やまがた」でも今後アクションをおこしていきたいという話になりました。

 最後に、なぜこのような教育になったのか、についてみんなで考えてみました。教育はその時代の国の方針で変わる。ということは、私たちがどういう政治家を選ぶかで教育の形も違ってくるのではないかという考えに、みんな納得しました。わたしたちが思考停止でいれば、権力者が扱いやすいような国民にコントロールされてしまう、それはおそろしいことだ、という気づきもありました。だからこそ、選挙のときは候補者の語りにしっかりと耳を傾け、よく考えて大切な一票を投じなければならない、と参加者みんなが感じたところで熟議は終了しました。
参加者は3名と少人数でしたが、そのぶん深く掘りさげて語れたように思います。 (文責:樋口愛子)

●じゅくぎ@齋藤直希

①自己紹介、資料等配布、「じゅくぎ@齋藤直希」の企画・参加理由。(以下、抄録)

●主催者=司会者:齋藤直希。先天性重度障害者。制定・改正続く公的介護制度と運用、「山形の福祉の現状」、障害者や要介助高齢者の諸制度等、諸疑問を認識。「じゅくぎ@齋藤直希」企画。

●参加者各位:某公的事務員 S君(中度障害者40代)、某介護事務員 松田君(中度障害者40代)、高校教諭 井上先生(60代前半)、介護福祉士・管理者クラスY さん(業歴10年・若手女性、途中参加)。各自目的意識のもと、参加。
※以下、項目表題で参加者各位に討論いただきました(司会者)。

②憲法を頂点とする制度上の介護制度=障害者総合支援法や介護保険方等の資料にもとづく説明・問題点=『通院等介助』や『移動支援のあり方』等の「自立支援」との観点からの問題提起。

●参加者側:(割愛)

③買い物代行と嗜好品。買い物代行は『嗜好品』につき通達等で明確な規定もなく、「本人のための『日常品等の買い物』」という規定のみ。『日常品』の解釈困難。酒類の買い物代行につき事業所の対応異なる。「毎日晩酌なら酒は『日常品』か。逆に必ず「毎日キャベツやチョコを食す」場合でないとき、『嗜好品』の範疇か。

●参加者側:3.11支援物資中「煙草」があり、その問題と似ているのでは。道徳や倫理感で「公金で酒を買うのは?」との社会的思考残存。「誕生日に誕生日ケーキを買ってきてください」ということも解釈で駄目か。逆に「毎日ケーキを食べる利用者の場合セーフ」となるか。解釈で矛盾が生じやすい。

④身体介護のグレーゾーン問題(医行為とのせめぎあい、含)。

●参加者側:(割愛)

⑤(資料やテーマその他の自由討論開始)障害者の就労や給与などの問題。

●参加者側:(割愛)

⑥障害者の就職活動等の努力活動について。障害者の社会活動上、「差別されたくない。障害者の事情も理解して」との障害者側の主張と、「障害者側は、『健常者側から差別されぬよう、あるいは障害者の事情を理解してもらえる』ように積極的努力をしているか」という違和感問題。

●参加者側:(割愛)

⑦障害者と公共施設。

●参加者側:(割愛)

⑧「弱者」に対する社会の状況および障害者や要介助高齢者等に対する社会的理解の推進や現存する諸問題の解決方法論。

●参加者側:(割愛)

⑨障害者等に対する社会的理解を推進する具体的方法論(「個々人で理解を得る努力をすべき」か、今回のような「さまざまな事柄を話しあう場」を通じ「『さまざまな立場の方がたが参加し社会に対し理解を得る努力をする』場」が存在した方がよいか)。および今回の感想と「まとめ」。

●参加者側:(一部割愛)実際に障害者の方から直接話を聞き納得できた部分も多かった。だがこういう場をつくった後「どう動くとよいか」ということが最重要かと感じる。このような「話しあいの場」があることはよい。他方、「興味のない方にいかようにアプローチし伝えればよいか」との課題も残る。さらに個人で考えるには限界があり「話しあう場」での話により考えかたの視野が広がる。そういう視点で「語りあいの場」は必要。とともに「障害者だけで行う」ならば「やる意味」「場」の必要性は減る。健常者の方も交えキチンと司会進行を行い「このような場合はあなたはどうですか」と感想等を述べたりできるかたちも必要。そのうえで「場」の話しあいの結果を外世界に発信できればよい。文脈上「障害者も健常者のことを理解する必要がある」すなわち「相互理解」が必須と考える。   (文責:齋藤直希)

●じゅくぎ@ぷらっとほーむ(居場所づくり)

〈テーマ〉政治ってなんだろう?

〈会 場〉フリースペース ぷらっとほーむ
「じゅくぎ@ぷらほ・居場所づくり」では、20代から30代を中心とした合計8名の参加のもと熟議が行われました。
政治に対して無関心な若者が多いといわれていますが、この場では、日曜日の昼間にも関わらず積極的に話しあいが行なわれました。

はじめに、政治に対してのイメージや素朴な疑問をカードに書いて出しあいました。そして、それらのカードを並べかえ、「有権者」「選挙」「政治家」「市政、県政、国政」の四つにテーマわけし、それぞれの論点で話しあいを行いました。
以下、それぞれのテーマで出た意見をご紹介します。

●有権者について……難しそう?/自分一人が選挙に行っても何も変わらない?/特別な人が関わるの?/投票したい人がいないなら自分が立候補?
●選挙について……マニフェストをチェックしている?/選挙カーに対しての決まりごとは?/立候補するには?/政党とは?
●政治家について……政党の違いとは?/世襲政治?/汚職?/誰がやってもさほど変わらない?/仕事内容は?/議員の給料は?/クリーンな政治は可能?/政治家の都合がよいように法律をつくっている?/政治家のレベルは有権者のレベル?
●市議、県議、市政、県政について……どんなビジョンをもっている?/市民の声は届いている?/市民の状況をどこまで把握しているの?/決定されている懸案が見えない?/参議院とは?/衆議院とは?

以上のような各テーマで議論を重ねました。そのなかで、「自分が政治家になったら有権者に求めること」について以下のような意見が出ました。

●「見えない! 聞こえない!」ではなく、「見よう! 聞こう!」。
●よいところはよいといってほしい。
●反響、ツッコミがほしい。
●関わりかた、手のさしのべかたを知りたい。
●講演会にきてほしい。
●当事者性をもつことが大切。政治家を叩くだけの消費者的有権者ではいけない。

そして最後に感想をいただきました。

●議会傍聴など自分からアクセスして調べる。声を上げるとかしていかなければならない。
●政治に対しては遠いものというイメージだったが基本的な知識を知ることにより身近にあるものというイメージに変わった。
●情報を取りに行く重要性を再確認した。政治家に文句を言う前に有権者としてどう行動するかが重要かを振り返ることができた。
●政治に参加して得られる小さな変化が大事なんだと思った。
●自分1人が投票に行っても変わらないという意識の集合体が現状のような事態(投票率の低さ、若者の政治離れ)を招いている。
●自分の一票のがどう社会を動かすか、その手応えを実感できる機会や、この一票重みを知る機会作りなど、いち有権者として、やらなければならない。
課題はたくさんある。
●政治に関わらない=損。という認識が全体の感想として得られました。
●政治について知る機会の重要性に気付かされるイベントでした。
(文責:岩田享志)


●じゅくぎ@公共一般

「じゅくぎ@公共一般」は、主催者1名に一般参加者3名と少人数かつ1時間半と短時間ながら、公共サービスと公契約条例(公共サービスに共通する問題と山形市議会で公契約条例が成立しなかった背景など)について掘りさげた議論がなされました。
この「じゅくぎ」の趣旨説明と参加者自己紹介のあと、主催者から、公契約条例のそもそも論や山形市の条例案の中身を報告。公契約条例は「賃金の底上げ」と「地域経済の好循環」をめざし、「賃金の下限額を定める」「市はこの下限額を守ると約束する業者にしか仕事を発注しないことにする」というものであること、山形市の条例案では業務委託の「下限額」として宮城県の建築保全業務労務単価という国の指標として、資格技能に応じ最高値2,450円、最低値915円程度の額が参考にされていたことが紹介されました。

質疑のなかでは、しかし当面は概ね現状を追認する程度の額からのスタートとなる見通しだったことも明らかにされました。また他の自治体の例として千葉県野田市では、時給700円台だった清掃員の方が800円台にあがり、お昼のお弁当のグレードをちょっとあげることができたことが紹介され、健康で文化的に生活できる賃金という水準には到達しないので、本来国が公契約法ですべきこと、そうなるようにひとつでも多くの自治体が条例を、という一種の運動であることが指摘されました。
ついで主催者は、山形市条例案が否決された背景について、業界の意向を受けた市議の方がたが賛成に回れなかったからと説明しました。全国的にはむしろ業界側から条例制定を求める声があがり保守系の議員も全会一致で条例が制定されているのに、山形市の経緯は特異だったことも紹介されました。
以上のような質疑を経ておおまかに理解を共有したうえで、参加者からの意見、疑問を受けて、さらに以下のように議論が進行しました。

○他市では「業界団体も公契約条例を求めている」というが、その趣旨を山形市の業界団体にもPRする必要がある。
○そもそも下請のありかた、二次、三次とピンはねされる構造に対策が必要だ。
○ピンはねの構造は実際、業界外からはブラックボックスだ。業界内の労働者がしっかり声をあげて内実を告発できるような労働組合・労働運動の存在が求められる。
○職種に応じた賃金以前に、どんな仕事をしていても最低限生活できる賃金を、本来最低賃金が定めるべきだが、現状ではむしろ低い額に固定させる機能を果たしてしまっている。どんな仕事をしていても最低限生活できる土台の上で、より高い賃金が欲しい人が難しい資格や技能にチャレンジする、それに見あった報酬が払われるという構造が望ましいのかもしれない。
○本当はあたり前のこと、「きちんと賃金を払えて、きちんと仕事してくれる」ところに発注するのは市民の福祉にもつながる。
(文責:佐藤完治)

●じゅくぎ@夜間美術大学

□地域の荒廃など、さまざまな社会問題に対して文化芸術の果たしうる役割を考察した、劇作家・平田オリザ『新しい広場をつくる 市民芸術概論綱要』(以下『新しい広場』)を紹介しつつ、文化政策や地域社会における芸術の役割などについて話し合いました。

◯文化政策

・『新しい広場』では、日本の文化予算(対国家予算)が、他の先進国平均に比べて有意に少ない(1/4程度)と述べられています。

・なぜ日本だけ少ないのか話題になりました。参加者からは、日本では、すでにある文化(文化財の保護)には予算をかけるが、これから新しく生まれる文化を育むためには予算をかけない傾向がある、との意見がありました。

◯コミュニティ維持のための芸術

・『新しい広場』では、人びとを融和させるもの、コミュニティをつなぎうるものとして、文化・芸術があると述べられています。東日本大震災後、地域の伝統文化である獅子振りをいち早く復旧させた女川町竹浦集落は、他の地域よりも早く自律的な復興に取り組めたそうです。

・祭などの伝統文化 → どこも後継者不足。一方、地域のつながりの推移を見守る存在であるマタギは近年、アーティストの参加が増え、見直されている。

◯広場としてのアート

・『新しい広場』では、学校や塾しか居場所がない現代の子どものために、市場経済ともどうにか折りあいがつけられる「新しい広場」が必要であり、そのひとつになることが、劇場や、美術館の役割ではないかと述べられています。

・市場経済と折りあいをつけるのは、小さなまちほど難しい。生活に必要な分野にお金を回すだけで精一杯で、文化には予算をかけられない。文化にどのくらい配分をかけられるべきなのか?
難しい問題ですが、国には最低限のことをきっちりやってもらいたい、という意見にみな同意しました。

□テキスト以外のテーマ

◯美術教育

・いま、学校では美術図工の時間が減らされており、教員は非常勤が増えている。芸術を進路に選ぶうえで、美術図工の授業は影響を与えているのか?

・学校の美術や図工の時間でいろいろな経験ができたことが、アートを進路に選んで以降、入口として役にたった。

・アートは、やるにも理解するにも仲間が大事。アートについて、学校でみんなで語りあう時間があるといい。

◯アーティストが地域で生きていくためのヒント

・山形で芸術・デザインを学んでもその経験を活かして働ける場がない。

・アーティストとして生計をたてたいのか、趣味として続けていきたいのか、のどちらかではなく、新しいありかたを探りたい。

◯文化政策の現状

・最後に、県議会選に出馬した候補者が文化政策についてどう考えているのか知るため、HPを閲覧しました。HPを作っているのは4人。あってもあまり見やすくはない。文化政策を重視していると思われる候補は、1人のみという暗澹たる状況。

・自由に発言する権利はぼーっとしてる間になくなってしまうという危惧を感じる、どうやって守っていくのか考える必要がある、という発言で締めくくられました。

□参加者の感想として、政治的なことを考えるには人数が少ない。いろんな人の意見のなかでこそ考えを深めることができるのではないか、という意見がありました。

政治など重いテーマの勉強会に参加してみようと思ってもらうために、どのような言葉で呼びかければいいのか、芸術などいろいろな視点から日常的に政治について考えることで、そのような言葉をたぐりよせていくしかないと感じました。              (文責:山田正一郎)

=======================

夜間美術大学
山形で芸術に携わる人のための緩い場のようなもの。定期的に、
現代社会で表現活動を行うことの意味や、アートの現代における
役割等について勉強会を行っています。

「山形大学Academic Café」阿部尚美さん(山形大学医学部 学生) 聞き手:大原克彰

AC1.jpg


山形大学公認の学生サークルAcademic Caféが今年の6月で結成2周年目を迎えます。通常の大学サークルとは少し違った運営方針で、今後は大学と地域を結びつける重要な居場所に発展していくかも。そんなAcademic Caféとは、一体どんなサークルなのか。サークルの創設者で代表の阿部尚美さん(山形大学医学部・学生)にお話をうかがいました。

●Academic Caféとは? 

――― Academic Caféとはどんなサークルですか?
 Academic Caféは山形大学のさまざまな学部の学生が集まってプレゼン発表会やディスカッション会などのイベントを行うサークルです。山形大学は学部ごとにキャンパスが別々になってしまうのですが、せっかくの総合大学なのだから「いろんな学部の人と関わりたい」「自分の興味のある分野や何かについて語りたい、発信したい」「深く議論できる仲間がほしい」という思いを抱えた学生たちが集えるコミュニティといえます。
 また、イベントの開催は毎月1回。大学だけに留まらず、カフェなどの飲食店、公民館など地域の公共施設をお借りして開催しています。


――― 例えばどんな内容についてプレゼンやディスカッションをするのですか?
 会ごとに内容は変わるのですが、例えば最近だと「山形」をテーマにプレゼン発表会を開きました。山形出身者はもちろん、県外出身者にも参加してもらい、さまざまな視点から「山形の良い面・悪い面」について考察しました。その結果、山形について新たな発見や気づきがあり、より山形という地域について理解を深めることができました。

――― イベントは学生だけでなく一般の方も参加できる?
はい。山大生だけに留まらず、他大学の学生さんはもちろん、一般の方々でも参加することができます。やはりさまざまな人の視点から物事を考察した方が面白いと思うので。
ただ、毎月のように外部の人を招いてしまうとサークルメンバー同士でのコミュニケーションが希薄になってしまう恐れもあるので、サークルメンバーのみの交流を目的としたイベントと、一般の方を交えて活発な議論を交わすことを目的としたイベントをわけるようにしました。ですので、他大学の学生さんや一般の方が参加できるのは2ヶ月に1回ということになりますね。


●高校時代の居場所の原体験に基づくAcademic Café

――― サークルを立ち上げた経緯について教えてください。
大学に入りたてだったころ、わたしの周囲に意見を発信したり議論したりできる居場所がなかったことがサークルを立ち上げたひとつの大きな要因です。
実は高校時代、わたしの身の回りには活発に議論できる仲間がたくさんいて、誰かが意見を周囲に投げかければ必ず反応が返ってきたし、そういった意味で非常に楽しい高校生活を送っていました。
しかし、大学ではそういう居場所がなかなか見つからなくて。でも、講義などを通して出会うさまざまな学部の学生とは意見交換できる機会があり、実は見えないだけで、大学内にも普段勉強していることや興味関心があることについて発信したい学生はたくさんいるのではないかと気づいたんです。じゃあ、そういう人たちが集まれる場をつくってみたらどうだろう? そうした思いからAcademic Caféを立ち上げました。


――― 自分で一からサークルを立ち上げるのは不安ではなかった?
もちろん不安でしたが、「結果はどうあれ、何かやってみたい」という思いの方が勝っていた節があります。
当初、思い切ってサ-クルの構想を周囲に打ち明けたら同意してくれた学生も何人かいたので。彼らにも協力してもらいながら、何とかサークルを創設するまでに至りました。正直、あまり長期的なことは視野に入れずに勢いで立ち上げたサークルだったので、現在に至るまでこんなに長く続くとは思ってもいませんでした。自分でびっくりしています(笑)。


●大学と地域を結びつける交差点としてAcademic Café

――― どうしても身内だけの盛り上がりになってしまいがちな大学サークルですが、外部にも開けているという点でいえば、Academic Caféは少々特異な学生サークルかと思います。内と外、二つのイベント形態を維持するのは大変かと思いますが、そのあたりはいかがでしょう? また、そのほか現在抱えている課題などはありますか?
正直、大変です。やはり外部の方々をお招きするので、サークルメンバーもただ参加しているだけでなく、「自分もこのサークルやイベントの運営に関わっているんだ」という当事者意識をもってもらわないといけません。そのためみんなで密に話し合いを重ねていき、そのなかで徐々にメンバーシップを確立していきました。おかげでサークルとしてはかなりまとまりが出てきたと思います。これで外部の方を招き入れる体制はだいぶ整ったので、あとはどのようにAcademic Caféの活動を周囲にアピールして、より多くの方に足を運んでもらうかが現在の課題ですね。確かに知名度はだいぶあがってきてはいるのですが、現状に満足せず、大学と地域が交流できる、より開かれた場所にしていきたいなと思っています。

――― ありがとうございます。皆さまもぜひAcademic Caféに足を運んでみてください!                            
(了)



===============================

*Academic Caféに関する情報は下記をチェック!
〈ホームページ〉
http://academiccafe0923.wix.com/acwebpage
〈Facebookページ〉
https://www.facebook.com/academiccafe.yamagatauniv
〈Twitter〉 @Academic_Cafe
〈LINE@〉 @VLK6578E  
あるいは、下記のQRコードをスキャン!


AC.jpg

[庄内篇]私たちの仲間同士のおつきあい って、とっても快適なの!「互いに配慮しあうこと」の大切を意識したコミュニケーション術まとめ

a.jpg


ここ数年、同年代の同じ価値観をもつ人たちとすごすことが多い。
その居心地よい時間は、仲間同士で丁寧に築きあげてきた信頼関係の結果です。

私は、ここにいたるまで人づきあいも苦手だし、引っ込み思案で、好きな人と苦手な人とをわけて人づきあいをしていました。
そのころは、視野も狭く、人の嫌なところが気になり、くだらない価値観というメガネをかけた悲しい自分がいたのです。

しかし、自分が住みやすく快適なコミュニティをつくろうと思い動きはじめてみると、この他者との関係が円滑でないと何もはじまらないことに気づかされました。

そこで、こんな私を劇的に変えた「他者との心地よい関係づくり」と、私の友だちが実践している「周りとの関係づくり」「私のコミュニケーション術」についてサラッとご紹介したいなぁと思います!
明日から、信じられないぐらいに誰とでも仲よくなれますので期待して最後まで読んでください♪ それでは、はじめます!
まずは、師匠ヒロ先生(庄内町地域おこし協力隊・小松広幸さん)の「はじめての人とお話しするときのヒアリングテクニック」です。


○準備段階として、相手のプロフィールや情報に目を通す。

○本題に入る前にできるだけお互いの話をする。

○口数の少ない人であれば、話す割合より聞く割合を増やす。

○ベテランの方の話ははりあわず、後輩として聞き、その場の全員がわかるようにベテランに質問したり、ベテランの話に補足説明を加えたりする。


ヒロ先生は、私の夫でもあるのですが、コミュニケーション能力が普通の人とは格段に違います。年上にも年下にも常に配慮しつつ、どんな関係の人にもわけへだてない対応で適切なアドバイスをしていくところがステキです。そのかわり、私や田口くんのような年下の友だちには、配慮が足りない行動をした場合にすぐに教え、正してくれます。

次が、親友の田口くん(鶴岡市地域おこし協力隊・田口比呂貴さん)のアドバイス、里山でのコミュニケーション術です。


○既存の組織ややりかた、考えかたを認めること、気をつかいすぎないこと。

○人の山のモノをとらないこと。釣りをする、山菜を採るなど、やっていい場所かどうかわからないときは逐一相談すること。

○地域内で新たなことをするときは相談すること。

○おすそわけはなるべく受けいれること

○素直にあやまること。

○過去の事実を受け入れること。

○イメージだけで語られる人物像はうのみにしない。

○すれ違ったらとにかくあいさつする。

○庄内弁でしゃべられたら庄内弁で返す。


b.jpg


普段から、いっしょに活動することの多い田口くん。彼は、まるでネコのように人の懐に入るのが得意な性格です! 誰からでも愛されるキャラクターは、母性本能をくすぐるというか、「1人で1反部 田植えをする」とか「人通りの少ない山間部の路上でストリートライブをする」っていいだすところ、私たちが応援をお願いするとマメに来てくれるところなど、なんというか、ほっとけない可愛さがあるんでしょうかね~(笑)。私もヒロ先生も、その魅力に夢中になっています。

ヒロ先生と田口くん、両方からも見えてきますが、どちらもまず自分を出す前に、相手のことをまず考え、配慮する姿勢がみえますよね。

さて最後に「私のコミュニケーション術」です。


○どんなときでも、笑顔と最初の一言は大きな声ではっきりと。(これだけで、どんな緊張した場面に出くわしたとしても場が和み、あっという間に打ち解けます(笑)。もし、暗い性格だとしてもこれをすることで自分にも相手にもスイッチが入るので是非実践してみてください!)

○自分の気持ちは、回りくどい言葉でなく素直な気持ちで伝える。(気持ちをためこまず、楽しい・悲しい・嬉しい・ありがとう・ごめんなさいはその場で解決! 次に会っても、何の緊張感もなく快適にスタートできます♪)

○自分の勘が働いたときは、ようすをうかがわないですぐに声かけしてみる。(実は、つらいことを本人が気づいていないとか、誰かが気づいてくれることを待っていることもあります。ひとりで悩むよりも、他者が入ることで簡単に解決することはたくさんあります。みんなで悩んで、みんなで解決する経験もコミュニティづくりには大切です。)


私たちの今の暮らしは、快適になりすぎて、ひとりで生きていけるような錯覚に陥りやすいです。確かに、それはそれでも生きていけます。でも、【検索】して得る情報より【コミュニケーション】から得る情報のほうが関連情報も含めより多くの情報を得られ、コミュニティも生まれます。そのリアルなコミュニケーションの繰り返しの先に、楽しい居場所が待っているような気がします。

人づきあいは、配慮があってこそ円滑に回ります。なんでも言いあえる仲だといって、思いやりのない言葉で攻めたりわがままを言ったりせず、お互いが支えあい理解しあえる仲間づくりができたらどうでしょう? ここでは簡単な言葉で終わりますが、それぞれの役割と組み合わせによって楽しく快適な居場所が自分の気持ちひとつでつくれます。

事例にあげたコミュニケーション術をひとつでもいいので、試してみてください。いつもよりちょっとだけ気持ちのいい今日が待っているかもしれませんよ!


===========================

プロフィール
こまつかおる
1980年生まれ。庄内町出身。2007年より、夫婦で個人的に酒田市中山間の集落へ入り農業や里山暮らしの情報収集と情報発信・グリーンツーリズムを始める。3.11以降、パーマカルチャーと出会い自然に配慮した暮らしのワークショップなどを開催している。「農的暮らし研究所」主宰。

[最上篇]「みちのくスワンプマン」 プロジェクト 始動!の巻

ぬ
ぬまのひろし(無職)

「神は死んだ」とニーチェはいい、「ロックは死んだ」とジョニー・ロットンはいったそんな時代。
「ぬまの まだ生きてる」と皆に驚かれます。こんにちは。神でもロックでもない男、ぬまのひろしです。

前号に寄稿させていただいたとおり、相変わらずの無職。しかしありがたいことに、「カナリヤ(僕)を生きさせてくれ」と書いたところほんとに助けてくれる人たちが現れ始め、こうして生きて再び拙い筆をとらせていただくことになりました。ありがとう山形、いいところです。
先の寄稿では望外の反響をいただいたのですが、好き勝手書いたため結局自分が何してる人なのか述べないという暴挙に出てしまいました。反省してます。ので、今回少しは真っ当に書いてみることにします。各位、ナナメ読みのご用意を。
「ヌマノ音楽教室」というのが始まりました。
ゴミガラクタでつくられた現代民族楽器たちのお教室です。僕がつくったまだ名前もない子たちですが、そのぶんまだ正解のない楽器たち、歴史や伝統や常識で代入できない剥き出しの体験がそこにはあります。聞こえたままに、鳴るに任せて鳴らす己の身体の延長としての音。昔々あるところのおじいさんとおばあさんたちが紡ぎ出してきた「ソレ」らを今「民族音楽」と呼ぶのなら、僕らにも脈々と伝わる「コレ」もまた同じ。
芭蕉さんもいってました。「古人の跡を求めず、古人の求めしところを求めよ」って。後で勝手に人が名づけるであろう「コレ」、「現代民族音楽」とでも呼ぶべきモノの黎明にあなたも加わってみませんか?

お値段なんと5000円/月! 安い!
お弟子さんからは「楽しい!」「私にもあの曲が弾けた!」「音楽がわかった!」「金運があがった!」「ピーマン食べられた!」「クララが立った!」等々大変なご好評をいただいています!
(※あくまで体験者の個人的な感想です。)


ぬぬ

まあ、どうあがいても、はたから見たらただの「ゴミもってる人」ですよ。ええ。上等じゃないか。僕はゴミだし、どうせお前もゴミだろう。ゴミは唄うのだ。来たれゴミたち。

…えーと。話し変えます。
スワンプマンという思考実験があります。


ぬぬぬ


…(略)…スワンプマンとは沼(Swamp)の男(man)という意味の英語。
ある男がハイキングに出かける。道中、この男は不運にも沼のそばで、突然 雷に打たれて死んでしまう。そのとき、もうひとつ別の雷が、すぐそばの沼へと落ちた。なんという偶然か、この落雷は沼の汚泥と化学反応を引き起こし、死んだ男と全く同一、同質形状の生成物を生み出してしまう。
この落雷によって生まれた新しい存在のことを、スワンプマン(沼男)と言う。スワンプマンは原子レベルで、死ぬ直前の男と全く同一の構造を呈しており、見かけも全く同一である。もちろん脳の状態(落雷によって死んだ男の生前の脳の状態)も完全なるコピーであることから、記憶も知識も全く同一であるように見える。沼を後にしたスワンプマンは、死ぬ直前の男の姿でスタスタと街に帰っていく。そして死んだ男がかつて住んでいた部屋のドアを開け、死んだ男の家族に電話をし、死んだ男が読んでいた本の続きを読みふけりながら、眠りにつく。そして翌朝、死んだ男が通っていた職場へと出勤していく。           (以上wikipediaより転載)

“我とは何ぞや”という命題を問うスワンプマン。
スワンプマン=沼の男=ぬまのひろし!!

俺か!!!!
…ということで、始めました。「swampman」プロジェクト。

日々の暮らしに忙殺されて、自分が何者か忘れてしまうときがありませんか?
立ち止まって空を見上げたくなったそんなとき、「私は生きている」というために必要なものは、実はそんなに多くないのかもしれません。
“みちのくのスワンプマン”ことぬまのひろしがつくる、頭いいんだか頭悪いんだかわからない不思議なモノたち。
日々の暮らしにはほぼ確実に必要のないそんなモノたちを皆さんにお届けする「Swampman」プロジェクト。ついデキゴゴロでHPまでつくっちゃいました。ミテネ。                   


バーコード


ぬぬぬぬ

地域コミュニティ での実体験から 感じること。 花屋伸悟

地域社会の根底には地縁という概念がありますが、それに対してNPOはよく志縁組織と表現されています。しかしながら、NPOの業界でも「小規模多機能自治」という考えかたが着目されてきており、NPOと地域社会の関わりは、「地域の課題解決・解消を図る」ことを目的にしているという点でも、地続きのものであるということが再認識されるようになってきました。

では、わたし自身はどうなのかというと、年齢的にどうしても地元のさまざまな取り組みとの関わりが濃くなってきているのですが、そのなかで最近特に感じているのは地縁組織の「担い手不足」です。

わたしが子どものころに比べると、地域を構成している人の数は明らかに少なくなっています。そして、少子高齢化+すぐには効果の出ない活動に対する拒否感・嫌悪感はやはりどうしてもあるもので(実際にわたしも最初はそうだったので)、そういった状況のなか、この小さな人的キャパシティで既存の役職を埋めざるをえないという実態は、結果として地縁組織の形骸化を生んでしまっているように感じています。

この地縁組織の形骸化と担い手不足は、予算をつけて、枠をつくればよくなるというような簡単なものではありません。むしろ、地縁組織の枠組みを部外者がつくり、それを制度化するということは、実情として住民に余計な負担を与えてしまう結果となり、そのしわよせはじわじわとわたしたちのような「若者」と定義されている世代にも忍び寄ってきています。
 
では、視点を変えてみるとどうかというと、わたしたちに何か不都合なことがおこると、国や自治体の責任として一方的に政治や行政の批判をするのはいかがなものかと。こと山形に限っていえば、自治体に多大な信頼を寄せる山形の県民性には、逆に、何についてもその主語を「役所が」としてしまうことに違和感を覚えることがあります。
わたしたちは行政セクターを、地域課題を解決するための百貨店にしてしまってはならないし、そしてまた、他力本願だけでは、地域は衰退していく一方です。

以前わたしは、とある地縁組織の方と、「自分たちでできることは可能なかぎり自力でする。役所にお願いするのは、自力ではどうしてもできない部分だ」との対談をしたことがありました。行政依存しない住民の姿勢とわたし自身の体験から感じているのは、課題解決の糸口はその地域に内在しているのだということです。

地域に息づくものとは、数字であらわせるような無機質なものではなく、それをエンパワメントし実践することが、彼らのような、住民発案型の自走するコミュニティに結果として現れるのだと思います。

だからこそ、わたしはそれぞれの枠組みが本来もっている目的の再確認と、現状や時代にあわせて組織のありようを住民自身が改善していき、内容のあるものにしていかなければならないものと思うのです。この辺は、非営利のところで常にミッションを意識しながら活動しなければならない、NPOの感覚が生かせるところなのかもしれません。

ただし、地域社会において「NPOだから」というロジックは、基本的には役に立たないものです。結局のところ、その地に住む人たちからの信頼を得なければ、地域の課題を解決することはおろか、種々の取り組みに参画することはとても難しいものです。

地域にはいろんな人たちがいます。一升瓶をもつと面倒臭くなる親父たち。遭遇したかと思えばやたら結婚の世話をしたがるおばちゃんたち。静かにしろといってもいうことを聞くどころか、それを逆手にとってますます騒いで楽しむガキんちょたち。

こういった生活環境は、わたしたちにとっては面倒なことに見えるかもしれません。しかし、そうであるからこそ、地域の行事に必ず顔を出してくれる人には、他に代えがたい信頼が寄せられるものです。そしてまた、多様な人たちとの関わりが、彼らの人としての幅を広げてくれます(もちろん、何歳になっても全く変わらない人もいますが)。

そんな、面倒で厄介なことも含めてのつながりと蓄積が、結果として地域のもつ力となっていきます。隣家の老人や登下校の子どもたちの微妙な変化に気づく感覚とは、こういった日常の積み重ねによるものなのでしょう。地域の担い手の世代交代とは、そのようにして繰り返されていくということが、この歳になって、そして地縁で括られるコミュニティにコミットし続けることでようやくわかってきたように思います。

地縁という概念がなすコミュニティとは、その土地で生まれ育った人には無条件で与えられる人生最初の居場所であり、私たちはそれを「ふるさと」と呼んでいます。

ここまで書いたことから思い返してみると、その「ふるさと」がもつ普遍性とは「変わらないこと」だけではなく、「変わっていくこと」とのバランスによって成り立っているのかもしれませんね。


============================================

■プロフィール 
花屋伸悟 (はなやしんご)
1984年、山形市生まれ。東北公益文科大学卒業後、フリーで多様な業界を経験。また、地元の気のあう仲間同士でグループをつくり、さまざまなアクティビティをしている。この他に、同窓会学年幹事や消防団幹部、スポーツ競技団体の役員や高校部活動の外部コーチも務めている。NPO・市民活動には3.11を機に深く関わるようになり、現在の本職はNPO中間支援。自宅は小さなさくらんぼ農家。山形市在住。

プロフィール

Author:ぷらっとほーむ 「まどあかり」編集部
山形市にある「NPOぷらっとほーむ」の〈若者の居場所づくり活動支援事業〉のブログです。
山形県内各地で活動している若者団体や個人のインタビュー、イベント情報や参加レポートなどを随時更新していきます。

2016年度の本事業は、〈一般財団法人 人間塾〉の助成を受けて取組んでいるものです。
〈一般財団法人 人間塾〉

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
その他カテゴリ
カレンダー
01 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
まどあかりカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。